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感染急拡大で人手不足相次ぐ…“規制”見直しの議論も(2022年7月23日)
全国の感染者は20万人を超え、4日連続で過去最多を更新。
大阪・愛知・北海道など18の道府県で過去最多。
急速な感染拡大はエッセンシャルワーカーの「人手不足」という形で人々の生活に影響し始めています。
感染症法上の分類を「2類相当」からの見直しを検討する必要があるのではという議論。
神奈川県の黒岩知事や鳥取県の平井知事ら自治体のトップが言及した他、経団連の十倉会長も先週、新型コロナの位置づけを2類相当から規制の少ない5類相当へと見直すべきではないかと表明しました。
(報告:仁科健吾アナウンサー)
「海風が気持ち良く、快晴に恵まれた海水浴場には泳いでる人の姿は全くありません」
7月16日に海開きをした千葉県鴨川市の海水浴場。
しかし23日は閑散としていました。
実はライフセーバーらが新型コロナに感染し監視員が不足しているため一時的に遊泳禁止となっているのです。
(鴨川市 商工観光課 真田幸俊課長)
「市役所の商工観光課の職員ですけど、膝下まで(つかる範囲)のお遊びでお願いしたいんですけど、ボクもいいかな? ごめんね」
遊泳禁止期間は、そうと知らずに来た人や海辺で遊ぶために訪れた観光客のために市の職員が監視を行っています。
(鴨川市 商工観光課 真田幸俊課長)
「『26日まではライフセーバーが揃わないからウチの課でやるしかないよね』という話で、気持ちは前向きに」
23日の東京都の新規感染者は3万2698人でした。
重症は14人、病床使用率は46.5%です。
全国の感染者は20万人を超え、4日連続で過去最多を更新。
大阪・愛知・北海道など18の道府県で過去最多となりました。
また、松野官房長官の感染も確認されました。
22日の会見で咳き込む場面が見られた松野長官は、夕方に37℃の発熱があり、23日PCR検査を受けていました。
岸田総理大臣をはじめとした官邸幹部らに濃厚接触者はいないということです。
急速な感染拡大はエッセンシャルワーカーの「人手不足」という形で人々の生活に影響し始めています。
(訪問看護ステーションブロッサム 看護師 近藤弘子さん)
「さっきも話したけど、ほら今、コロナ流行ってるから、今すごいのよ感染がね」
都内に住む80代の男性の自宅。
訪問看護師の近藤さんは週に2回この男性の看護をしています。
近藤さんの会社にはおよそ80人の看護師が所属していますが、現在6~7人が出勤できない状況だといいます。
(訪問看護ステーションブロッサム 代表取締役 西村直之さん)
「介護施設を担当している看護師なんですけれども、昨夜から39℃の熱が出ていると」
22日も新たに看護師の感染が確認されました…
(訪問看護ステーションブロッサム 代表取締役 西村直之さん)
「不安というか恐怖心ですよね」
「場所によっては、北関東等には当社所属の看護師が少ないですから、やはりそこで欠員が出てしまうとお客様に多大な迷惑をかけてしまう」
埼玉県川口市内の保育園で元気に笑顔ですごす子どもたち。
しかし職員は休園の不安の中にいます。
(フォーマザー保育園 辻智歌子 園長)
「この中に職員のことも書いてあるんですけど、全園で8人ですね」
「ここにきてバタバタと出てきている感じですね、7月17日くらいからですね」
系列の9つの園で合わせて8人の職員が、感染や濃厚接触者となったことで休んでいるといいます。
(フォーマザー保育園 辻智歌子 園長)
「このペースでいくと、来週あたりもっと増えていくような気がします」
「このまま増えていくともう1週間2週間のうちに(休園)という状況になってもおかしくないなという感じはします」
休園の心配と同時に、保育士たちの疲弊も心配だといいます。
(フォーマザー保育園 辻智歌子 園長)
「先生たちがこの3年間ちかく、コロナウイルスの脅威にさらされて仕事をしています、非常に精神的にも疲れてきているので先生たちの仕事に対しての気持ちがどれだけ維持できるかというのが非常に心配です」
系列の保育園が7月に入って休園を経験したという千葉市の保育園でも…
(キートス統括園長 日向 美奈子さん)
「お預かりする園児に対しての保育士の数は決められているので、その保育士の数を確保できないというふうになってしまうと、どうしても休園せざるを得ない状況というのも、自治体と相談のうえ、起こり得るのではないかなという懸念はあります」
保育園の休園は、子どもを預ける保護者の職場にも影響します。
(園児の保護者)
「急な休園ってなると、急に仕事お休みしなくちゃいけないとなってしまうので、そこはちょっと不安ですね」
「子どもが保育園行けないのでちょっとお休みさせてくださいという事で、ちょっと困ったことはありました」
神奈川県のバス会社では感染により運転手の確保が難しくなり、22日から一部路線で便数を減らして運行しています。
(利用客)
「最近また(感染者)増えたからね…でもバスないと困っちゃうし」
臨港バスによると20日時点で休んでいた運転手は全体のおよそ8%。
この1~2週間で急激に増えたといいます。
そして、休んでいる運転手のおよそ4人に1人は家族らが感染し「本人は陰性」だったといいます。
人手不足による混乱が始まる中、感染防止策と社会経済活動を両立させるための議論が活発化しています。
(政府分科会 尾身会長・14日)
「コロナを一疾病として日常的な医療体制の中に位置づけるための検討も今から始める必要があるのではないか」
感染症法上の分類を、現在の、入院措置や就業制限のある「2類相当」からの見直しを検討する必要があるのではという議論です。
神奈川県の黒岩知事や鳥取県の平井知事ら自治体のトップが言及した他、経団連の十倉会長も先週、新型コロナの位置づけを2類相当から規制の少ない5類相当へと見直すべきではないかと表明しました。
そんな中で22日、濃厚接触者に求める待機期間を短縮することが決まりました。
(岸田総理大臣・22日)
「濃厚接触者の待機期間を短縮することといたしました」
「原則5日、2回の検査を組み合わせることによって最短3日で解除」
欧米の多くの国では、すでに濃厚接触者らの隔離義務はなくなっています。
待機期間短縮の決定に医療機関では…
コロナ病棟を移動する患者。
南多摩病院ではコロナ病床として23床用意していましたが今は30床近く運用。
それでも限られた病床を有効に活用するため症状が改善した患者を個室から大部屋へ移すケースがあるといいます。
感染拡大による人手不足の中、職員の休みも増えるダブルパンチだといいます。
(南多摩病院 関 裕 副院長)
「家庭で感染をもらってくることがあります、そうすると本人が感染をしていなくても濃厚接触になって休職期間が出てきてしまいますし」
「入院患者さんを診るにはベッドに対して必要な看護師さんの数は決まっているので、それを保つのにやっとという状況にはなってしまいます」
救急問い合わせ記録に並ぶ「バツ」マーク。
受け入れを断ったケースだといいます。
人手不足による受け入れ制限。
それが他の医療機関の負担になる負のスパイラルが問題となっています。
濃厚接触者の待機期間短縮については…
(南多摩病院 関 裕 副院長)
「人員配置という意味では非常に助かりますが、偽陰性というのもあるのでより慎重に対応しつつ(待期期間が)3日になってくれれば、それは現場としては少し楽になるかもしれません」
「(感染症法上の)2類ではない、5類ではないけれども、少し違う形で、このコロナ・ウイルスというものに対しての約束事というのは決められるんじゃないかとは思います」
サタデーステーション 7月23日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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