中国のミサイルが日本の「経済水域」に 落下点が持つ「意味」は? |TBS NEWS DIG

中国のミサイルが日本の「経済水域」に 落下点が持つ「意味」は? |TBS NEWS DIG

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アメリカナンバー3のペロシ下院議長が、8月5日岸田総理主催の朝食会に参加しました。ペロシ下院議長は、日本を訪問する前にアジアの国々を歴訪、中国は台湾訪問に激しく反発しています。台湾をめぐる緊張状態について詳しく見ていきます。

■日本のEEZ内に中国がミサイル ねらいは?

ホラン千秋キャスター:
大統領、副大統領に次ぐアメリカのナンバー3といわれるペロシ下院議長。8月5日朝、岸田総理主催の朝食会に参加しました。

その朝食会では
▼スクランブルエッグ
▼ベーコン
▼ソーセージなど洋食が提供され

外務省幹部によると「冗談を言い合ったり、非常に和やかだった」というふうに話していたんですが、その話している内容については和やかでない部分もあるようです。

ペロシ下院議長ですが、日本を訪れる前に様々な国と地域を訪れていました。

ペロシ下院議長 アジア歴訪(今月1日~)

▼シンガポール
▼マレーシア
▼台湾
▼韓国
▼日本

それぞれの国の首相であったり、重要な人物たちとコミュニケーションを取ったんですが、特に注目されているのが台湾の訪問です。このペロシ下院議長の台湾訪問について中国が激しく反発しています。

この台湾訪問を受けて中国の軍事演習が台湾周辺で4日から行われており、弾道ミサイル9発を発射しました。

緑色の■で示してあるのが今回中国軍が行った演習エリアですが、台湾をまさに囲むように演習エリアが位置されています。

そして赤色の×で示された場所が、中国が発射した弾道ミサイル9発の落下地点です。

中国本土にある赤色の〇の位置から、台湾の方角に向けてミサイルが発射されたわけですが、中には台湾の上を越えていったものもあります。

発射された9発のミサイルは4つの演習エリアに落ち、そのうちの5発は日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したとされています。

なぜ日本のEEZ内にミサイルを落としたのか。
そもそもこのミサイル発射について明海大学・小谷哲男教授は「ミサイル発射はペロシ下院議長の訪台への報復」と見ています。

アメリカと台湾への報復であるならば、なぜ日本のEEZ内に落下するようなミサイルを撃ったのか。

・今回ミサイルが落下した海域について

明海大学・小谷哲男教授
「今後、中国が台湾に軍事侵攻した場合、アメリカの空母の展開が想定される海域。日本の海上自衛隊も米艦防護に動くため、対日米を想定したミサイル発射といえる。本格的な軍事侵攻に踏み切る可能性はまだ低いが、今後も同様の海域での軍事演習は増えるだろう」

■国交正常化50周年 日中関係どうなる?

日中関係は今後どうなっていくのか、ひとつ大きな節目がありました。

・9月 日中国交正常化50周年

明海大学・小谷哲男教授
「祝福モードは無くなった。習国家主席の3期目続投を前に日中関係やや改善の雰囲気があったが、今回の件で消え去った」

井上貴博キャスター:
ロシアの件もそうですが、中国も大国が力によって押さえつけようとするこの動き、これは国際社会としてしっかりと「NO」を突きつけなければならないと思うんですね。

牧嶋博子 TBS報道局解説委員
台湾の人たちは、自分たちがいつか香港のようになってしまうのではないかということを強く恐れていて、ペロシさんが訪台したことを、国を挙げて大歓迎をしたということがあります。ただ、中国が力を持って台湾を制圧。元々自分の国だというふうに思っているわけですから、そういう形になるときに日本という国は本当に近いわけですから、どういう立ち回りをするのかということはやっぱりすごく大切だと思うんですよね。力ではなくて、外交努力でいろいろなことを解決していく。武力ではなくて本当に外交の力を日本も示すべきだし、アメリカに寄り過ぎてるというふうに中国は思ってるかもしれないので、そこをどうやって改善していくのか、私は外交の専門家ではないんですけれども、ぜひ言葉の力、そういうもので何とか解決してほしいなというふうに思います。

井上キャスター:
日米関係を強固にするのは大前提だけれども、やはり対話のチャネル(接点)がなくなってしまうと、本当にロシアとウクライナのようになってしまうので、その緩衝材として日本は何ができるのか、でも外相会談しようと思っていたけれど、中国からいきなりシャッターを下ろすと、そうなってくると対話もできないじゃないかと。

牧嶋 解説委員:
中国と日本は経済的なものすごく結びついているわけですよ。だから経済の力で繋がってる部分もありますから、中国もきっと頭に血が上ってしまったのかどういうことかわからないんですけれども、今後、偶発的な衝突が台湾の近海とかで起こらないように注意していかなくてはいけないかなというふうに思います。

井上キャスター:
国際社会と中国が対立する中で、日本が緩衝材として大変重要な役割を担っていくことになりそうです。

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