アポロ計画から50年…月面着陸の先へ“探査拠点”の作成も視野『アルテミス計画』(2022年8月29日)

アポロ計画から50年…月面着陸の先へ“探査拠点”の作成も視野『アルテミス計画』(2022年8月29日)

アポロ計画から50年…月面着陸の先へ“探査拠点”の作成も視野『アルテミス計画』(2022年8月29日)

アポロ計画以来の月面着陸を目指す『アルテミス計画』の第1弾、新型ロケットの打ち上げが日本時間29日午後9時半過ぎに予定されていましたが、エンジントラブルなどにより、延期となりました。

アルテミス計画のフェーズ1の目的は、4~6週間かけて、月をぐるりと周ってから地球に帰還すること。成功すれば、再来年のフェーズ2で同じルートの有人飛行へ。そして最終フェーズで、50年ぶりとなる月面到達を目指すことになります。

遡ること半世紀、アポロ計画で初めて月面に降り立った人類。宇宙という未知なる存在に
初めてその足跡を刻み付けた瞬間でした。

3年間で有人の月面到達は6度。これは、遠隔通信や電子工学、コンピューターの発展など、多岐にわたる分野でブレークスルーを起こし、現代社会の礎を築くことにもつながりました。

あれから50年。人類は再び月を目指すことを決意しました。その意思は太陽神アポロの双子の妹、月の女神『アルテミス』に引き継がれる形で。

NASA、ネルソン長官:「私たちは種は探検家であり冒険家です。これが私たち人類の宿命なのです」

NASA探査開発部ディレクター、ブリーチャー氏:「このロケットは宇宙の探査・科学の歴史に新たなページを書き加えます。さあ、シートベルトを締めて、月に行くぞ」

見据える先にあるものは、50年前とは違います。月面へのタッチダウンが目的だったアポロ計画に対し、アルテミス計画のゴールは、探査のための拠点を月面に作ること。周回軌道上には中継基地も作る予定です。いわば“月の上空”に浮かぶ宇宙ステーションです。地下に氷が眠ると言われている南極近くには、着陸地点の候補も選定されています。

NASA有人宇宙探査研究員:「かつてのアポロは“アメリカはロシアより優れている”と世界にアピールするための計画でした。国家の威信がかかっており『旗を立てたら任務完了』という感じでしたが、そんな必要はなくなりました。今、私たちは月面に常駐することを目指しています。ゆくゆくは、月に産業が生まれるかもしれません。これは人類が太陽系に進出するための基礎作りなのです」

月に常駐という、遠大な計画。その大事な一歩となる今回、いくつも重要なミッションがあります。例えば、宇宙船に“搭乗”するマネキンは、地球の磁場の影響下から遠く離れた月周辺で、どれだけの宇宙放射線を浴びるのかを測定し、有人飛行での健康リスクを調べます。

また、宇宙船には、超小型の衛星が10基搭載され、飛行中に宇宙に放出される予定です。日本で開発されたものも2つあり、そのうちの1つは『世界最小の月面探査機』。わずか12.6キロの超小型で低コストなこの探査機が月面に着陸できれば、ハードルが下がり、民間の参入を後押しできると期待されているものです。

かつて、人類の遠い憧れにすぎなかった月。そんな常識が覆される日が、すぐそこまでやってきているのかもしれません。

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『アルテミスI』は、新型ロケットSLSから切り離された無人宇宙船『オリオン』が月を周回し、42日後に太平洋に着水する計画です。

その後は、2024年に有人飛行により月を周回する『アルテミスII』。2025年には、アポロ計画以来53年ぶりの有人月面着陸『アルテミスIII」。さらにその先、2030年代に、火星での有人着陸も見据えています。

月にある水などの資源が目的と言われたり、火星に行くための“中継点”という話もありましたが、JAXA宇宙科学研究所 太陽系科学研究系・春山純一助教によりますと、どちらも違うといいます。

春山純一助教:「基地建設の候補地の1つである月の極域には、水が豊富にあるかもしれないと思われていたが、探査機が取ったデータでは、砂漠に含まれる水程度で、資源とするのは難しいのではとの意見もある」

では、なぜ月に行くのでしょうか。

春山純一助教:「月は地球に比べ、放射線などの影響も大きいが、普通の人でも滞在し、健康でいられるための課題を発見・解決し、さらにその先、火星に行くための技術を月で開発する」

つまり“火星への中継点”ではなく、火星を目指すための足掛かりを作るという意味合いが強いといいます。

月面探査には、中国がかなり力を入れています。2013年に『嫦娥3号』が月面着陸。2019年には『嫦娥4号』が世界初、月の裏側に軟着陸成功。2020年『嫦娥5号』が中国初のサンプルリターンに成功しています。

中国は、月の地下の空洞を利用して、放射線の影響を受けずに暮らす基地をつくる構想を持って進めているということです。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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