異例の“午前”総理会見のなぜ 後手に回った危機感!?「国葬」「統一教会」【後藤部長のリアルポリティクス】|TBS NEWS DIG

異例の“午前”総理会見のなぜ 後手に回った危機感!?「国葬」「統一教会」【後藤部長のリアルポリティクス】|TBS NEWS DIG

異例の“午前”総理会見のなぜ 後手に回った危機感!?「国葬」「統一教会」【後藤部長のリアルポリティクス】|TBS NEWS DIG

後藤部長のリアルポリティクスです。岸田総理が午前に“異例”の会見を行いました。
安倍元総理の国葬や旧統一教会の問題で逆風が吹く中、会見を行ったその背景には危機感がありました。原点に戻ることが出来るのか。後藤部長の解説です。

――8月31日は午前11時に岸田総理が会見を行いました。この時間の会見は珍しいように思います。

後藤政治部長:
たしかに総理会見は、通常ですと夕方から夜にかけて行われます。いわゆるぶら下がりという形式ではない、記者会見場で行われる会見は、夕方以降が一般的でした。異例のタイミングで行われたと言えます。今回の会見は岸田総理が、かなり危機感をにじませる会見だったと言えます。

――今回の会見はどのように見ましたか?

後藤部長:
岸田総理が最も伝えたかったのは2つです。一つは安倍元総理の国葬の件。もう一つは国葬ともかかわってくる、旧統一教会と自民党所属議員の関係性の説明です。旧統一教会について、岸田総理は自民党総裁として陳謝しています。

岸田総理
「閣僚等を含め自民党議員について、報道を通じ当該団体と密接な関係を持っていたのではないか。国民の皆様から引き続き、懸念や疑念の声をいただいております。自民党総裁として率直にお詫びを申し上げます。(頭下げる)」

後藤部長:
自民党総裁として陳謝しました。早くから、党が率先して調査を行うべきではないかという意見がありました。若干後手に回ったという意識が、岸田さんの胸の内にあったのではないかと思います。その危機感が会見に駆り立てた一つの要因だと思います。会見に先立って、岸田総理は自民党の役員会(党幹部が集まる会合)で、幹部に対して「国民の皆さんの懸念、疑念は自民党に対する信任に直結するものであり、重く受け止めなければならない」と述べた上で、「自民党の所属議員は過去を真摯に反省して、しがらみを捨て、当該団体との関係を絶つことを党の基本方針として徹底する」と宣言しています。改めて党は関係性を絶つのだということを言いました。内閣支持率も7月後半から落ち込んでいます。逆風を意識して、少なくとも旧統一教会については一つのけじめを示したかったのだと思います。

――安倍元総理の国葬についても各社の世論調査で反対の声が上がっていますね。

後藤部長:
国葬についても岸田総理会見で説明をしています。まず注目すべきなのは、岸田総理が国葬の意義について、自らが国会で説明をすると表明しました。これは野党の立憲民主党などが求めていました。意義だけでなく、国葬にどれだけの費用がかかるのか。政府は約2.5億円を国費=予算の予備費から捻出することを決めました。それ以外に、外国の要人も来ますから空港を含めた警備の費用について、岸田さん自らに説明を求めていました。当初政府・自民党は、岸田総理ではなく、松野官房長官の出席を考えていましたが、この問題に岸田総理が真っ向から向き合っていないと世論が受け止めてしまうのは得策ではないと、おそらく岸田総理が考えたと思います。岸田総理自らの判断で、国会に出ると決めた上での会見だと思います。国葬についても反対意見があります。世論もかなり分かれています。ある社の調査では反対の方がかなり上回っています。なぜ反対論が多いのか。根本的な原因として、安倍元総理と旧統一教会との間にどういった関係性があったのかという部分が中々はっきりしない。旧統一教会と関係があると言われる議員の多くは、安倍元総理が会長を務めた派閥「安倍派」所属の議員、関係する議員です。今日の会見でも、安倍元総理と旧統一教会との関係について検証する考えはあるか記者に質されましたが、岸田総理は次のように答えています。

岸田総理
「ご指摘の点については、安倍元総理がどのような関係性を持っておられたのか、このことについてはご本人が亡くなられたいま、十分に把握することについては限界があるのではないか」

後藤部長:
確かに安倍元総理は亡くなっているということで、本人から証言を得られないということはあるが、岸田総理も会見で限界を認めたわけです。どうしてもモヤモヤ感が残ってしまいます。

――今後岸田総理はどういった対応を迫られることになるのでしょうか。

後藤部長:
岸田総理としては、国会で説明をするなどで、世論の理解を得ようというのが戦略だと思います。安倍元総理の国葬は9月27日で、まだ1か月近くあります。岸田内閣が逆風を好転させるようなことは見出だせないのが現状です。これから1か月、逆風をどうしのげるかを考えるしかないと思います。懇切丁寧に説明をしていくんだということを繰り返すしかないと思います。

ある程度、岸田さんも覚悟しているなと思ったのが、会見の冒頭に「自民党総裁選に出馬を決めた去年の原点に立ち返り、政治への信頼回復に取り組みたい」と言っていた点です。ある程度、原点に立ち返る形で丁寧にやっていくんだという覚悟は見せていますから、厳しい状況は続くだろうが、耐えていくしかないということだと思います。

――記者会見全体の印象はどうでしたか?

後藤部長:
危機感があります。これ…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220831-6037758)

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