「すべての病院でコロナを診れるようにすべき」ひっ迫する小児科の現状を解説(2022年7月21日)

「すべての病院でコロナを診れるようにすべき」ひっ迫する小児科の現状を解説(2022年7月21日)

「すべての病院でコロナを診れるようにすべき」ひっ迫する小児科の現状を解説(2022年7月21日)

21日に全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者は18万人を超え、2日連続で過去最多を更新しました。

東京都では、初めて3万人を超えました。そして、気になるのが子どもの感染者数です。 年代別グラフを見てみますと、10代未満が3518人、10代が4450人。70代や80代以上の高齢者と比べても非常に多いです。

◆川崎医科大学・感染症専門の小児科医・中野貴司教授に聞きます。

(Q.現在の小児科はどういう状況ですか)
子どもたちのコロナ患者は増えています。これは一つの問題点です。もう一つ、今年は行動制限がないせいか、ほかの感染症が多くなっています。症状だけでは区別がつきません。そうすると、診察する部屋、検査のときなど、感染対策をしっかりやらないといけないので、一人の患者に時間がかかってしまいます。コロナの患者とほかの感染症の患者が増えていることが、現場が混乱している一番の原因かなと思っています。

子どものワクチン接種率ついて、5~11歳は2回目接種を終えているのは16.6%。12~19歳の2回目接種は75.1%、3回目接種は32.4%となっています。

(Q.子どものワクチン接種率が低い現状を今後どうすべきでしょうか)
感染症に対しては予防が原則です。そのためには、ワクチンはとても大切だと考えています。だから、ワクチンを勧めたいと思っています。もちろん理解をしていただいて打ってもらいたいと思っています。コロナは、高齢者に比べ、子どもの重症化率は低いといわれていました。副反応のことも気になるということは、もちろん理解できます。ただ、多くの患者が出るということは、重症化率が低くても、患者の絶対数が増えるので、重症者数は増えます。そうすると、かかってしまうことと予防すること。どちらがいいか。最近、日本小児科医会は、ワクチンを打つことに対し、積極的な提言を行っています。

(Q.小児科だけでなく医療機関はひっ迫状態です。どういう対策を取ればいいのでしょうか)
国民の健康・命を守るには、コロナももちろんですが、ほかの重症化するリスクの病気を見落としてはいけない。見落とさずにしっかり診断して、治療することが大切だと思っています。コロナのせいで、受診できる人数が減らされ、病院へのアクセスが悪くなるというのは、絶対、いいことではありません。どこの病院でも、コロナ、ほかの病気、すべて診る。この夏、医療者全員でコロナ、そのほかの病気に相対していきたいと思います。コロナについて、2類から5類にといいますが、単純に5類という枠組みの話だけではなく、どこの病院でもコロナを診れる。そういう体制を考えていかないといけないくらい患者が増えている状況です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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