“洗脳したママ友”と“洗脳された母親”が同じ法廷に…裁判に影響は?弁護士が解説 5歳児餓死事件|TBS NEWS DIG

“洗脳したママ友”と“洗脳された母親”が同じ法廷に…裁判に影響は?弁護士が解説 5歳児餓死事件|TBS NEWS DIG

“洗脳したママ友”と“洗脳された母親”が同じ法廷に…裁判に影響は?弁護士が解説 5歳児餓死事件|TBS NEWS DIG

2020年4月に福岡・篠栗町で5歳の男の子を餓死させたとして起訴された“母親のママ友の女”の裁判員裁判で、その母親が当時の状況を証言しました。証言の内容を詳しく見ていくとともに、“ママ友”裁判の争点となるポイントについて弁護士を交え解説します。

ホラン千秋キャスター:
2020年に5歳の男の子を餓死させたとして母親とともに起訴された「ママ友」の女の裁判員裁判でママ友に支配されていたと話す母親が証言を行いました。ではまずどんな事件だったのか振り返っていきましょう。

2020年4月、碇翔士郎ちゃん当時5歳が重度の低栄養により餓死。母親の碇利恵被告、ママ友の赤堀恵美子被告が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕・起訴されました。そして2022年6月、母親である碇被告の裁判員裁判が行われ赤堀被告からの支配を認め懲役5年の判決となりました。しかし判決後、執行猶予付きの判決を求め現在控訴している状況です。

今回は母親を洗脳していたとされるママ友の初公判ですが、検察側は碇被告ら家族の生活を赤堀被告が実質的に支配していたとして裁判を進めたい。一方、弁護側は支配関係ではなく意気投合した友達だった。共謀関係も成立しないという主張。この裁判の焦点は、支配関係にあったと立証できるかどうかというところになるわけです。

初公判で裁判長から起訴内容について問われた赤堀被告は翔士郎ちゃんの食事の量などは「指示していません」と否定。さらに弁護側は碇被告の話は過激な内容でまゆつばものの話と述べ、起訴内容を全面的に否認、無罪を主張しました。

ではまゆつばものと表現された内容というのは一体どんなものだったのでしょうか。母親の碇被告の証言をまとめました。

▽金銭の授受
他のママ友とのトラブルについて赤堀被告がボスと呼んでいる人に解決してもらうからと1人50万円ずつの示談金を要求された。精神的苦痛や慰謝料、弁護士費用や書面代といった名目で50万円ずつ必要だと言われた。

▽赤堀被告のSNS
碇被告の夫が浮気していると書いた。赤堀被告からの“あいつ女と居る”などの報告がリアルで夫を信じていたのに許せなくなった。

▽翔士郎ちゃんの食事の管理や指示について
赤堀被告から感謝の気持ちが足りない。ご飯をもらえるのは当たり前と思うなと言われた。食べ終わった後も赤堀被告に対して美味しかったですと言わなければならない。

▽翔士郎ちゃんへの暴力について
毎日頭ごなしに怒られ罵声を浴び、一日中正座で座り、精神的に病んでいた。翔士郎ちゃんをマットレスに投げ飛ばした。

こういった証言に対して赤堀被告は・・・

▽金銭の授受
碇被告から金銭は受け取っていません。

▽赤堀被告のSNS
碇被告から浮気話をSNSに打ってくれと。自作自演のような形で言われた通りに打っていただけ。

▽翔士郎ちゃんの食事の管理や指示について
碇被告からパンを食べさせているのは聞いていた。子供たちには私のことを怒らせたら怖いと植え付けていたようで、言いつけを守らせるためにそういうLINEを送ってと言われた。

▽翔士郎ちゃんへの暴力について
あざができていたので、翔士郎ちゃんにどうしたのって聞いたらママから叩かれたと。碇被告が暴力を振るっているのを見たことがある。

井上貴博キャスター:
真っ向から意見が食い違い物的証拠が少ない。矛盾点を突いていくことになるんでしょうか。

萩谷麻衣子弁護士:
この事件の最大の争点は赤堀被告の支配下のもと、赤堀被告が食事制限を指示し共謀して、餓死に至らせたかどうか。どちらの言い分が信頼できるか。最終的にはそこにかかってきている。どちらの言い分が他の証拠と整合性や具体性があるか、詳細に述べたことに一貫性があるか、不自然なところはないか丁寧に検討し認定していくとになると思います。

井上キャスター:
今回のケースだけではなく、育児中の方は外界との接点がなくなり、マインドコントロールが支配される危険性がある。そういうときは録音・録画を残しておくといいですか。

萩谷弁護士:
録音やLINEのやりとりをできるだけ残しておく。客観的証拠を残すことは重要ですがなかなかできないことが多いのではないかと思います。

井上キャスター:
碇被告、赤堀被告、同じ法廷にいるということはもうマインドコントロール支配は解かれたというふうに考えているのでしょうか。

萩谷弁護士:
裁判官から見て大丈夫だろうと判断したということですから、もしどうしても相手がいれば証言できない状態であればついたてを立てますので、それをされていないということは2人一緒にいても、きちんと証言できるだろうと判断したと思います。

井上キャスター:
食い違いを裁判員がどう判断していくかということになりますか。

萩谷弁護士:
そうですね。裁判員と裁判官がどう判断するのかですね。

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