安倍元総理銃撃 奈良県警「警備に問題」…“最後の応援”議員当選「全身全霊で働く」(2022年7月11日)

安倍元総理銃撃 奈良県警「警備に問題」…“最後の応援”議員当選「全身全霊で働く」(2022年7月11日)

安倍元総理銃撃 奈良県警「警備に問題」…“最後の応援”議員当選「全身全霊で働く」(2022年7月11日)

 安倍晋三元総理大臣の警備について、奈良県警は、問題があったという認識を明らかにしています。当時、安倍元総理の隣にいた佐藤啓氏(43)が、事件後初めて心境を語りました。

■目撃者の証言 背後がら空き「静かにバーン」

 奈良県警察本部・鬼塚友章本部長:「27年余の警察官人生での最大の悔恨。痛恨の極みです」

 奈良県警のトップが悔やんだ安倍元総理への銃撃。事件当日の警備体制について、鬼塚本部長は、次のように話しました。

 鬼塚本部長:「こうした結果を招いたことを踏まえれば、今回の警護警備に問題点があったことは、否定できない」

 8日午前11時29分、応援演説を始めた安倍元総理。後ろには、山上徹也容疑者(41)の姿が確認できます。観衆とは反対方向から、安倍元総理の様子をうかがっていました。

 山上容疑者が画面から姿を消した1分後、安倍元総理は凶弾に倒れました。これは、山上容疑者が銃を発砲した直後に、警察官らに確保された時の写真。画面奥に映る2人組の女性に、話を聞くことができました。

 目撃者:「犯人がどっちから出てきたか知らんけど、望遠レンズの付いたカメラを持って、近付いていったのかと思ってたんです。報道関係者かと思ってみてたな」

 周囲に警戒されることなく、接近していった容疑者。そして…。

 目撃者:「撃つ時も、何も言わない。バーンと」「静かに歩いてきて、バーンやっただけ」

 銃撃される1分前の写真では、安倍元総理の後ろ側を警戒しているのは、1人だけのようにも見えます。

 目撃者:「黒い服の人。その方だけが、こっち向いてるんです。本当なら、もっとこっち向いて立ってなきゃいけないでしょ?だから、これはひどい」「後ろはもうバラバラやったもんな。警備もしてなかった」

■発砲の瞬間…目撃市議「SPは1発目気付かず」

 先月28日にも同じ駅前で演説を行った安倍元総理。観衆とグータッチをする姿も見られました。今月8日の応援演説は、前日に急きょ決まりました。

 事件当時、選挙応援に入っていた地元の関係者も、警備体制の不備を指摘しました。

 橿原市・吉川ひろお市議:「発砲の時には、安倍元総理の左手側のほうにSPの人が1人いて。1発目は多分、気付いていないと思いますね。2発目の時にカバンごと飛び込もうとはしてましたね」

 発砲は合わせて2回。1回目の発砲直後、SPと思われる男性がカバンを盾に、安倍元総理を守ろうとしているのが分かります。

 吉川市議:「要人の方が来られる場を拝見するのはあったんですけど、常々です。何も今回だけっていうことではなく、もう少し、警備を厳重でも良いんじゃないかっていう思いは持っていました」

 騒然となる事件直後の現場。山上容疑者が車道の真ん中で、複数の警察官に取り押さえられています。

 大人4人が山上容疑者を持ち上げ、歩道に運んでいきました。その際、山上容疑者は暴れることはなく、落ち着いた様子でした。

 この時、街宣車のマイクを使って、助けを呼んでいたのは、天理市の並河健市長でした。

 天理市・並河健市長:「聴衆の中に、医師、特に看護師の方はいらっしゃるだろうと、あらかじめ分かっていましたし。陣営皆で何とか、元総理のお命をお救いしなきゃいけないという一心で、呼び掛けを行いました」

■救命の医師「顔面が真っ白」 選挙カーにも…

 応急処置にあたった医師は、当時の状況について、次のように振り返ります。

 中岡内科クリニック・中岡伸悟院長:「パッと見た瞬間に、かなり顔面が真っ白な状態。身動き一つ、ピクッともされず。その状況を見て、ただごとではないなと。かなり厳しい状況と、すぐに分かりました。救急車の到着を一刻も早く来てくれと、願うような状況でしたので。私としては、すごく到着が長く感じました」

 事件現場で使われていた選挙カーの看板部分には、容疑者の男が撃ったとみられる銃弾の痕が数カ所見つかっています。

 選挙カーは、山上容疑者から見て、安倍元総理の10数メートル後ろ、観衆の近くに止めてありました。

 白昼堂々行われた今回の凶行は、安倍元総理以外にも、被害が及んだ可能性もありました。

■“最後の応援”議員当選 硬い表情で語る

 安倍元総理の最後の応援演説を受け、当選を確実にした奈良選挙区の佐藤啓氏は、硬い表情でこう語りました。

 自民党・佐藤啓氏:「安倍元総理にこれまでご指導頂いた経験を生かして、全力、全身全霊で働かせて頂く。遺志を継げるような政治家ではないし、そのレベルには全く至っていませんから。(安倍氏が)実現しようとした憲法改正などで、微力ながら、そういった思いに応えていきたい」

(「グッド!モーニング」2022年7月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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