「コロナ鎖国」イギリス人が見た日本 外国人観光客は敬遠? お得な円安も“素通り”(2022年8月19日)
政府は、海外からの観光客の受け入れを6月に一部再開しました。しかし、コロナ禍前の水準には程遠く、日本を敬遠する外国人もいるようです。
現在日本を訪れているイギリス人の男性を取材。課題が見えてきました。
■英国人が見た“コロナ鎖国”「ツアーガイドいらない」
今年6月、水際対策を緩和し、外国人観光客の受け入れを再開した日本。しかし、その数は、思うように伸びていません。
17日に発表された7月の訪日外国人の数は14万4500人。コロナ禍前の3年前と比べて、20分の1以下です。
なかでも、観光目的での入国は1カ月で、わずか7903人にとどまっています。そんななか、10日から来日しているのが、2カ月前に日本への旅を熱望していた日本大好きユーチューバーのネイザン・ラッセルさんです。
英領ジブラルタル在住 ネイザン・ラッセルさん:「よろしくお願いします」
地中海の西の端・イギリス領ジブラルタルに住んでいますが、日本に来るのは、なんと15回目。2週間で東京、京都、岩手、栃木などを回る予定で、コロナ禍以降の日本に来るのは初めてです。
ラッセルさん:「日本は旅行者に対して国境を開いていると考えていますが、それは誤解だと思います。世界中の多くの人は、もう自由に旅行しています。ベビーシッターのようなツアーガイドの必要もありません」
■日本素通り…他国観光「ジャパン・パッシング」も
欧米諸国では水際対策が大幅に緩和され、ほぼコロナ前と同様の観光を再開させています。しかし、日本の場合、ビザの取得や新型コロナの陰性証明の提出が必要なうえに、添乗員付きのツアーしか認められていません。
これを“ベビーシッターが付いて回るかのようだ”と表現したラッセルさん。地元・ジブラルタルの人たちも…。
ジブラルタルに住む人:「実際、それはショッキングだね」「本当に、分からない。コロナのせい?」「そんな厳しいガイドツアーの他にも、旅行先はあります」
そのため、日本を素通りして他の国を観光する「ジャパン・パッシング」も起きているといいます。
■暑くてもマスク「ルール守っている外国人だと…」
ラッセルさんは日本の魅力や実情をユーチューブで発信することを目的に、商用ビザを取得。個人旅行をしています。
海外の一部ではマスクをしないといいますが、今回の旅ではどれだけ暑くてもマスクの着用を心掛けています。
ラッセルさん:「私は外国人なので、マスクを取ったら、白い目で見られるような気がします。あの人はルールを守っている外国人だと思ってもらえるようにしたいです」
■旅行者に「円安は素晴らしいこと」来日初日から…
外国人の観光再開で期待されるのが、インバウンド消費。今は訪日観光客にとって、“お買い得”な円安が続いています。
ラッセルさんも、来日初日から早速…。
ラッセルさん:「とても軽い持ち運びできる三脚と、このスーパーズームレンズを買いました」
その額、なんと14万円。それでも、円安の影響であらゆる物が3年前より、2割安くなっていて、消費税まで免除されます。
ラッセルさん:「すご~い。私や旅行を希望する人にとって、円安は素晴らしいことだよ 。でも、外国人の多くが日本に来てお金を使えないなんて、悲しいな」
■ラッセルさん「日本は観光業守らなければならない」
京都を旅した時の映像です。
ラッセルさん:「これが、日本の今のお土産店の現状です」
お盆にもかかわらず、土産物店には誰もいません。かつては、外国人が殺到していた伏見稲荷大社も、人出は3年前の半分以下で、飲食店や土産店は閑散としています。
ラッセルさん:「日本は観光業を守らなければなりません。観光は遺産です。観光によって遺産は守られます。外国人がこの国に来て、数々の美しい体験をし、世界中に日本や日本人がどれほど素晴らしいか、広めてほしいと思いませんか。日本は格別です」
(「グッド!モーニング」2022年8月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く