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モスクワから約1000㎞…ロシアの飛び地「カリーニングラード」その成り立ちと鉄道規制で高まる緊張【サンデーモーニング】|TBS NEWS DIG
最もヨーロッパに近いロシア領「カリーニングラード」。紆余曲折を経て、今のようなロシアの「飛び地」となりました。ロシアとNATOの対立が鮮明となる中、その成り立ちについて考えます。
■こんなところにロシアの領土が…
カリーニングラードはどんな土地?
鉄道への規制で緊張が高まる「カリーニングラード」。すぐ隣には、バルト三国、南にはポーランドと、NATOとEUに加盟する国に囲まれています。モスクワから1000kmほども離れた場所にあるロシアの「飛び地」です。カリーニングラードは、冬になっても凍らないバルト海に面しているため、潜水艦、駆逐艦、フリゲート艦を要するロシア海軍の主力「バルト艦隊」の母港となるなど、軍事上の要衝です。冷戦時代には、ソ連の軍事施設が集中し、州全体が一般人の立ち入ることが出来ない「閉鎖都市」でした。そして、現在は、ドイツ・ベルリンまでを射程に捉える核弾頭搭載可能なミサイル「イスカンデル」が配備されています。
■ドイツ→ソ連→ロシアと統治する
国が移り変わる”紆余曲折があった都市”
なぜ、この場所がロシアの飛び地となったのでしょうか?ここは、第一次大戦前は、まだカリーニングラードではなく、「ケーニヒスベルク」という名前のドイツ帝国の都市でした。第一次大戦でドイツ帝国が敗れると、隣接するポーランドは独立しましたが、この地域は、ドイツの領土として残り、飛び地となりました。そして、第二次大戦でナチスドイツが敗れ、今度は、バルト三国などとともにソ連の領土となりました。この時、元々住んでいたドイツの人々は追放され、ソ連から多くの人が移り住み、名前も「カリーニングラード」と改められました。1991年、ソ連の崩壊と共にバルト三国は独立。しかし、旧ソ連の人たちが暮らすカリーニングラードはそのままロシアの領土として残り、今のような飛び地となったのです。
■リトアニアによる鉄道規制
核の脅威への緊張が高まる
一方、鉄道輸送の規制に乗り出したバルト三国のリトアニアは、NATOとEUの一員であり、根強い反ロシア意識を持っています。あくまで、今回の規制はEUの制裁に沿ったものですが、今回、規制された鉄道が通るリトアニアのヴィリニュス駅には、ウクライナ侵攻の被害を伝えるポスターが展示されるなど、ロシアに対して、厳しい姿勢を示しています。対するロシアは、同盟国・べラルーシとともにリトアニアを厳しく批判しています。ロシアは、カリーニングラード同様、ベラルーシにも、核弾頭を搭載可能なミサイル「イスカンデル」の配備を表明するなど、バルト三国をはじめ、NATO諸国を牽制する動きを強めています。
■広がりを見せるNATO戦略概念も変化した歴史的転換点
フィンランド、スウェーデンを新たな加盟国とする方針を固めた上で、ウクライナへの侵攻を続けるロシアを「最も重大で直接的な脅威」とするなど、対決姿勢を鮮明にしたNATO。
NATOの勢力が拡大する中、新たな冷戦への懸念が高まっています。(2022年7月3日放送「サンデーモーニング」)
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