「かっぱ寿司」社長が“営業秘密”を古巣「はま寿司」から持ち出しか…逮捕　業界“4位低迷”で焦り？「普通はやらない犯罪」

「かっぱ寿司」社長が“営業秘密”を古巣「はま寿司」から持ち出しか…逮捕　業界“4位低迷”で焦り？「普通はやらない犯罪」｜TBS NEWS DIG

回転寿司業界に衝撃が走っています。業界4位「かっぱ寿司」の社長が、業界3位「はま寿司」のデータを不正に持ち出した疑いで9月30日、逮捕されました。逮捕された田辺容疑者は以前、「はま寿司」の取締役を務めていた人物。背景にはライバル社への焦りがあったのでしょうか。
日本コカ・コーラ副社長やタカラトミー社長などを歴任してきたハロルド・ジョージ・メイさんを交え、事件の詳細をみていきます。

■業界4位「かっぱ寿司」社長逮捕　ライバル社のデータ不正入手か

ホラン千秋キャスター：
慎重に捜査が進められてきた今回の事件、見ていきましょう。
「かっぱ寿司」の社長・田辺公己容疑者です。「はま寿司」から営業秘密を持ち出した可能性があるということなんです。

背景を見ていきます。まずは「かっぱ寿司」という会社についてです。かっぱ寿司を運営しているのは「カッパ・クリエイト」という会社です。かっぱ寿司を全国305店舗展開しています。
回転寿司業界で見てきますと、売り上げは4位ということなんですね。各社しのぎを削っている回転ずし業界。売り上げアップを目指して、かっぱ寿司も様々な取り組みを行ってきました。

2017年には業界初の食べ放題というシステムを試みたり、現在は物価高の中、高級なネタも含めて100円祭りを実施したりと、お客さんにとにかく来てほしいということで様々な工夫を行ったんです。

■田辺容疑者は元々「はま寿司」の人　競合他社への焦りか？

では、田辺容疑者の経歴を見ていきましょう。この経歴が今回の逮捕というところに深く関わってくるとみられます。

田辺容疑者が「かっぱ寿司」の社長になったのは2021年です。ただ、その前ですね、1998年ゼンショーに入社。ゼンショーというのは「はま寿司」を運営しています。ですので、元々は「はま寿司」にいた方。そこからカッパ・クリエイトに転職して、かっぱ寿司の社長になったという形になるわけです。

社長になって、2022年5月のオンライン会見でこのように話していました。ライバルとの差別化はどうするんですかという問いです。

田辺容疑者（2022年5月）
「厳しい競争の中ではありますけども、高品質な寿司、スピード提供ということにこだわりながら愚直に進めて参ります」

競合他社との差についてどう思っているかという問いについては…

田辺容疑者（2022年5月）
「競合（他社）よりも当社の方がややビハインドとはいえ、若干ながら詰めてきている。お客様に喜んでいただける『かっぱ寿司』をやって、その差を埋めたい」

この辺りの焦りがあったのかどうなのかというところにはなりますが、今回の事件の経緯というの見ていきましょう。

■事件の経緯は？　2021年「はま寿司」が刑事告訴

2021年のことです。「はま寿司」が「かっぱ寿司」社長の田辺容疑者を刑事告訴します。
というのも、2020年11～12月に「はま寿司」の社員がメールで、「はま寿司」の売上データなどを数回、当時「カッパ・クリエイト」の顧問だった田辺容疑者に送ったということなんです。これを受けて、2021年6月に警視庁は「かっぱ寿司」の本社である「カッパ・クリエイト」を家宅捜索したんです。

そこからかなり時間をかけて捜査を進めまして、9月30日、仕入れ価格データなど営業秘密を不正に持ち出した不正競争防止法違反の疑いで、田辺容疑者を逮捕したということなんです。

「不正競争防止法」とは一体どういうものなのか。
事業者の営業上の利益の保護、公正な競争秩序の維持を目的としたものです。営業上の利益には「営業秘密」も含まれるわけなんですね。

▼「営業秘密」の定義
・秘密として管理している販売方法
・事業活動に有用な営業情報など

今回「はま寿司」の社員から「かっぱ寿司」の田辺容疑者に送られた売上データというところも、この営業秘密に当たるのではないかというわけなんです。

今回の件を受けまして「かっぱ寿司」運営会社のコメントです。

カッパ・クリエイトのコメント
「当社は報道については認識しておりますが、現在、事実確認を行っているところであります。今後公表すべき内容が発生した場合には速やかに開示いたします」

■大企業取締役など務めるメイさんに聞く「ある意味分かりやすい犯罪」

井上貴博キャスター：
元々かっぱ寿司は業界1位だったところから4位になってる。その焦りが背景にあるのではないかという指摘はあるわけですけど、これだけのことを田辺容疑者が1人で、できうるのか、はたまた組織的に何か指示があってのことなのか。そのあたりも今後捜査になると思うが、そういったことを含めどう思いますか。

パナソニック社外取締役など務める　ハロルド・ジョージ・メイさん：
もしこれが本当であれば、ある意味わかりやすい犯罪だなと、そして仰るようににこの業界の厳しい環境の表れでもあるんじゃないのかと。
確かにライバルの企業から、特に幹部クラスを引き抜くっていうことは、それなりのメリットもあるわけですよね。データだとかそれから仕入れ価格だとか、でもそれよりもやっぱり“考…（https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220930-6043443）

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