静岡で3歳園児死亡　バスに5時間置き去りか…“70代園長”代理運転　降車時の確認なし(2022年9月6日)

静岡で3歳園児死亡　バスに5時間置き去りか…“70代園長”代理運転　降車時の確認なし(2022年9月6日)

　静岡県の幼稚園の送迎バスの中に置き去りにされ、3歳の女の子が死亡した事故で、普段の運転手に代わって70代の園長が急きょ、運転を担当していたことが新たに分かりました。

■“5時間”置き去りか…車内で園児死亡

　園からの通報：「バスの中で意識のない子どもがいます」

　静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で明らかになった悲劇。

　認定こども園の送迎バスの車内で、3歳の女の子が倒れているのが見つかり、その後、搬送先の病院で死亡が確認されました。

　亡くなったのは、送迎バスで園に通っていた河本千奈ちゃん（3）です。

　バスは5日午前8時半ごろ、千奈ちゃんを含む園児6人を乗せ、午前8時50分ごろ、園に到着。午後2時10分ごろ、園からの送りのために駐車していたバスを出したところ、車内で千奈ちゃんが倒れているのが見つかりました。

　およそ5時間にわたり、車内に置き去りにされていたことになります。

■“園長”代理運転　降車時チェックなし

　5日、牧之原市の最高気温は30.5℃。さらに、南から湿った空気が入ってきた影響で、昼以降の湿度は70％という蒸し暑い一日でした。

　5日は、70代の理事長兼園長が普段の運転手に代わり、急きょハンドルを握っていたことが新たに分かりました。同乗していた補助の職員は、園児がバスに乗る際、個別に園児のチェックを行ったといいます。

　ところが、バスを降りる際には、個別のチェックは行っていませんでした。

　集まった報道陣に、幼稚園の事務長は、次のように話しました。

　認定こども園「川崎幼稚園」・増田太朗事務長：「（Q.園児が亡くなったことについて、どう受け止めているか？）後日、お話し致します」「（Q.（園の周辺に）規制線が張られるようなことになったが？）大変申し訳なく思っております」

　幼稚園に子どもを預けている親の元には、事態を知らせるメールが送られてきたといいます。

　同じ園に子どもを預けている母親：「こういうことがあったっていうことをメールで頂いて。（あす以降は）家庭で見られる範囲であればということで、連絡を頂いているので」「本当、何でっていうふうにしか思えないんですけど、やっぱり信用して預けてるので」

■バス内“わずか6人”…立ち入り調査へ

　バスの車内に取り残され、子どもが命を落とす事件。およそ1年前、福岡県中間市でもありました。

　保育園の送迎バスの車内に、当時5歳の男の子が9時間、置き去りにされ、熱中症で死亡しました。

　事件後、厚生労働省などは、幼稚園や保育園などに対し、乗車時や降車時に園児の座席や人数を確認し、職員の間で情報共有を徹底することなどの通知を出していました。

　幼稚園バスに乗っていたのは、わずか6人。日中、園の中に、千奈ちゃんがいなかったことに誰も気付かなかったのでしょうか。

　同じ園に子どもを預けている母親：「自分の子がバスに乗ってなかったとしても、こういうふうになっちゃうのは、つらいっていうか。涙しか出ないっていうか」

　静岡県は、確認が不足していた可能性があるとして、近く立ち入り調査を実施する方針です。

（「グッド！モーニング」2022年9月6日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>