被爆者「残念を越えて憤り」日本は不参加“核兵器禁止条約”会議最終日(2022年6月23日)
核兵器の使用や威嚇を禁じた『核兵器禁止条約』の締約国会議が最終日を迎えました。
2日目の会合では、核の抑止力に頼るNATO(北大西洋条約機構)の加盟国が、相次いで核軍縮の重要性を主張しました。NATO加盟国は、核兵器禁止条約を批准していませんが、オブザーバーとして参加、発言しました。
ドイツ政府代表:「我々も“核なき世界”を目指すこの条約の取り組みを評価します」
ノルウェー政府代表:「締約国との対話を通じて、核軍縮の進展と二極化の解消に取り組みます」
オランダ政府代表:「核兵器禁止条約に加盟はしませんし、この条約の拘束力も認めませんが、この会合への参加が無意味だとは考えていません」
NATO加盟国は、アメリカの「核の傘」の下にあるため、核兵器を全面禁止する条約とは相いれない立場です。それでも今回、同調する発言をした背景には、ロシアの存在があります。
ドイツ政府代表:「ロシアは複数回にわたって核兵器の使用をちらつかせ、侵略戦争を激化させようとしました。核兵器保有をあきらめた平和な国に対し、核による脅しを盾にした武力侵略など歴史上前例がありません」
また、今回の会合に合わせるかのように、プーチン大統領は、開発中の新型大陸間弾道弾が、年末に実戦配備されるとの見通しを示しました。
核の脅威を強く感じているNATO加盟国。それに対し、同じく「核の傘」の下にある日本。広島と長崎から、日本もオブザーバーとして参加するよう要請されていましたが、その声に応えることはしませんでした。
広島で3歳の時に被爆し、核廃絶の訴えを続ける家島昌志さん(80)。オブザーバー参加を求める署名を集め、政府に渡しています。
家島昌志さん:「被爆国という立場は、並の軍事同盟国とは違う。そこへ踏み出してリードを取ろうとしても、誰も不審に思わない。それを生かせないのは残念。残念を越えて憤りを覚える」
今回の会合では、核兵器を持つ国が条約を批准した場合、10年以内に核兵器を廃止しなければならないなど、重要事項が合意されていますが、そもそも核保有国が参加していません。
そのため、日本は、保有国が加わるNPT(核拡散防止条約)の8月の会議に、岸田総理が参加する予定です。
松野博一官房長官:「NPTは核兵器国と非核兵器国の双方が参加する、国際的な核軍縮・不拡散態勢の礎石。岸田総理自ら出席して、政府として同会議で意義ある成果を収められるよう全力を尽くす考えであります」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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