人道回廊巡り主張応酬 ロシア要人が挑発SNS? ロ軍で参戦・入隊拒否(2022年6月16日)

人道回廊巡り主張応酬 ロシア要人が挑発SNS? ロ軍で参戦・入隊拒否(2022年6月16日)

人道回廊巡り主張応酬 ロシア要人が挑発SNS? ロ軍で参戦・入隊拒否(2022年6月16日)

 民間人の多くが残っている東部セベロドネツクの化学工場を巡り、ロシア側がウクライナ軍の妨害により人道回廊が設定できずにいると主張しました。双方で主張が食い違うなど、現地では今も緊張が続いています。

 ロシア側が放ったロケット砲は巨大なクレーターを作りました。

 住民:「皆で庭にいて作業をしていました。その時に爆発があって皆、倒れ込みました。ほこりと煙だらけで、もう家はなくなりました」

 ロケット砲は少なくとも3発着弾したといいます。

 この町から北東およそ100キロに位置するのが激戦が繰り広げられるセベロドネツクです。

 ロシアは日本時間の15日午後2時からここに住民を避難させる人道回廊を設置すると一方的に発表し、ウクライナ兵の投降を迫っていました。

 しかし、それは実現しなかった模様です。

 ロシアはウクライナ側が、民間人を「人間の盾」にして妨害したと主張していますが、ウクライナ当局はこれを否定しています。

 そもそも、ロシアが住民を避難させるとした先はロシアが掌握する町です。

 ウクライナ軍参謀本部報道官:「セベロドネツクで敵は迫撃砲や大砲、多連装ロケットで我々を攻撃している。セベロドネツクなどの近郊では民間のインフラを攻撃している」

 ゼレンスキー大統領は感謝をしました。

 ゼレンスキー大統領:「この支援をうれしく思う。ドンバス地方の防衛に非常に重要だ」

 対して、ロシアの国連大使は非難をしています。

 ネベンジャ国連大使:「西側の大砲は罪のない人々を殺している。ウクライナに武器を提供している西側諸国に言いたい。あなたたちの手は市民の血にまみれている」

 そもそも、ロシアが攻め込まなければ武器の提供もありません。

 アメリカは15日、新たに総額10億ドルの武器支援を発表しました。

 オースティン国防長官:「ここにいる誰もがロシアがドンバス地方に対する見境のない攻撃を再開したことでウクライナが危機に直面していることを痛感しています」

 アメリカ政府によると、今回の支援には地対艦ミサイル「ハープーン」や、高機動ロケットシステム「ハイマース」の追加砲弾、155ミリりゅう弾砲18門などです。

 米軍・ミリー統合参謀本部議長:「まず、ロシアは大砲の数でウクライナを上回っています。4対1とも5対1とも6対1ともいわれます。15倍、20倍だという声もあります。だが戦争は数字のゲームではない。それをどう使うかだ」

 オースティン国防長官はウクライナ側の要求に応えきれない事情もうかがわせています。

 オースティン国防長官:「戦いのなかいると、兵器を十分に手に入れることはできないし、すぐに手にすることもできない。だが可能なことは確実に実行できるように努力はします」

 東部ドネツク州ではウクライナ軍がロシア側の進軍を食い止めるため、森林地帯に対戦車地雷を設置していました。

 ウクライナ軍、特殊作戦部隊のトップ:「塹壕(ざんごう)で前線を守る部隊に敵が近付くことを困難にさせられる」

 ロシアは東部の全域を掌握したら、さらに広い地域を狙うのではないかとみられています。

 ロシア安全保障会議の副議長、メドベージェフ前大統領はSNSに挑発的なメッセージを投稿しました。

 メドベージェフ前大統領(テレグラムから):「ウクライナが海外の“ご主人様”に液化天然ガスの提供を頼み、2年後に支払うという話を聞いた。だが聞きたい。果たして2年後、世界地図にウクライナは存在するのだろうか」

 一方、ロシア軍では参戦拒否や入隊拒否が相次いでいるともみられています。

 ロシア兵同士のやり取りを盗聴したとされる音声です。

 兵士A:「良いニュースだ。きのうからドルの代わりに毎日8500ルーブルが支払われることになった」

 兵士B:「8500ルーブル?」

 兵士A:「そうだ。1カ月で25万ルーブルだ。さらに2回の基本給なども出る」

 兵士B:「すごいね。最近、拒否する人が多いから」

 兵士A:「どうやって366人も集められるのか分からない」

 兵士B:「全く人は集まっていないよね?」

 兵士A:「もちろん。ここでも150人くらい断られた。あそこから帰ってきた人を非難なんてできないよ。また地獄に行きたい人なんていない」

 ロシアの一方的な侵攻はロシア兵からも理解を得られていないのかもしれません。

 ただ、この国はロシアに理解を示しています。中国です。

 習近平国家主席は15日、プーチン大統領と電話会談し、ウクライナ情勢を巡って意見交換をしたといいます。

 そこで習近平主席は・・・。

 習近平国家主席:「歴史的経緯と善悪により自主的な判断をしている」

 中国外務省によると、習近平主席は「各国が責任ある方法で適切な解決を推し進めるべきだ」とも話したといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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