陽性職員が陽性入居者を『陽陽介護』の現場…急激な症状悪化で救急隊到着の緊迫の瞬間(2022年9月2日)

陽性職員が陽性入居者を『陽陽介護』の現場…急激な症状悪化で救急隊到着の緊迫の瞬間(2022年9月2日)

陽性職員が陽性入居者を『陽陽介護』の現場…急激な症状悪化で救急隊到着の緊迫の瞬間(2022年9月2日)

新型コロナウイルスの感染状況が減少傾向に転じたとみられる一方で、高齢者施設では今も深刻な状況が続いています。

 水野クリニックの水野宅郎医師は現在、大阪府内にある6つの高齢者施設で往診を行っています。このうち2か所でクラスターが発生し、入居者や職員など約2割が感染しているといいます。

 (水野医師)「ここの(職員の)3人、みんな(コロナに)なってるの?」
   (職員)「なってます。なった後のほうがしんどい。この施設があまりにクラスターで」

 陽性になった職員がそのまま陽性の入居者の介護をしなくてはいけない『陽陽介護』という深刻な現状。これに加えて、今、深刻になっているのが高齢感染者の急激な症状の悪化です。

 (水野医師)「ちょっと眠い?大丈夫?何やろな急に」
   (職員)「そうですね、様子見に来たらこんな状態」
 (水野医師)「血圧高いし」
   (職員)「熱も測って36.7℃ぐらいだったので。酸素が特に…」
 (水野医師)「すぐ酸素投与するわ。ちょっと今酸素を持ってきてもらっているから。ちょっと酸素投与するね。しっかり吸って。頑張ってよ」

 90代の女性は、心臓に疾患があるものの普段は1人で食事をしていて、つい先ほどまで意識もしっかりとしていました。しかし突然パルスオキシメーターの数値が急激に下がり、命にかかわる深刻な症状に。急いでレントゲンを撮りますが…。

 (水野医師)「(レントゲン見て)肺炎あるけどって感じやな。こんなんで(数値が)50になる?」

 救急隊も到着。女性の家族にもすぐに連絡を入れます。

 (水野医師)「(搬送するかしないか)厳しい選択なると思いますね。人工呼吸器にしたら助かるかといわれると、ちょっと厳しいとは思いますね。いや来てもね…来てもここコロナだらけだから来んほうがいいような気がするけど、家族さんいくつ?81歳なら来んほうがいい気がするけどな…」

 深刻な状態にもかかわらず、クラスターの現場であるため家族もすぐに会うことができません。ただ、女性は以前から延命治療を望んでいなかったこともあり、家族の希望により救急搬送は行わず、施設で様子をみることになりました。すると救急隊員が…。

  (救急隊)「我々としては次の救急事案に行かせていただきますので」
 (水野医師)「順番抜かしはできないもんな…」
   (職員)「ここに(別の患者が)おったからこの人ってわけにはいかんか…」

 この施設にはほかにも容体の悪い高齢の感染者がいるのですが、救急隊は待ってはくれません。すぐに次の現場へ向かわなければならないのです。

 (水野医師)「胸痛い?しんどい?」
   (職員)「目あけて!胸痛い?胸痛いって」

 救急隊が帰った後も女性の看病を行う水野医師。

 (水野医師)「頑張ろう。(数値が)63まで回復している。頑張れる、頑張れる」

 懸命の治療によって酸素飽和度も徐々に回復していきます。女性には心臓に持病があることから、徹夜で見守る職員に看病を引き継ぎます。女性は翌日、奇跡的に回復を遂げ、入院することに。家族とも無事会うことができました。

 日々このようなやりとりが行われている過酷な高齢者施設の現状。命を守る必死の取り組みが続いています。

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