「困っている患者の力になる」お盆も大忙し『発熱外来+訪問診療』に奔走する医師(2022年8月15日)
お盆休み真っ只中ですが、新型コロナウイルス患者を往診する医師や看護師らで作る有志の診療チーム「KISA2隊」の医師は、8月15日も休み返上で診察を続けています。
8月15日、大阪市生野区の葛西医院では、朝8時から慌ただしく電話が鳴っていました。例年はお盆休みですが、今年は朝から発熱外来の対応に追われています。コロナ患者を往診する有志の診療チーム「KISA2隊」。そのメンバーの小林正宜医師はあえて15日の午前中に発熱外来の集中診療を実施しました。
(小林正宜医師)
「平日でも発熱外来の患者さんは問い合わせがかなり多くてお断りせざるを得ない状況なんですけど。お盆の期間も非常に多いと思うんですけど、少ない数ですけども協力させていただければと思っています」
葛西医院の発熱外来は完全予約制。受け付けスタッフが電話で症状を聞き取った後、特設のプレハブ診療室に来院を案内し、10分刻みの枠で診療します。
【診療の様子】
(小林医師)「熱は38.6℃まで上がって何かお薬飲まれました?」
(患者)「バファリン飲んだけど熱は下がらず」
1人目は熱があるという男性。すぐに検査で陽性という結果が出ました。
(小林正宜医師)
「朝イチから診てもらえてよかったって言ってくださったので、それは良かったですね」
診療を1人終えるたびに消毒をして次の患者を迎え入れます。次は身内が感染して濃厚接触になったという女性でした。
【診療の様子】
(小林医師)「熱は37.9℃ですね。咳が出て、たんが出て、喉が痛い。息苦しさはあります?」
(患者)「いや特に」
(小林医師)「Tっていうところ線が出てるでしょ、これ陽性なんで」
(患者)「そうなんですか」
今年8月から大阪ではオンライン診療も始まっていますが、小林医師は診療依頼の問い合わせは後を絶たないと言います。午前8時~10時の2時間に、車で来院した患者も含めて、小林医師1人で12人の患者を診療。この内10人が陽性でした。
発熱外来が終わっても息つく暇はありません。前の週に新型コロナ感染が判明した高齢者の往診に向かいます。
(小林正宜医師)
「今からコロナ患者さんの往診に行きます。保健所から依頼のあったKISA2隊として行く往診と、あとは当院の患者さんでフォローアップしている患者さんの往診に行きます。元々気管切開をして自分で口からの呼吸が難しい方で、そういった意味でリスクが高いですから」
コロナ陽性患者宅の玄関先で防護服に着替えて診療を開始します。
【往診の様子】
(小林医師)「おはようございます。こっち向けますか?症状出なかったんですよね?」
(患者の家族)「そうです。おかげ様で熱も36.9℃」
(小林医師)「喉も大丈夫ですね?」
(患者の家族)「喉も大丈夫ですね。咳もないですね」
診療の結果、大きな問題は出ていないようです。そしてすぐに次の往診へ。
(小林正宜医師)
「(Qお昼ご飯は?)お昼ご飯は今日は食べません。忙しくて食べている時間がないっていうのもあるんですけど、最近お腹が出てきてダイエットを兼ねて」
午前11時、気温が33℃を超える中、次の往診は70代のコロナ患者です。急を要する症状でした。診療の結果、急遽、入院が決まりました。
(小林正宜医師)
「状態が悪くなっておられて、コロナ自体は悪くないんですけど、高度の脱水がありますので、入院の手配をしたいと思います」
ひっ迫する医療体制の中、患者に向き合い続ける小林医師。この後も10人以上の患者が往診を待っているといいます。
(小林正宜医師)
「(Q頑張る理由は?)困っている患者さんがいらっしゃって、少しでも力にならせてもらうのが医療従事者としての役割だろうというふうに思っています」
夏季休暇を取る人も多いお盆の間も医師たちの診療が続いています。
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