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“ドラマと違う銃声”と“場所の選定” 山上容疑者に隙を与えた「2つの空白」(2022年8月8日)
安倍元総理が銃撃されてから1カ月が経ちました。こちらは当時の位置関係を表した図です。青で塗られた人たちは警備関係者。そして、黄色で塗られた人たちは自民党などの関係者です。周りに多くの人がいるなかで、山上容疑者はなぜ安倍元総理を狙うことができたのでしょうか。すぐ近くにいた緑に塗られた人たちの証言から「2つの空白」が浮き彫りになりました。
あの惨劇から1カ月。誰も想像できなかったあの日から、事件関係者に限らず、日本、そして世界に与えた影響は計り知れません。
1カ月が経ち、山上徹也容疑者の襲撃の瞬間が見えてきました。新たに犯行当時の様子をこう話したといいます。
山上徹也容疑者の供述:「隣の人に当たらないくらいの距離まで近付いた」
襲撃の瞬間、安倍元総理大臣の隣を気にしていたような話をしているといいます。
安倍氏からわずか4メートルほどの位置にいた奈良県議会の大国議員は。
奈良県議会・大国正博議員:「今まで聞いたことがない、ドラマとか映画で見る発砲音ではなく、ものすごく重低音でした」
この当時の安倍氏の周辺は候補者、警察、さらに選挙スタッフが取り囲んでいました。この状況で山上容疑者にどんな隙を与えてしまったのでしょうか…。
2秒の空白。
当時、安倍氏をこの位置で見ていた奈良市議会の太田議員。突然、響き渡った銃声は現場ではこう聞こえたといいます。
奈良市議会・太田晃司議員:「1回目、何か大きな音が鳴ったなと。その時は後で銃声だと気付いた。何かが破裂したのかなと」
聞こえてきた1発目の銃声は当時、現場近くにいた関係者6人を含む10人に聞いたところ、銃声と認識した人はいませんでした。この銃声の認識不足が山上容疑者に隙を与えてしまった2秒の空白でした。
さらに、背後の空白。
当時、安倍氏の正面から演説を見ていた奈良市議会の山本議員。
会場運営に携わった山本憲宥奈良市議:「死角になりやすい後ろ側はSP、県警、選挙スタッフも後方の守りをしっかりすべきだった。責任も含めて感じています」
山本議員が悔やむには訳があります。
これは6月28日。大和西大寺駅で応援演説をする安倍氏です。事件があった北口とは反対側の南口が当時の会場でした。安倍氏らが立つのはロータリーの中心で、元総理の背後には選挙カーがあります。同じ日に訪れた奈良県生駒市でも背後は選挙カーがあり、壁になっています。
他にも、安部氏が全国で行った応援演説では安倍氏は選挙カーに乗っているか前に立っていました。ところが、今回の選挙カーは安倍氏から20メートルほど離れた場所にありました。当然、安倍氏の背後は警備が手薄となりました。なぜこんなことになったのでしょうか。
会場運営に携わった山本憲宥奈良市議:「ここの駅前開発は何年もかけてやっているので、状況は日々(道路状況が)変わっています。工事の工程ごとに変わっている」
安倍氏が演説していたのは車が入れないガードレールの中。近くに選挙カーは止められない状況になっていて、山上容疑者から安倍氏までの直線上は空白となってしまったのです。
そもそもなぜこの場所で決まったのでしょうか。
実は事件の起こった2週間前に、別の議員の演説が行われていました。
会場運営に携わった山本憲宥奈良市議:「茂木幹事長が同じように候補者の応援に入っていただいた時にも、全く同じシチュエーションでやったので、この場所でやるということ、選挙カーの場所も含めて違和感は全くありませんでした」
一方、事前に行った選挙運営側と警察の打ち合せでは、警察から交通上の注意に関する話が出ていただけでした。後方を警戒する必要性は検討されなかったといいます。
選挙運営側と警察側、それぞれが準備に追われて十分な検討がなされていたか疑問が残ります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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