“非道”ロシア軍 手当たり次第に「忌まわしい攻撃」 G7首脳を試すかのように…(2022年6月28日)
1000人以上がいたとされるウクライナのショッピングモールにロシア軍のミサイルが着弾。少なくとも18人が死亡、59人が負傷しました。ゼレンスキー大統領は「ロシアは世界最大のテロ組織になった」と非難しています。
消防隊員や非常事態省の職員らが必死の消火作業にあたるのはウクライナ中部・クレメンチュクのショッピングモールです。
27日午後4時前、ロシア軍が放った2発のミサイルの直撃を受けたのです。
ゼレンスキー大統領によりますと、攻撃を受ける前、ショッピングモールには約1000人の人がいたといいます。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「平和な町の普通のショッピングモールだ。女性や子ども、普通の市民がいた。空襲警報が鳴る前、約1000人が中にいた」
ゼレンスキー大統領は空襲警報で大勢が外に逃れたとしていますが、非常事態省によりますと、少なくとも18人が死亡し、59人が負傷しました。
店内にいた人:「頭から飛ばされた感じでした。体に破片などが当たって、建物全体が崩れているようでした」「けがをした人、やけどを負った人、血まみれの人を大勢見ました。倒れそうな女の子を出口まで運びました。女の子は何度も意識を失いそうでした」
そして、まだ行方の分からない人たちも残されています。
ウクライナ、モナスチルシキー内相:「今のところ30人の行方が分かっていません。全員、店員で連絡が取れません」
父親を捜す男性:「父は家電量販店に勤めています。見つかることを期待していますが、連絡が取れません」
ショッピングモールのホームページによりますと、モール内にはスーパーマーケットや衣料品を扱う店などが入っていて、当時も大勢が買い物に来ていたとみられます。
クレメンチュクは首都キーウと前線基地のある中部のザポリージャをつなぐドニプロ川流域にある工業都市です。自動車産業や石油産業が盛んで、侵攻前には約22万人が住んでいました。
これまで町の中心部に攻撃を受けたことはなかったといいます。
CNN、フィル・ブラック特派員:「ロシアは東部ドンバス地方に戦力を集中させていますが、いつでも国中の標的を攻撃する意思も能力もあります」
事実、週末からロシアはキーウやハルキウなど各地への攻撃を激化させています。まるでドイツに集まる西側の首脳らを試すかのように。
G7(主要7カ国)、どう反応したのでしょうか。
ゼレンスキー大統領は市民が集まるショッピングモールへの攻撃を受けて「ロシアは世界最大のテロ組織だ」と非難しました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシアは世界最大のテロ組織になった。法的な事実とするべきだ」
ロシアはここにきて、戦力を集中させている東部以外でも首都キーウの幼稚園、北東部・ハルキウの小学校や病院、そして各地の住宅などを手当たり次第に攻撃しています。そして、今回のショッピングモールへの攻撃です。
地元住民:「友人の名前を不明者リストに載せてもらいました。生きているのか情報がありません」
店内にいた人:「子どもと一緒にポーランドに避難した。女性は帰らずとどまってほしい。安全な場所に残るべきです」
折しもドイツではG7の首脳が集まり、ウクライナ支援を話し合っていました。
攻撃を受け、すぐさま「忌まわしい攻撃だ」「罪のない市民への無差別攻撃は戦争犯罪にあたる」との声明を発表しました。
ドイツ、ショルツ首相:「ロシアとの関係はロシアのウクライナ侵攻以前には戻れない」
G7各国は今回の会議で必要な限り、財政や人道、軍事、外交面でウクライナを支援し続けることを約束しています。
イギリス、ジョンソン首相:「G7とウクライナを支援する各国は経済再建や穀物輸出、そして、もちろん防衛できるよう支援し続けなければならない」
一方、ロイター通信によりますと、ビデオ通話で会議に参加したゼレンスキー大統領は首脳らに「冬までに戦争を終わらせたい」と話したということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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