年金支給額0.4%引き下げ 物価高騰の中 年1万円減も・・・専門家「経済に悪影響」(2022年6月16日)

年金支給額0.4%引き下げ 物価高騰の中 年1万円減も・・・専門家「経済に悪影響」(2022年6月16日)

年金支給額0.4%引き下げ 物価高騰の中 年1万円減も・・・専門家「経済に悪影響」(2022年6月16日)

 円安などの影響で物価が高騰し、家計が厳しさを増すなか、15日から年金が減額されました。受給者からは、生活に対する不安の声が上がっています。

■年金支給額 0.4%引き下げ

 70代:「減ると困っちゃいますよね。本当に困りますよ」「ひっそりと生活するしかないですよね」

 高齢者から漏れる“困惑”の声。15日の支給分から年金が減額となったのです。

 減額は、新型コロナなどの影響で、年金保険料を納める現役世代の賃金が下がったためで、厚生労働省によると、昨年度に比べて「0.4%」の引き下げとなります。

 4月と5月分の年金支給日だった15日、銀行には多くの人が・・・。具体的に、いくらになったのでしょうか?

 80代:「(Q.年金の減額は知っていた?)事前に、お知らせ頂いていましたから。よく分かっていました」

■物価高騰のなか・・・年1万円減

 そこで、通帳を見せてもらいました。今回の支給額は、2カ月分で36万9185円。昨年度分にあたる前回は、37万843円だったので、1658円のマイナスになりました。

 一月当たり、829円減りました。1年間で計算すると、9948円となり、1万円近い減額です。

 80代:「これから、どんどん減額になると思うんですが、できれば、その減額の幅が少ないことを願います」「(Q.生活に影響は?)出てきますが・・・それでやっていくしかないと思っています」

 別の女性も・・・。

 80代:「1000円くらい下がってるかなぁ・・・」

 前回支給分と比べると、2カ月で781円減り、年間5000円近い減額となりました。

 80代:「若い人に負担が掛かることにならないようにとは思っていますが。たくさんもらうのは、助かりますけど・・・」

 厚生労働省の試算によると、夫婦2人分の標準的な厚生年金の支給額は、月額22万496円から21万9593円となり、903円のマイナス。年間では、1万836円の減額となります。

■生活費切り詰め・・・“半額狙い”

 都内のスーパーでは、年金の支給額が下がることを受けて、財布のひもを締めるという声が多く聞かれました。

 70代:「半額って魅力ですよね、買う人からすると。半額って、魅力ってなっちゃう」

 そう話す高齢女性は、店内を隈なく見て回ります。

 70代:「いつもならお肉とか、もっと買うんですけど。ラム好きなんで、良いのがある時には頂ければと思っていますけど」「(Q.肉の値段は気になりますか?)気になります。結構高いですよね、良いものはね」

 レシートを真剣に見つめる、こちらの高齢女性も・・・。

 「パンとかね。パンは一番大きいかな。(値段が)最近上がっているの。やっぱり、積み重なって来ますので。(負担も)1カ月にすると、すごいんじゃないですか」

■“消費縮小”専門家「経済に悪影響」

 物の値上がりが相次ぐなかでの年金の減額。専門家は、どう見ているのでしょうか?

 第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣さん:「やはり、減額って聞くだけで、将来不安が高まりますから。それだけでも出費を抑えようとしますし。さらに、今では値上げラッシュが続いていますから。やはり、シニアの方々の消費行動には、悪影響を及ぼす可能性があるかなと思う」

 そして、高齢者の消費活動が縮小することは、日本経済にとっても大きなマイナスだといいます。

 第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣さん:「例えば、家計の金融資産でいえば、現預金だけで1000兆円あるわけですが。そのうち6割以上がシニアの方々が保有されているわけですから。そういうなかで、年金が減額されるということは、経済自体に個人消費も少なからず悪影響及ぼす可能性はあると思う」

(「グッド!モーニング」2022年6月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事