自治体の独自対策や全数把握見直しで現場の負担軽減へ(2022年8月17日)
全数把握の見直し検討へ。ついに政府が本腰を入れました。
職員が作業に追われ、慌ただしい東京・八王子市の保健所。コロナに関する相談の電話がひっきりなしに掛かってきていました。
感染者の高止まりが続くなか、保険所や医療現場の逼迫(ひっぱく)が続いています。
東京都で17日、新たに確認された感染者は2万9416人。前の週の同じ曜日よりも5000人近く減っていますが、入院患者数は増え続けていて、16日、過去最多を更新しました。
医療現場と患者の負担を軽減するために自治体独自の対策が始まっています。
八王子市でスタートしたのは患者自身で陽性の報告ができる仕組みです。
薬局で購入できる検査キットなどで陽性の判定が出た場合、これまでは医療機関を受診し医療機関が保健所に発生届を出す必要がありました。それをオンラインで患者自らが保健所に申請できるようにしたのです。
対象は八王子市内在住で64歳以下、基礎疾患がないなどの条件を満たした人です。
八王子保健所・渡辺洋子所長:「外来受診ができない。そういう方々がたくさん生じてしまっている。その医療の逼迫度を軽減する。それが第一の目的」
独自の対策をスタートしてから1週間余り。医療現場ではその効果が身を結び始めています。
おなかクリニック・村井隆三院長:「発熱外来は先週から今週あたりで半減している。今まで予約がいっぱいでなかなか予約が取れなかったが、現在では予約枠に空きが出てきている状況。劇的に発熱外来の状況が改善してきている」
クリニックで陽性患者が発生すると例え無症状だとしても経過観察の電話を掛ける必要がありました。
患者は日を追うごとに増え続けるので二人のスタッフが一日中電話を掛け続けている状況だったといいます。
おなかクリニック・村井隆三院長:「軽症の方、あるいは無症状の方が発熱外来に来ないで行政の方で登録して頂けるのは本当の意味でフォローしないといけない患者、治療を要する患者にマンパワーを集中できるようになっている」
今さらに一歩進んだ議論も加速しています。
東京都医師会・尾崎治夫会長:「全数把握できているとは思えません。すでに破綻している」
求められているのは全数把握の見直しです。
医療機関が保健所にすべての感染者を届け出る必要がある制度では現場の負担が大きすぎると全国知事会などから声が上がりました。
加藤厚労大臣:「これからどうするべきか…。議論させて頂ければと…」
厚生労働省は見直しに向けた検討を始めています。
全数把握の見直しの動きに専門家は。
東邦大学・小林寅てつ教授:「医療現場への負担は緩和されると考えてよい。(全数把握見直しによって)通常医療に労力を回すことができるようになってくる」
ただ、地域ごとの感染動向が正確に捉えられなくなるという懸念もあるといいます。
そこで八王子市が独自で行っているようなオンライン申請が今後の鍵になると小林教授は指摘します。
東邦大学・小林寅てつ教授:「仕組みを変えることによって、ある程度全数把握に近いデータを蓄積をしていくということで個人がオンラインなどで登録ができるようになっていくと医療現場での負担はかなり軽減される」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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