「大気の川」観測で新事実判明 “線状降水帯”の謎に迫る(2022年7月6日)
およそ300人が犠牲となった西日本豪雨から4年が経ちました。
広島市の安佐北区役所で営まれた追悼式には、松井市長や遺族ら18人が参列し犠牲者を悼みました。広島県内では151人が亡くなり、今も5人の行方が分かっていません。災害から4年が経過した今も7世帯が仮住まいでの暮らしを余儀なくされています。
母と姉をなくした片山兼次郎さん:「母と姉の分まで一日一日を大切に生きて後悔のない人生を送ろう。感謝の気持ちを持ちながら」
岡山県では95人が亡くなり、3人が行方不明となったままで、今も10世帯24人が仮設住宅で暮らしています。
局地的な豪雨をもたらす線状降水帯。
地面をたたき付けるような大雨に見舞われた5日の高知県。気象庁は今年初めて「線状降水帯」が発生したと発表しました。
線状降水帯について判明しているのは、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、積乱雲が次々と発生。数時間にわたって大雨をもたらすということだけで、詳しいメカニズムは不明です。
その謎に迫ろうと5日、名古屋大学の坪木和久教授らの研究チームが飛び立ちました。
線状降水帯の要因の一つとされる上空の水蒸気の塊「大気の川」。これを空から観測する初の試みです。
名古屋大学・坪木和久教授:「日本付近に形成される“大気の川”の立体的な構造を観測する。また、その水蒸気の量を海上で観測する。それが目的」
東シナ海と太平洋上空に帯状に流れる「大気の川」ですが、肉眼で観測することはできません。そこで「ドロップゾンデ」と呼ばれる観測機器をおよそ50個投下し、様々な高さでの水蒸気や風の速さなどを観測。大気の川では大量の水蒸気が毎秒20メートルもの風で運ばれ、非常に早い速度で変化していることが判明しました。
名古屋大学・坪木和久教授:「(線状降水帯などの)予測が12 時間前に可能になれば、避難を適切にすることができる。それによって少なくとも人命が失われないような社会を目指すことができると思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く