「国葬」賛成派・反対派周辺で衝突も…“献花”最大5キロ・5時間待ちの大行列(2022年9月28日)
27日、安倍晋三元総理大臣の国葬が行われました。一般献花には大行列ができ、5時間待ちとなりました。一方、国葬に「賛成」と「反対」する2万人のデモ参加者たちによる衝突もありました。
■献花…行列5キロ&5時間待ち
安倍元総理の国葬が始まる4時間半前の27日午前9時半。朝から多くの人が集まり、一般献花は予定よりも30分時間を繰り上げて始まりました。
強い日差しが照り付けるなか、日傘などで暑さ対策をしながら、多くの人が並んでいます。
献花に来た人:「すごい列だったんです。本当に本当に…」「朝から並んだんだけどね、列も長いし…。花も買って来たんですけども、諦めて…」
並ぶのを諦めてしまう人も出る大行列。一体、どこまで続いているのでしょうか?
一般献花が始まってから1時間半後の午前11時には、入り口付近の道路を何度も折り返すような形で行列ができていました。
訪れる人が増え続けたことで、行列に大きな変化がありました。
午前中の狭いエリアで折り返す行列ではなく、広いエリアに拡大。四ツ谷駅が折り返し地点となり、行列の長さは最大で5キロほどになりました。
この行列を見た、近隣住人は、次のように話します。
近隣住人:「いやー、びっくりしたよ」「すごいね…」
一方、午後1時から並び始めた大学生は…。
献花に並ぶ大学生:「やばいですよね」「思ったより…」「もうちょっと、少ないのかなと思って。ちょっと、高をくくって来たんですけど、意外にこんな並んでいて…」
並び始めてから2時間が経ちました。
大学生:「これだけ並んでると、足に結構きますね…」
よく見てみると、2時間前には持っていなかった袋があります。
大学生:「途中で時間がもうないから、花を頂いて。『一緒に手向けてほしい』って」「通りざまに渡されて」
手には、見知らぬ女性から渡された花がありました。想定外の行列に時間がなくなり、「代わりに花を手向けてほしい」と頼まれたといいます。
女性の想いを託され、並ぶこと4時間。無事に献花できました。
大学生:「無事に弔意を伝えることができたので、ホッとしています」
さらには、こんな声もありました。
行列に並んだ人:「(Q.どのくらい並んだ?)5時間」「いや、もう疲れました…足とかは、ちょっと大変です」
■生花店でも行列…売り上げ10倍に
一方、一般献花とは別の場所でも…。
手向ける「花」を購入する人たちで、およそ100人の列ができていました。
生花店に並ぶ人:「並んでたどり着いて、花が残っているかどうか」「目の前で売り切れになる可能性があるかなって…」
「きりしまフラワー半蔵門店」では、仕入れを通常より3割増やしていましたが、想定外の客の多さで足りず、系列店から花を分けてもらうことにしました。
音無功社長:「本当に申し訳ない…。完売なので、今すぐ新橋(の店)から、少しでも取ってこようと思って。申し訳ありません」
開店以来、こんなに忙しいのは初めてだといいます。
音無社長:「(通常の)5倍~10倍近い売り上げでした。もう、大変でしたね…。これだけの人が来るとは、予想だにしなかったので…」
行列のなかには、花を手に持っているにもかかわらず並ぶ人の姿がありました。
生花店に並ぶ人:「(Q.何の列に並んでいるんですか?)これはね、安倍さんの…」「(Q.あの、ここ生花店の列…)え?献花、献花…」
男性は、一般献花の列だと勘違いして並んでいたのです。
一般献花には、およそ2万3000人が訪れました。
■国葬反対デモ…賛成から“怒号”
日本武道館へ向かって歩いていく国葬反対のデモ行進。
デモ行進を先導するDJポリス。27日、全国各地で行われたデモ。国会周辺では1万5000人、日比谷公園で2500人が集まったといい、現場が騒然となる事態も…。
武道館までわずか250メートルの九段下交差点では、「国葬反対」のプラカードを掲げるデモ行進に今、1人男性が向かって行きました。警察官に取り押さえられています。
賛成派:「お前らが来るところじゃねえんだよ!」「何で行かせてるんだよ!おかしいだろうがよ!」
警察:「止めてるから!」
賛成派:「止められてねえじゃねえかよ!」
賛成派と反対派が衝突し、警察官が必死に制止します。
警察:「ダメダメダメダメ!」
さらに、暴れる賛成派の男性を警察官がなだめる場面もありました。
■菅前総理“追悼の辞”「苦楽を共に」
27日午後1時半、安倍元総理の自宅前では、自衛隊の儀仗(ぎじょう)隊が見送るなか、昭恵夫人が武道館に出発。ひざの上には、安倍元総理の遺骨を抱えています。
途中、防衛省に立ち寄った後、午後2時前、日本武道館に到着しました。
安倍元総理を悼む弔砲が響き渡るなか、岸田総理を先頭に武道館の中へ入って行きます。
遺骨は、安倍元総理が愛した富士山をイメージした式壇に置かれました。
松野博一官房長官:「ただ今より、故安倍晋三国葬儀を執り行います」
国歌吹奏後、儀仗隊が入場。黙祷(もくとう)は、会場の外でも行われていました。
大阪・道頓堀では、国葬の様子が街頭モニターに映し出され、黙祷をする人や涙を流す人の姿もありました。
そして、友人代表として追悼の辞を読み上げたのは、官房長官として長年、安倍元総理を支えた菅義偉前総理です。
菅前総理:「7月の8日でした。信じられない一報を耳にし、とにかく一命をとりとめてほしい。あなたにお目にかかりたい、同じ空間で、同じ空気を共にしたい。その一心で、現地に向かい、そして、あなたならではの、あたたかなほほえみ、最後の一瞬に、接することができました。あの運命の日から、80日が経ってしまいました。やかましかったセミは、いつのまにか鳴りをひそめ、高い空には、秋の雲がたなびくようになりました。季節は、歩みを進めます。あなたという人がいないのに、時は過ぎる。総理が官邸にいる時は欠かさず、1日に一度、気兼ねのない話をしました。今でも、ふと、一人になると、そうした日々の様子が、まざまざと、よみがえって参ります。決断の毎日が続くなかにあっても、総理、あなたは、常に笑顔を絶やさなかった…。あらゆる苦楽を共にした7年8カ月。私は本当に幸せでした。衆議院第一会館、1212号室のあなたの机には、読みかけの本が一冊ありました。岡義武著『山県有朋』です。ここまで読んだという、最後のページは、端を折ってありました。そして、そのページには、マーカーペンで、線を引いたところがありました。印を付けた箇所にあったのは、いみじくも、山県有朋が、長年の盟友・伊藤博文に先立たれ、故人をしのんで詠んだ歌でありました。総理、今、この歌くらい、私自身の思いをよく詠んだ一首はありません。『かたりあひて尽しヽ人は先立ちぬ、今より後の世をいかにせむ』。深い悲しみと、寂しさを覚えます。総理、本当にありがとうございました。どうか安らかにお休み下さい。令和4年9月27日前内閣総理大臣、菅義偉」
■大規模警備「ちゃんと誘導しろ」
国葬には、歴代の総理大臣や海外からの参列者の要人の他に、プロ野球福岡ソフトバンクホークス王会長や、巨人の原監督、女優・萬田久子さんの姿もありました。
弔意は、こんな場所でも示されていました。
渋谷にある旧統一教会本部の前には。弔意を示す国旗が掲げられています。
全国から約2万人の警察官が動員された、今回の国葬。
男性:「通勤経路が…」
警察:「申し訳ありません。こちら、居住者の方でなければ…」
男性:「そこだよ?」
警察:「この先、車両等は通行止めになっていますので。きょうは大変申し訳ないんですけど、迂回(うかい)をお願いできますか?」
警察:「車両通ります!お気を付け下さい!」
「違う違う違う、ちゃんと誘導しろよ」と、怒号が飛び交う場面もありました。
厳しい交通規制のため、周辺の道路では渋滞が起きていました。首都高速の通行止めは、午後9時ごろまで続きました。
■献花終了後も…続々“弔問者”
国葬が終わり、辺りが暗くなった午後6時半。花束を持つ2人の女性がいました。
警察:「献花はもう…」
女性:「あー、そうなんですね」
警察:「終わってしまいまして、申し訳ございません」
献花の列に並ぶことができないと注意喚起されていた午後5時以降も、続々と花束を持ってやってくる人たちがいました。
献花ができなかった人:「(Q.お花は、どうする?)どうしようか?」「そうなんですよね。とりあえず、家に持って帰ります」
国葬は、予定より1時間ほど遅れて終了。安倍元総理の遺骨は、兄の寛信さんに抱えられ、武道館を後にした。
喪主を務めた昭恵夫人は、迎賓館で海外の参列者からの弔問を受けた。
午後9時半ごろ、記者たちに会釈をしながら自宅へと戻って来た昭恵夫人。長い国葬の一日を終えました。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年9月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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