「最悪ですね」全国旅行支援の開始延期を検討…需要低下のおそれに旅行会社ら“不安”（2022年7月7日）
政府は、７月前半の実施を目指していた観光支援策「全国旅行支援」について、開始を延期する方向で検討に入りました。再び観光業に“暗雲”です。
都道府県ごとに実施している県民割を全国に広げる「全国旅行支援」。宿泊とクーポンを合わせて、１人１泊あたり最大で１万１０００円が補助されます。政府は６月の感染状況を見極め改善が確認できれば、７月前半から実施するとしてきました。
ところが、７月６日、木原誠二官房副長官は「今後、感染者数の増加も懸念され、注視が必要な状況にある」との認識を示しました。政権幹部によりますと「感染状況が上昇傾向にある中で、感染を広げるようなことをやるのは考えにくい」として、７月前半に予定していた全国旅行支援の開始時期を延期する方向で検討に入ったということです。
大阪市内の旅行会社は…。
（摂陽観光 藤原雅彦社長）
「最悪ですね。２年前にＧｏＴｏトラベルが夏から開始された時に急激に伸びたんですね。それが年末に一気にゼロになりましてね。売り上げゼロみたいな状況になりましたから。それと同じことが起こるのではないかと、かなり危惧しています」
徐々に戻りつつあった旅行需要が、再び落ち込んでしまうのではないかと“不安”を口にしました。
一方、京都の繁華街にあるホテル「ＯＭＯ５京都三条ｂｙ星野リゾート」。全国旅行支援の開始時期にあわせて、７月１５日から、京都の伝統的な食文化「仕出し」を楽しんでもらうプランを提供する予定でしたが、先行きが不透明に。一緒に準備を進めてきた料理店と対応に追われていました。８月までの予約は今のところ順調に埋まっているものの、秋以降は例年よりも空きが目立っているといいます。
（星野リゾートＯＭＯ京都エリア 唐澤武彦総支配人）
「そこ（全国旅行支援の開始）に向けて準備をしてきましたので、もちろんそのままスタートを切ってくれたらという思いもあります」
都道府県ごとに実施している「県民割」の期限は７月１４日。政府は、県民割を再度延長し、全国旅行支援については感染状況を見極めたうえで来週後半にも最終判断する見通しです。
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