「持続可能な野球界を」リメイクグローブが繋ぐチームと企業の想いとは(2022年7月23日)

「持続可能な野球界を」リメイクグローブが繋ぐチームと企業の想いとは(2022年7月23日)

「持続可能な野球界を」リメイクグローブが繋ぐチームと企業の想いとは(2022年7月23日)

▼注目高まるグローブリメイク その手法とは?

東京・日野市を拠点に活動する中学硬式野球チーム「多摩リトルシニア」。
チームを指揮するのは、地元日野市出身で元プロ野球選手の佐伯秀喜監督
「今年から活動を始めました。軟式チーム(出身)の子がほとんどです。1年生が17人、2年生が2人のチームです」

練習を取材していると気になる点があった。
「多摩リトルシニア」は1年生主体のチームだが、新品のグローブの中に混じって、使い込まれたグローブを使っている選手がいる。
関谷選手
「小学5年生から使っているグローブです。新品で(硬式用グローブを)買うと硬い。少年野球の慣れたグローブでやっていた方が雰囲気も上がると思った。これを(硬式野球でも)使いたいって親に言ったら『リメイクできるよ』って言われた」

グローブのリメイクとは一体どのようなものなのか。
グローブ再生工房「Re-Birth(リバース)」の運営会社、グローバルポーターズ代表の米沢谷(よねざわや)友広さんは、取材に対してこう話す。
「軟式用のグローブは耐久性が弱かったりするのですが、捕球面に特殊な加工をした“当て革”を補強させていただいて、小指と親指に特殊な芯材パーツを補強します。そして、最後に紐を全て交換します。芯材の補強や特殊加工をした当て革やグリス(クッション材)、紐の交換をパッケージにして訴求しているのはRe-Birthが初ですね。本当に手入れ感は硬式用に近い形になるので、耐久性も強く、ボールを取っても痛くありません」

スポーツ用品の販売に長年携わってきた米沢谷さん。家に眠っているまだ使えるグローブを買い取り、修理・リメイクして再販売する事業を2年半前から始めた。独自に培った技術を活用して軟式用グローブの硬式用へのアップグレードも行っていて、米沢谷さんによると、リメイクグローブの需要は年々高まっているという。

▼「覚悟がいる」経済的負担軽減へ チームと企業がタッグ

「硬式グローブの価格が20年前に比べて約1.5倍上昇しています。現在は約6万円です」
グローブの価格上昇は選手をサポートする保護者にとっても経済的な負担となっている。保護者からは「正直、負担にはなる」「野球やる場合にはある程度覚悟がいる」といった声が寄せられた。

こうした野球にかかる経済的な負担を解消しようと、手を組んだのが多摩リトルシニアとグローブ再生工房Re-Birthだ。形態としては、佐伯監督がリバースのフランチャイズ店舗のオーナーとなり、選手たちにグローブのリメイクを推奨。自前の店舗を持つことで、野球道具の費用を安く抑え、親の負担を減らすことを目的にしている。
店舗を構えながら一緒にやるのは今回が初めて。硬式用アップグレードの価格は税込1万1000円で、新品を購入するよりも安く硬式用グローブを手にできると好評だ。

佐伯監督によると、この提携には1年生主体の新設チームならではの理由もあったという。
「選手がどこのポジションになるかまだわからない。硬式のボールに慣れてもらってポジションが決まってから新しく買った方がいい」

▼「使い続けたい」持続可能な野球界を目指す2人の想いとは

硬式用にアップグレードされたグローブは選手たちにも好評で、保護者からは費用が抑えられたことに加えて、硬式野球を始めた子供たちにもいい影響が出ているといった声も寄せられた。

持続可能な野球界を作りたいという共通の目標を持つ佐伯監督と米沢谷さんは、野球技術だけでなく、保護者への負担の軽減、選手の自主性や道具を大切にすることなど、多角的に野球界を変えていくことが重要だと話す。
佐伯監督
「自主的に選手たちが発信していくチームにしたい。何をすべきか、何をしたほうがいいかということをこの場で学んでほしい」
米沢谷さん
「野球はグローブという道具を大切にして1つ1つのプレー、技術を向上していくスポーツだと思う。道具の面からサポートを継続しつつ、プレイヤーたちは(道具を)大切にすることで上達は生まれてくると思う。プレーを楽しみながら道具も大切にしていってほしいです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事