【猛烈台風】沖縄に最接近 熱帯低気圧“吸収”で大型化も懸念(2022年8月31日)
猛烈な勢いに発達した今年最も強い台風11号が現在、沖縄に最接近していて、風速48メートルを記録した北大東島では、住宅の損壊などの被害が相次いでいます。台風は、沖縄付近に数日間とどまるとみられ、被害の拡大が懸念されています。
猛烈な風にあおられ、大きく揺れる木々。畑も浸水してしまっています。電線からは、火花が上がります。
猛烈な勢力を保ったまま進む台風11号。31日の明け方、大東島地方に接近、暴風域に入りました。
午前6時ごろにはピークを迎え、南大東島では40メートルを超える暴風が吹いていました。
さらに強い風が吹いた北大東島では、稲光が…。
島内の道路は強風で木が倒れ、道をふさいでしまっています。北大東島では、最大瞬間風速48.4メートルを観測しました。
台風が通り過ぎた後には…。
北大東村役場・大城勇太さん:「建物が一軒半壊しています」「(Q.飛ばされて?)飛ばされてですね」
風で飛ばされたのでしょうか、家の屋根が、トレーラーに覆いかぶさっていました。
北大東村役場・大城勇太さん:「屋根がなくなっていまして…お住まいの方、無事だったと聞いています」
いたるところで木が倒れ、道路が通行止めに…。消防団は手作業で木々を片付けていきます。
島の特産品、サトウキビ畑も台風対策のため、事前に紐で補強していましたが…。それもむなしく、なぎ倒されてしまいました。
この台風の影響で、北大東島、南大東島、合わせておよそ300戸で停電しているということです。
また、沖縄から大東島方面への便は、全便が欠航しています。
台風になれた島民も今回は、さすがに…。
南大東村観光協会・濱里祐子さん:「台風が来たりすると海上しけがあるので、定期船が長期間欠航することがあるので、皆、食料品の買いだめをしていた」
猛烈な勢力を維持しながら、南西方向へ進んでいる台風11号。31日の夕方から夜のはじめごろにかけて、沖縄本島に最も接近する見込みです。
しかも、沖縄付近にしばらく居座る厄介な台風です。
来月1日は、さらに本島から南へ下がり、宮古島の南の海上へと進みます。
その後、動きが遅くなって、ほぼ停滞…。3日には進路を北寄りに変え、週末には勢力を保ったまま、先島諸島を直撃する恐れがあります。
しかも、近くには熱帯低気圧が発生していて、台風11号は、この熱帯低気圧を吸収して、一緒になって北上していくため、台風による影響がさらに広がる恐れがあります。
猛烈な勢いを保ったままの台風11号。台風がもたらす暴風雨とは、一体、どれほどの威力なのでしょうか。
神奈川県の防災施設で、風速30メートルの暴風雨を体験すると…。
風速30メートルを時速に換算すると108キロ。これは特急列車が走るスピードに匹敵します。支えをつかまずには立っていられず…。目を開けて、前を向くこともできません。
今も発達を続けながら、沖縄本島へ近付いている猛烈な台風。
すでに観光に影響が出ています。
那覇空港では、東京や大阪を中心に午前の便が満席に。
三重へ帰る親子は肩を落としていました。
三重から来た人:「1日の朝までいる予定だった。海やプールに行く計画だったが、それが全くなくなって悲しい」
空の便は午後になって、本州への発着便でも欠航が出始めています。
影響は宿泊施設にも…。那覇市内のホテルでは、予約のキャンセルが相次いでいました。
ホテルパームロイヤルNAHA国際通り・高倉直久総支配人:「きのうから9月4日ごろまでのキャンセルが30、40件ほど。例年だと帰れなくなる方が連泊する方も多いが、今時点でまだ来ていない方も多い。延泊よりキャンセルする人が多い」
いつもは観光客でにぎわう、国際通りのアロハ服店。入念に窓ガラスにテープを貼って、猛烈な風への警戒を強めていました。
ALOHA SHOP PAIKAJI・我那覇緑店長:「沖縄は山がないので、川の増水や土砂崩れがないので、風が一番建物の被害とか」
この後、店は臨時休業を決めました。
市民の生活にも影響が出始めています。
スーパーの棚から消えたのは、カップ麺とパンです。
撮影者:「人が多くて、かごも2つ持っていたり、カートを2台押している人もいた。停電に備えて冷蔵庫を使わない食材、インスタント麺、レトルト食品、パンを買っている人が多くいた」
夕方に沖縄本島に最も接近するとみられる台風11号。時間を追うごとに、状況は変化しています。
沖縄本島と離島を結ぶ定期船は一部の航路で欠航が出ています。
また、沖縄本島の小中学校は午前中で授業を打ち切り、生徒を帰宅させました。
台風の影響は、遠く離れた地域でも…。
31日午後4時ごろに大雨警報が出された函館市。目の前が真っ白になるほどの雨です。
降り注ぐ雨でヒツジもびしょ濡れです。
北海道では台風の影響で前線が活発化し、31日は一日中雨に…。
さらに愛知県でも、局地的に雨が強まっています。
地面をたたきつける大粒の雨。名古屋市では、雨水が側溝から噴き出している場所も…。
周辺では、台風からの湿った空気の影響で、大気が不安定になっていました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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