行動制限しないなら「感染者数の公表もしないで」 飲食店“第7波”で遠のく客足に…(2022年7月31日)
感染急拡大を受け、政府はBA.5対策強化宣言を発表。
早くも複数の自治体が宣言を検討しています。
対策の柱は高齢者などへの外出自粛要請。
行動制限を求められた高齢者の本音を取材しました
▽“BA.5対策強化”自治体が「宣言」検討
篝火が煌々と川面を照らす中、始まったのは、岐阜・長良川の「鵜飼」。
鵜が捕らえているのは…天然の鮎。1300年以上の歴史を持つ伝統漁です。
(観光客)「鵜飼(鵜)がぴょんてさ!潜ってた!」
「楽しい!楽しい!ホントのこというて!」
定員を7割までに減らし、船内にはパーティションを完備するなど感染対策を徹底、伝統を守り続けます。
(岐阜市役所 鵜飼観覧船事務所 山田哲司所長)「コロナ対策を万全にしてお迎えするということだと考えておりますので、船員一同、職員一同、そのように取り組ませていただいております。」
31日、東京の新規感染者は3万1541人。重症者は、前日から1人減って23人、病床使用率は53.7%です。
全国の感染者は、19万人を超え、埼玉・茨城など4県では、過去最多となりました。
政府は、「BA.5対策強化宣言」を新設。高齢者や基礎疾患のある人の混雑した場所への外出自粛要請などが盛り込まれました。
宮城は「宣言」を出す方針を決定、岐阜・熊本は、前向きに検討しているといいます。
「こちらおばあちゃんの原宿と呼ばれる“巣鴨地蔵通り商店街”です。こちらの商店街では感染者が1万人を超えた辺りから人出がかなり減っているということです。」
「四十九日だった。本当はもっと人数多かったんですけど、20人くらいの予定が、みんなコロナになって、6人になっちゃった。」
Q. 木曜日に(感染者)4万人超だったが?
「身近に来ていますからね、」
「若い人たちはどうしても行動しなければならないからしょうがないと思う。基本的なことを守ってくれればいいかと思う。」
一方、東大阪市の石切参道商店街では…
(商店街の飲食店店長)「東京のとげぬき、大阪は石切さんって言うほどお年寄りの参るところなんですよ。」
大阪版「おばあちゃんの原宿」と呼ばれるこの商店街を3年ぶりに神輿が練り歩き、石切劔箭神社は、多くの参拝者で賑わいました。
大阪では、いち早く、吉村知事が高齢者に対して「不要不急の外出自粛」を求めました。これについて高齢者は…
(地元の住民)
「高齢者だけに限らずね…やっぱり若い人も気を付けてもらった方が良いと思いますね。高齢者だけに限定されずに…」
「いやいや、お年寄りを守るということで吉村知事は65歳以上を行動制限するわけだから…」
「毎週木曜日決めてカラオケスナックとか遊びに行っとったけどコロナなってからは一切自粛ですわ。一日中家におったらなんかはよボケるんかなっていう…」
「行っても、こっちばっかり歌うけどね」
「もうボケてる」
▽「ヘルパーがいない」訪問介護現場の“悲鳴”
“第7波”の影響は、高齢者を支える、訪問介護の現場にも。
このヘルパーが所属する事業所では、およそ350人にサービスを提供していますが、今、深刻な人手不足に陥っています。
(NPOグレースケア 柳本文貴代表)「連日のように感染者や濃厚接触者が出てきているので…」
取材中にも、電話がかかってきて…
(柳本文貴代表)「きょう土曜日か、そしたら日月火だから火曜日にはもう復帰できますよね」
「ヘルパーさんのお父さんが熱が出ているんだけどそのヘルパーさんいつまで休みにしましょうかって話ですね」
同居家族が発熱し、このヘルパーは、濃厚接触扱いにせざるを得ないといいます。
(柳本文貴代表)「日月火は普段出勤している人なので、その部分をまた調整しないといけないですよね」
利用者の感染も増えていて、ヘルパーが濃厚接触者になるなど、現在5人が自宅待機を余儀なくされています。
(柳本文貴代表)「利用者の方には本当に申し訳ないがヘルパーがいなくキャンセルさせて頂くケースとか…」
政府は、社会機能を維持するため、医療機関や高齢者施設などでは、検査で陰性が確認できれば、濃厚接触の1日目から働けるようにしましたが、訪問介護はその対象ではありません。
(ホームヘルパー)「気切(気管切開)の吸引でいいんですか?」
この日、ヘルパーが訪れたのは24時間介護が必要な難病を持つ60代の男性。体が動かせず、意思疎通は眼球の動きが頼りです。
(ホームヘルパー)「おむつ交換をしてください」
(柳本文貴代表)「在宅の場合も切迫度は変わらないですから、人が行かないと命にかかわってくるわけですし、結局行動制限もしない、普通の社会経済活動を維持しようと世の中変わって来ているわけですから、だからその結果としてこれだけ今現場はひっ迫しているので、濃厚接触者の待機期間が切実な問題なので、そこを見直してもらいたい。」
▽行動制限なくても…飲食店“最大の危機”
今のところ、高齢者以外には“行動制限のない”この夏。しかし、飲食店では…
(焼肉「ほるもんスタジアム」横川真悟代表)「もう限界は感じていて…最大かもしれないです今までで…」
先月、円安の影響によるミートショック、光熱費の高騰、外食離れなど“3重苦”で厳しい経営が続いていた東京・鶯谷の焼肉店。
(横川真悟代表)「この店内が物語っている通り緊急事態です…」
“第7波”で、さらなる窮地に立たされています。
(横川真悟代表)「5月6月は赤字だったんですけど7月8月で取り返せると思っているんですよ。そこで5月6月より悪くなるとすると想定外でした…」
今、懸念されるのがスタッフの感染です。この日、掛持ちのバイトスタッフから報告が…
アルバイトスタッフ「お昼の仕事の部署の1人がかかって全員が濃厚接触者扱いできのう、きょうPCR検査受けたら陰性だったんですよ…」
Q. 店は大丈夫?
(横川真悟代表)「誰か1人でも出たらダメですよ。」
スタッフ総勢5人。平日は2人、週末は3人というギリギリの人数で営業。感染者が出れば、ワンオペ営業、最悪は休業の可能性もあります。
(横川真悟代表)「しょうがないですけどね、感染しちゃうのは誰も悪くない、だって行動制限ないですから感染してもしょうがない…」
厳しい経営が続く中、経費削減の努力はこんな所でも…
(横川真悟代表)「準備が終わったらこの電気は消します。エントランスの電気とか(外が)明るいうちは消してますね。1時間(節電)でも…30時間か月で。そういうことくらいしかできないですよ。」
おすすめメニューには肉以外の商品が目立ちます。そこには切実な思いが…
(横川真悟代表)「新規客を狙うなら(肉以外の商品は)全然違いますよね。感染者増えてきて限られたお客さんしか来なくなって常連さんに支えられているから、常連さんの“飽き”をなるべく防ぎたいなと…」
コロナに翻弄される飲食店。個人経営の店では、身を削る経営が続いています。
(横川真悟代表)「働いても働いても給料が出ない状況になりますね…感染者数が発表されると大雨警報と一緒で客足は遠のくなって、感染者数の公表を行動制限しないならしないでほしいです…」
7月31日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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