旧統一教会 元幹部が教団批判「完全に道を外れた」(2022年7月19日)
安倍元総理の銃撃事件を巡って、旧統一教会の元幹部が韓国で会見を開きました。事件の動機となったとみられる高額の献金について「正しい道から外れている」と教団を批判しました。
多くの報道陣が集まる会見場に姿を見せたのはかつて、教会No.2だった郭錠煥(カク・ジョンファン)氏(86)。
世界平和統一家庭連合、郭錠煥元会長:「旧統一教会に携わった人たちは今回の銃撃事件と無関係ではいられません。心よりおわび申し上げます」
旧統一教会、現在の世界平和統一家庭連合で長く会長だった郭氏は、2009年に脱会したにもかかわらず、なぜ安倍元総理銃撃事件について語ったのでしょうか。
会見では、教会が「本来の在るべき場所から完全に道を外れたために事件が起きた」と主張。
世界平和統一家庭連合、郭錠煥元会長:「この度発生した安倍元総理の死亡事件は、現在の統一運動がいかに正しい道からかけ離れているかを究極的に見せた事件です。これについて教会の指導部は責任を回避することを考えないで神に悔悟し、日本の国民はもちろん、すべての人々に対して心から謝罪し、自ら過ちをつまびらかにして責任を取らなければなりません」
郭氏は、1958年に旧統一教会に入信。日本を含め信者数300万人とも言われる教会の「初代世界会長」、「統一グループ会長」などを務め、創始者である文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁の右腕とされていた人物です。
また、豊富な資金力を武器に経済界でも大きな影響力をもち、韓国プロサッカー「Kリーグ」会長や、教会系企業が設立したプロチーム「城南一和(ソンナムイルファ)」オーナーの肩書を持っていました。
ソウルから車で2時間ほどの高台にそびえる豪華な施設。
献金を巡っては、韓国でも破産するなど被害者が存在し、日本を含め世界中の信者から集めた金は本部に送金され運営に充てられているそうです。
旧統一教会の元信者:「韓国人が合同結婚式を受けるには14万円でいい。でも日本人が祝福を受ける時は140万円という大金を払わないといけない。反日的な教えがあるから。だから日本人は大金を払わされて当たり前。大金を払わされて感謝しろという言い方をよくしていた」
元信者の女性は、かつての植民地支配の贖罪(しょくざい)などと称し、日本人には特に多額の献金を迫ると証言。
一方、安倍元総理銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者の家庭は母親による1億円もの献金で自己破産。
容疑者は「家庭がめちゃくちゃになった」などと供述し、事件前日に出されたとみられる手紙やSNSには教会への恨みがつづられていました。
山上徹也容疑者が書いたとみられる手紙:「安倍の死がもたらす政治的意味、結果、もはやそれを考える余裕は私にはありません」
この手紙について、容疑者の家のパソコンから島根県のジャーナリストに送ったものと同じ文言の文書データが見つかっていたことが警察への取材で新たに分かりました。
世界平和統一家庭連合、郭錠煥元会長:「献金とは尊いものです。だから献金を扱う教会は責任を持たなければいけません。霊感商法などで献金させていた指導部のやり方にまた戻しているという認識です。大きな過ちです」
旧統一教会は創始者である文鮮明総裁の死後、内部分裂し、四男と七男が離れ、現在、妻の韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏(79)を中心に運営されています。
そして、三男と会見を開いた郭錠煥氏も対立の末、脱会しました。
その後の執行部が献金集めに傾倒していった状況が、今回の事件の背景にあると批判。
世界平和統一家庭連合、郭錠煥元会長:「(Q.日本の教会は『献金部隊』とも揶揄(やゆ)されていたが?)日本からの献金は総裁の活動に大きく寄与しました。献金額は日本の総会長にしか分かりません。本来の教えを守っていたら日本の信者にも不幸なことは起きなかったはずです」
身内だった元教会NO.2の最高幹部による献金を巡る指摘に対し、世界平和統一家庭連合の見解を取材しました。
世界平和統一家庭連合・広報部:「郭氏が献金に問題があったと言うなら、返す刀であなたも責任を問われますよ。郭氏に対しては韓国の教会から抗議文を送る準備をしています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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