旧統一教会 会見でメディア批判「霊感商法行ったことない」被害者側の弁護団は反論【もっと知りたい!】(2022年8月11日)

旧統一教会 会見でメディア批判「霊感商法行ったことない」被害者側の弁護団は反論【もっと知りたい!】(2022年8月11日)

旧統一教会 会見でメディア批判「霊感商法行ったことない」被害者側の弁護団は反論【もっと知りたい!】(2022年8月11日)

 第2次岸田改造内閣発足と同じ日に、旧統一教会が安倍元総理銃撃事件以降、2度目となる会見を開きました。教団側は、「政治に友好団体が強く姿勢を持って、関わってきたことは事実」と認めました。

■司会者の“注意”3度振り切る

 世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「横暴なメディア報道がエスカレートしており、まさにヘイトスピーチ、人権侵害と言わざるを得ません」

 10日、日本外国特派員協会で開かれた、世界平和統一家庭連合=旧統一教会の田中富広会長の会見。田中会長は、冒頭からメディアへの不満を訴えました。

 田中富広会長:「一部メディアは、家庭連合はオウム真理教と同じ、暴力団と同じと、犯罪集団のように報道して、視聴者の不安や恐怖、偏見をあおっています。一部のマスコミが述べる世間の批判をかわすために、いわば正体隠しとして、名称を変えたかのように批判することは、事実無根の的外れな臆測であり、決めつけにすぎません」

 田中会長のスピーチに用意されていた時間は20分ほど。その後は、質疑応答が予定されていました。

 時間が過ぎたため、司会の男性がスピーチ内容の英訳に移ろうとすると、スピーチを続けました。

 司会:「訳して下さい」
 通訳:「(15時)30分となりましたので」

 5分後にも…。

 司会:「田中会長、そろそろスピーチの方を終わりにして頂いて」
 田中富広会長:「全部、全部させて下さい」

 その後も、10分間しゃべり続け…。

 司会:「よろしいですか?そろそろ」
 田中富広会長:「一部メディアは…」

 聞く耳をもたない田中会長に、司会の男性が身を乗り出しているように見えます。

 田中富広会長:「以上です。ありがとうございました」

 結局、田中会長は、およそ40分にわたってメディア批判を繰り広げました。「マスコミ」「メディア」という言葉を12回発しました。

 さらに、スピーチのなかでは、霊感商法についても否定しました。

 田中富広会長:「いわゆる霊感商法なるもの、過去においても、現在も、当法人が行ったことはありませんし、信徒らに対しては特に2009年以降、当法人は社会的、法的に問題と指摘される行為をしないようコンプライアンスの徹底に努めております」

■被害者側の弁護士は“反論”

 しかし、会見を見た、旧統一教会とトラブルになった被害者を取りまとめている弁護団は、次のように話しました。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会・山口広弁護士:「(信者に対して)『あなたの色んな問題、息子さんの結婚はできないし、あなたの病気は治らないし』ということで、脅しながら、不安をあおりながら、献金を説得してますよ。今も続いています」

 質疑応答で、政治との関わりを問われると。

 田中富広会長:「政治に友好団体が強く姿勢を持って、関わってきたことは事実です。私たちの法人が特定の党と関係を持つ、あるいは特定の党のみを応援するという態度は取っておりません。自民党のみならず、コミュニズム(共産主義)に対して、明確に姿勢を示す議員の皆様方とは、それぞれの場で関係性があったというふうに思います」

■大臣7人…旧統一教会と“接点”

 そうしたなか、発足した第2次岸田改造内閣。

 閣僚19人のうち、留任は5人にとどまるという大幅改造になりました。

 旧統一教会や関連団体との関係を認めていた、岸信夫氏や野田聖子氏など7人は、内閣から去る形となりました。

 岸田文雄総理大臣:「骨格を維持しながら、有事に対応する『政策断行内閣』として、山積する課題に対し、経験と実力を兼ね備えた閣僚を起用することとしました」

 新布陣について、こう胸を張った岸田総理。しかし、その改造内閣が発足したその日に、早くも綻びが生じました。

 入閣した7人に、旧統一教会側との“接点”が明るみとなったのです。

 林芳正外務大臣:「旧統一教会との関連が指摘される団体から2012年当時、取材を受けたという事実が確認されました」

 経済安全保障担当・高市早苗大臣:「『ビューポイント』という月刊誌で、対談をしている記事が掲載されておりました。旧統一教会と何らかの関わりがある本だとは知りませんでした」

 高市経済安保担当大臣は新聞社から問い合わせを受け調べたところ、20年前に取材を受けていたことが分かったということです。

 また、留任となった山際大志郎経済再生担当大臣は先週、関連団体との関係を指摘され調査中と話していましたが…。

 経済再生担当・山際大志郎大臣:「事務所で調べましたところ、過去に旧統一教会に関連するとされる団体のイベントに出席したことがあることが分かりました」

 2018年に関連団体のセミナーに出席。2013年には関連団体へ、会費1万円を支払ったことを認めました。

 経済再生担当・山際大志郎大臣:「(Q.調査の結果が、なぜ、きょう出てきたのか?)なぜというか、総理から点検をしたものを明らかにして、そのうえで厳正に見直しをするようにとご指示がありましたので。それを受けて行って、このタイミングになった」「(Q.総理は、その事実を知っているのか?)総理に聞いてみないと分からない。私自身が総理に直接、何かをご説明することはしていない」「(Q.知らなくて任命したのか?)それも含めて、総理でなければ分からない」

 さらに初入閣となった、寺田稔総務大臣も…。

 寺田稔総務大臣:「一度だけですね、広島県人会の人に誘われて、会費だけは、確かに支払いしたと思う。会費は2万円だったと思う」

 4年前、関連団体に会費を支払った際の領収書を公表しました。

 同じく初入閣となった西村明宏環境大臣。10日、安倍元総理との思い出を語りながら、こう述べていました。

 西村明宏環境大臣:「私自身は、政治資金も選挙支援もございませんし、統一教会が主催すると認識した会合に出席したこともございません。保守系の識者がやっているフォーラムと認識して出たことはございますが」

 西村大臣は、旧統一協会と関係するフォーラムとの認識はなかったと説明しています。

 このほか、加藤勝信厚生労働大臣は、旧統一教会と関連が指摘されている新聞の取材を受けたほか、過去2回、関連団体に合わせて3万円の会費を支払っていたことを明らかにしました。

 岡田直樹地方創生担当大臣も、関連団体の会合に秘書が出席していたと説明しています。

 改造内閣発足の日に、7人の閣僚が教団側と接点を持っていたことが明らかとなる異常事態。岸田総理は、旧統一教会問題に、厳正に対処するとしていましたが…。

 政治ジャーナリスト・細川隆三氏:「濃淡ということだと思います。濃い付き合い、付き合いはあるけど、非常に薄い付き合いと、それぞれ色々ありますから。(接点のあった入閣者は)そんなに濃いお付き合いではないという判断を岸田総理がしたんでしょうね。関係を見直してくれということなんだと思う」

(「グッド!モーニング」2022年8月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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