お米が7年ぶりの安値に 日本人の「米離れ」も影響?(2022年7月22日)
食品の値上げラッシュが相次いでいますが、今、お米が7年ぶりの安値になっています。その一因には食の多様化に伴なう深刻な「米離れ」も。
日本人にとって切っても切れない主食の「お米」。
取引価格の推移を見ると、コロナ前は高止まりしていた価格が2020年から急激に値下がり。2014年に暴落して以来、7年ぶりの安値となっています。
お米が安い訳とは…。
東京・日本橋にある「おむすび専門店」。あきたこまちの炊き立てご飯で握りたての手作りおむすびを提供しています。
ただ、オフィス街にあるため、コロナ禍で在宅ワークが増えたことなどが影響し、売り上げは半減。さらに、若者を中心とした「米離れ」を懸念しています。
おむすびスタンドANDON・早野拓真店長:「20代の人でお米を炊かなくなったり、来てくれるお客様も『家ではお米炊かない』と」
普段からお米を食べているか、お客さんに聞いてみると…。
客(20代):「お米、普段も食べる」「(Q.周りの人は?)パンを社内で食べている人をよく見掛ける」
客(50代):「(お米を食べるのは)一日1回くらい。パンとかオートミールとか、他の物を食べるようになった」
家計調査では、1世帯あたりの支出額は今やパンが主食のトップです。米は麺類とほぼ同じ水準にとどまっています。
米離れが進んでいることも値下がりの一因になっています。
都内にあるスーパーでは現在、ほとんどの米を値下げして販売しています。
ベニースーパー・赤津友弥本部長:「昔は“お米が絶対”だったが、ここ最近ではお米だけが主食ということではないので、お米が安くて売り上げが伸びる方程式が成り立たなくなってきている」
そのため店側も必死です。新潟産コシヒカリも、お買い得価格で販売。
ベニースーパー・赤津友弥本部長:「こちら(5キロ)1999円」「(Q.本来であれば?)2300円から2500円の間で売られている商品」
客:「安い、これだけあって1カ月持てば」「うれしいですね」
消費者にとっては、ありがたい値下げ。
一方、価格が一気に下がったことで生産者は危機的な状況に追い込まれていました。
全農の備蓄倉庫には大量の米が保管されています。その量、約1500トン。今年は例年より2割ほど多いといいます。
JA全農(全国農業協同組合連合会)米穀部・藤井暁次長:「外食産業やコンビニ店に売ろうとしていたものが出荷が落ちてしまったので、その分が在庫になってしまった。過剰在庫があり需給が崩れているのが、価格が下がっている原因。大幅に値下がりしてしまうと、生産者側で次の年の米を作れないくらい非常に収入が減ってしまっている。この状況が続いてしまうと、お米を作れないというところにいってしまうことを心配している」
消費者の米離れがこれ以上、進まないように、お米の魅力をアピールしていくといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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