JR東“赤字路線”収支公表 100円稼ぐのに1万5000円以上かかる区間も(2022年7月29日)

JR東“赤字路線”収支公表 100円稼ぐのに1万5000円以上かかる区間も(2022年7月29日)

JR東“赤字路線”収支公表 100円稼ぐのに1万5000円以上かかる区間も(2022年7月29日)

 JR東日本は利用者が特に減っている路線ごとの収支を初めて公表しました。なかには100円稼ぐのに1万5000円以上かかる区間もあるなど、深刻な経営状況が露わになっています。

 緑の中、伸びるレール。乗降客は数えるほどです。

 千葉県内を走る久留里線は、どこか心安らぐ風景。ただ、「そうも言ってられない人」もいます。

 JR東日本・高岡崇経営企画部門長:「地方における鉄道ローカル線区の利用に関しては、会社発足から35年の間に大きく減少している。当社としても重要な経営課題と認識している」

 JR東日本は28日、「一日の利用者が少ない線区の収支」を初めて公表しました。

 ちなみに東京の山手線だと、利用者は「100万人」レベル。

 これに対し、JR東日本には「2000人」に達しない路線が35もあり、これらはすべて「赤字」だといいます。

 赤字のレベルは「営業係数」で分かります。これは「100円稼ぐのにかかる費用」で、例えば東北の陸羽東線の山間部では「8760円」もかかります。

 こうなると、バスへの切り替えなど見直しが避け難い状況ですが…。

 陸羽東線の地元、宮城県大崎市・伊藤康志市長:「『他の手段で』ということは、私は今は思っていません。存続で臨んでいきたい」

 営業係数が最も悪いのが久留里線。100円稼ぐのに1万5000円以上かかります。

 こうした赤字には、これまで都心の「ドル箱路線」での利益などが充てられてきましたが…。

 専門家によれば、新型コロナウイルスの影響で、こちらも苦しい状況です。

 鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏:「こういう稼ぎ頭のところが調子が悪くて、今までのような利益を出せなくなってしまう。『利益を出していない大赤字のところをどうにかしなければ』ということで」

 梅原氏によれば、今回の発表は「値上げ」や「廃線」を見越したものである可能性があるといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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