「家失った」国の3分の1水没 3300万人が被災 パキスタン大洪水(2022年9月1日)

「家失った」国の3分の1水没 3300万人が被災 パキスタン大洪水(2022年9月1日)

「家失った」国の3分の1水没 3300万人が被災 パキスタン大洪水(2022年9月1日)

 記録的な洪水に襲われているパキスタン。その被害の様子が徐々に明らかになっています。こちらは、洪水前に撮影された衛星写真です。そして、こちらが同じ地域の洪水後の衛星写真です。街が丸ごと水没してしまっている様子が分かります。

 整然と畑が並んだ大地。押し寄せた濁流にすべて覆われました。

 住居の近くを流れるいくつもの川。溢れ出た水が繋がり大きな池のようになっています。

 パキスタンを襲った記録的な洪水。北部、バフラインは鉄砲水で壊滅的な打撃を受けました。

 バフラインのホテル協会会長:「大小30軒ほどのホテルが流されました。きょうで洪水から6日目ですが、ホテルの中には6メートル以上の水が残っています」

 町のインフラも破壊され、手製の橋や、人力のロープウェイで川を渡る人たちもいます。

 南部、シンド州では多くの場所が冠水し、国土の3分の1が水没。

 同じく南部のバルチスタン州では首まで水に浸かりながらペットともに避難する人の姿もありました。

 これまでに3300万人が被災し、少なくとも1136人が死亡しています。

 洪水の後、恐ろしい災いをもたらすのは、汚れた水を飲むことによって起こる病気。

 特に子どもたちへの被害が深刻です。

 小児科医:「モンスーンの雨が降り始めると、特に子どもたちの間で予想される病気が増加しました。胃腸炎、皮膚病、マラリアが最も一般的です」

 パキスタンのレーマン気候変動相は、2カ月にわたる豪雨と、氷河が溶け出したことが洪水の主な原因で、それは気候変動がもたらしたものだと分析しました。

 そのうえで、ザルダリ外相はこう訴えます。

 パキスタン、ザルダリ外相:「世界の二酸化炭素排出量に関して、パキスタンの排出量は1%未満だが、気候変動の影響を最も被っているトップ10の1つだ。豊かな国々が工業化を進めた結果、気候変動が引き起こされた」

 ただ、アメリカのタイム誌によると、パキスタンは洪水に対する備えが不十分で、同様の気候変動リスクを抱えるネパールやベトナムのようなインフラ建設に投資を行っていなかったと伝えています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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