7月下旬に東京の感染者1万8000人試算も 「BA.5」で死者数も増加か(2022年7月12日)

7月下旬に東京の感染者1万8000人試算も 「BA.5」で死者数も増加か(2022年7月12日)

7月下旬に東京の感染者1万8000人試算も 「BA.5」で死者数も増加か(2022年7月12日)

 各地で新型コロナウイルスの感染者の急増が止まりません。その大きな要因となっているのが、オミクロン株の新系統「BA.5」です。その広がりを受け、全国知事会が国への緊急提言を取りまとめました。

 夏休みを前に、大きな感染の波が押し寄せてきています。

 12日、東京都で新たに新型コロナウイルスの感染が確認されたのは1万1511人。感染者数が1万人を超えたのは3月16日以来およそ4カ月ぶりです。前の週の同じ曜日と比較しても2.2倍となっています。

 東京都医師会・猪口正孝副会長:「これからは本当に医療が必要で、助けなくてはいけない人に絞り込んで診ていかないと、多分東京は乗り切れない」

 東京都の医師会は急速な感染拡大に対応するため、医療提供体制に変化が必要だと指摘しています。

 東京都医師会・猪口正孝副会長:「中等症を中心に病院が診る作戦をとれば、東京の場合、かなりの数字まで医療崩壊は起きないだろう」

 感染拡大の大きな要因。それがオミクロン株の新たな系統「BA.5」への置き換わりです。BA.5はこれまでのウイルスよりも感染力が強いとされています。

 名古屋工業大学・平田晃正教授:「これまで感染力がBA.2に比べて1.2倍くらいではないかといわれてきたが、日本の感染状況を考えますと1.2倍から1.3倍に近いのではないか」

 BA.5に置き換わりが進むとどれだけ感染が拡大するのでしょうか。東京都の新規感染者数を名古屋工業大学の平田教授がAI(人工知能)を使って予測しました。

 すると、およそ2週間後には一日の感染者数が1万8000人にまで増加するという試算結果となりました。

 名古屋工業大学・平田晃正教授:「1万8000人という1週間平均の値は、第6波のピーク並みということになる。その意味で、かなり大きな波になるのではないかと考えています。死者数に関しましても第6波並みの一日あたり約20人から30人に到達する可能性」

 平田教授の試算では、ピークを迎えた後も感染者数は1万人以上で推移しています。

 名古屋工業大学・平田晃正教授:「換気がしやすくなる9月中旬くらいまでは(感染者数が)高止まりする可能性があります。これは(BA.5が)免疫の回避力が強いこと、そして現役世代のワクチン接種がこれから大きくは見込めないこと、そのため(感染者数が)高止まりする可能性が高い」

 平田教授が指摘するBA.5のもう一つの脅威は、免疫回避力の強さです。

 アメリカ・ハーバード大学などの研究から、ワクチン接種や過去の感染でできた免疫をすり抜ける特徴があることが分かってきています。

 ロイター通信によると、アメリカのモデルナ社はBA.5に対応するワクチンの開発が秋に向けて進展していることを明らかにしたということです。

 しかし当然、日本の夏休みには間に合いません。

 12日の全国の感染者数は午後5時半の時点で7万人を超えました。これは3月3日以来のことです。

 日本中で感染者が増えるなか、全国知事会は緊急対策会議をオンラインで行いました。議題は国への緊急提言についてです。

 全国知事会会長・平井鳥取県知事:「私たちは経済や社会を回していかなければなりません。ですから非常に難しい橋を私たちは渡っていかなければなりません。だからこそ、政府において新しい対策を考えて頂く必要がある」

 東京都・小池知事:「感染拡大の防止と社会経済活動の両立に関して、全般的な対応方針を早期に示してほしい。まん延防止等重点措置、緊急事態措置の適用基準、終了基準なども明確に示してほしい」

 緊急提言には感染抑制と経済活動を両立できる新たな対応方針を示すことや、濃厚接触者の対応の見直しなどが盛り込まれました。

 さらに全国知事会は感染症の位置付けについても議論する必要があるとしています。

 小林寅てつ教授は感染症法上の扱いが二類相当というのは、感染者数が増えすぎた現状に即していないと指摘しています。

 東邦大学・小林寅てつ教授:「『原則』入院と届け出に関して保健所できちんと把握して全部を追っていく状況になるので、感染者が増えていくとそれを全部対応することは現実的に不可能なので、そういう意味で現状に合わせた運用にするのが大事な点だと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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