苦境の花火大会“復活かけた挑戦”…“コロナ&円安”業者に直撃も 値上げしない理由(2022年7月7日)

苦境の花火大会“復活かけた挑戦”…“コロナ&円安”業者に直撃も 値上げしない理由(2022年7月7日)

苦境の花火大会“復活かけた挑戦”…“コロナ&円安”業者に直撃も 値上げしない理由(2022年7月7日)

 七夕の7日夜は、夜空を見上げる人も多いのではないでしょうか?夜空を彩る夏の風物詩「花火大会」が、コロナ禍や原材料の高騰などでピンチとなっています。危機を乗り越えるための新たな取り組みを取材しました。

■原材料費“高騰”も…値上げしない理由

 夜空を彩る大輪の花。夏の風物詩の花火大会ですが、新型コロナの影響で、今年も「隅田川花火大会」や「江戸川区花火大会」など、主要な大会が中止を余儀なくされています。

 苦境に立たされる花火業者に追い打ちを掛けているのが、原材料費の高騰です。

 山崎煙火製造所・山崎智弘代表:「花火で使う金属とか、火薬を調合するうえで、必要な薬品です。そういうものが(前年比)10%以上、上がってきている」

 原材料は輸入に頼っているため、輸送費の値上がりや円安の影響を大きく受けているのです。

 それでも今年、花火玉の値上げを踏みとどまっているのには、理由があるといいます。

 山崎代表:「(大会開催は)去年よりは、多少増えてきているかなと感じます。8割くらいは戻ってきている。値段は置いといて、色んな面で協力してあげたいなというところで」

■復活へ“熱き想い”…異例の準備に密着

 ようやく今年、3年ぶりに再開を決めた大会も多いのです。ただし、例年通りの大会運営とは、いかないようです。 

 茨城県筑西市の「ちくせい花火大会」も今年、開催を決めた大会の一つです。

 去年は1万5000発を打ち上げる花火大会を予定していましたが、新型コロナの感染拡大を懸念して中止に…。代わりに、開催日や打ち上げ場所を知らせず、小規模で行いました。

 この日、山崎さんの会社では、10月に開催される「ちくせい花火大会」のために、異例の準備に追われていました。それは事前の「試し打ち」です。

 打ち上げ場所の川の土手道に、2号玉から5号玉まで50発を慎重に設置していきます。時間にして5分のテスト花火の予定です。

 山崎代表:「観客席から、しっかり見えるかという形のテストです」「(Q.大会の前には必ずやる?)いや、ないですね。(主催者の)筑西市さんが見たいと。向こうからどう見えるのか」

 初めて設置する観覧席は、打ち上げ場所から、およそ800メートルの道の駅にあります。3500席ほどを用意する予定で、そこからの眺めを確認しておこうというのです。

 筑西市 観光振興課・信田有哉さん:「会場内のソーシャルディスタンスなどを保って、万全のコロナ対策を実施して。絶対に開催するぞという気持ちでやっている」

 3年ぶりの開催を決めた「長岡まつり大花火大会」や「関門海峡花火大会」など、今年から全席を有料化する動きも広がっています。

 これには、新型コロナ対策としてだけでなく、課題となっている花火大会の資金不足を補う効果も期待されています。

■“運命のテスト”幅900m「ワイド花火」は?

 打ち上げ30分前。花火の準備が整い、観覧席となる道の駅にやって来た山崎さん。建物2階のテラスから、スタッフと共にその時を待ちます。

 山崎代表:「5寸(5号玉)が、まん丸く見えれば、全部大丈夫だから」

 テストで注目していたのは、6発同時に幅900メートルにわたって打ちあがる、広がりある花火の見え方です。一方、道の駅の駐車場には、なぜか人が集まっていました。

 道の駅にいた人:「(Q.何をしている?)花火が上がるのを待っている。聞き違えたらしいんです」「前夜祭(試し打ち)というのを知らないで。本当にやるのかと思って」

 実は、近くの住民にだけ、告知がされていたのです。いよいよ、打ち上げの時。山崎さんは、時報を確認します。

 山崎代表:「まん丸だね。明るいね。見えるね。十分見える」

 そして、この日のクライマックス。最も注目していた幅900メートルにわたる、花火の一斉打ち上げです。果たして、きれいに打ち上がるのでしょうか?

 山崎代表:「次だな。来た」「いいね。そうとうワイドだよ、これ」「ここからはっきり見えたので。すごく発色も良かったので、満足しています。本番は、さらに大きな7号、8号、10号って大きな玉を打ち上げる予定なので。さらに立体的に、ワイドに見えると思う」

 わずか5分間のテスト花火でしたが、地元の人も…。

 地元の人:「良かったよね」「良かった、思わず拍手しちゃった」「こうやって見られるなら楽しみだわ」

■家庭用花火も…“値上げ”しない理由

 一方、気になる家庭用花火にも、前向きな動きがあります。

 花火卸し売り大手「オンダ」・恩田郷子常務取締役:「自分たちで花火大会をやろうと、皆思い付いて。首都圏でも、花火をやる人が非常に増えて」

 花火大会の中止で、逆に家族で花火をする人が増えているのです。そんな家庭用花火のほとんどは中国製のため、仕入れ価格は跳ね上がっているといいます。

 恩田常務取締役:「すべてのみ込むという方法で、価格を上げていません。子どもたちが楽しみにしているのに、値段が上がって、花火ができなくなるのは、本当に悲しいことなので。今年は、頑張ろうと会社で決めた」

 待ちに待った、花火シーズンがやってきます。

(「グッド!モーニング」2022年7月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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