不法投棄で“ゴミ屋敷”? 家主直撃「俺のせいじゃねぇ」 片付けの責任は・・・(2022年6月13日)

不法投棄で“ゴミ屋敷”? 家主直撃「俺のせいじゃねぇ」 片付けの責任は・・・(2022年6月13日)

不法投棄で“ゴミ屋敷”? 家主直撃「俺のせいじゃねぇ」 片付けの責任は・・・(2022年6月13日)

 埼玉県草加市の住宅街にある“ゴミ屋敷”。建物の外の階段を埋め尽くすほどゴミが散乱し、近隣住民は迷惑しているものの、家主に話を聞くと、「自分が捨てたり、拾ってきた物ではない」と説明しました。

■家電山積み・・・家具散乱

 埼玉県草加市の住宅街に、ひときわ目立つ3階建ての建物。伸び放題のツタが壁を覆い尽くしています。

 敷地内には、建物を囲むように物が散乱し、ゴミ屋敷と化しています。ゴミは左側の建物だけでなく、隣の建物にもあります。

 さらに、敷地に隣接する歩道を越えて、車道にはみ出しているゴミもありました。

 うず高く積まれたゴミの山には、洗濯機に電子レンジなど、無造作に置かれた大量の家電。さらには、ソファーやテーブルなど大型家具もあります。

 よく見ると、下で支えているのは、発泡スチロールの箱1つ。いつ歩道に崩れ落ちるか分からない危険な状態です。

 さらに、頭上を見上げると、植物を育てているのでしょうか、白い箱が何個も屋根の上に置かれています。

 屋根の上にも物があふれ、発泡スチロールの箱やプランターがびっしりと置かれています。

■通行を妨害・・・出火の恐れ

 建物の前は、近隣住民の生活道路で、多くの人が行き交っています。

 前から来ている自転車は、ゴミがはみ出ているため通りづらそうです。中には、自転車を降りて、ゴミ屋敷の前を通る人もいました。さらに・・・。

 近隣住民:「発泡スチロールなんか、屋根の上にたくさん載ってるので。それが台風、強風で向かいの宅の庭に入ったり、駐車場にきたり。ネズミの死骸、走ってるのも見ましたし。かなりの数すんでると思う」「ちょっと火つけられたらね。あの下の所のゴミなんか、火つけられたら燃えちゃうもん。怖いよね」

 そして、暑くなるこれからの時期、近隣住民を困らせるのが・・・。

 近隣住民:「独特の臭いっていうんですか、マスクしててツンとくるんですから。やっぱりそれなりの臭いです」

■家主訴え「夜中に投げ込んでいく」

 近隣住民への迷惑をどう思っているのか、ゴミ屋敷の家主を直撃しました。

 家主:「不法投棄ね。数年前から捨てられるようになって。夜中の2時か3時ごろ、人が寝静まったころに、車付けて、洗濯機だとか、小さいやつだと電子レンジとか、冷蔵庫だとかカメラとかさ、ボンボン投げていく」「(Q.ご主人が持ってきたものではない?)だから言ったじゃん、車付けて投げ込んで行くって」

 男性は、山積みになったゴミは、他人が不法投棄したものだと訴えます。

 家主:「(Q.これは?)こんなの拾ってくるわけねぇじゃん。俺が荷物置いといたら、通り掛かりのやつらが、奥のほうに捨てるようになって。1個が2個、5個が10個って増えていった。そのうちに、洗濯機とか冷蔵庫とか」

 家主の男性によると、趣味の園芸に使う、発泡スチロールやプランターを家の前に置いていたところ、数年前からゴミを捨てる人が現れ、次第に家具や家電などの粗大ごみまで捨てられるようになっていったといいます。

 以前の写真を見てみると、4年前には、園芸用のプランターや発泡スチロールの箱が多く置かれていますが、次第とゴミが増えていき、2年前には、洗濯機やマットレスなどの粗大ゴミが置かれているのが分かります。

 近隣住民によると、市が対策として、不法投棄する車が止められないよう、建物の前にポールを設置しましたが、日に日にゴミは増え続けているといいます。

 家主:「(歩道に)はみ出したやつ。5、6回くらい、市が片付けたのかな」「(Q.はみ出した分は、行政のほうで?)うん、やった。捨てられないように、協力するっていうので、市のほうでこのポール立てたんだよ」

 話を聞いていると、こんな場面もありました。

 近隣住民:「何とかして、これ」
 家主:「不法投棄されたものは、俺のせいじゃねぇよ。だから、市に言われて、ロープ掛けて、崩れ落ちないようにしたの。うるせぇってんだよ!」

■脚立で移動・・・屋根の上で園芸

 敷地を埋め尽くすゴミの山。男性は、どこで生活をしているのでしょうか?

 家主:「(Q.2つ建物があるじゃないですか?)こっち(左の建物)住んでない。こっち(右の建物)に住んでいる」

 実は、2軒とも男性の家で、中は物であふれているため、かろうじてスペースがある右の建物の2階部分で生活しているといいます。

 家主:「(Q.何をやられていたんですか?)小学校の教師」「(Q.いつまで小学校で働いていた?)8年くらい前」

 小学校の教員だったという男性。家の中には、画用紙や半紙などの教師時代に使っていた物が数多くあるといいます。

 入り口と思われるシャッターは、隙間から物があふれて、開け閉めができない状態に・・・。男性は、どこから出入りしているのでしょうか?

 家主:「そっちから、障害物を乗り越えていくんだよ。あそこに足場パイプあるでしょ。脚立で両方のベランダつないで・・・」

 なんと、男性は左の家の外階段を上り、家と家の間に掛かった脚立を渡って、右の家の居住スペースへと出入りしているといいます。

■“ごみ屋敷”生活は・・・

 家主の男性に案内され、敷地の中に入ってみました。

 トンネルのような所をくぐっていく感じです。敷地内に入ってみると、辺り一面がゴミで埋め尽くされ、人1人通るのがやっとなほどでした。

 そして、居住スペースへとつながる外階段にも、大量のゴミがありました。

 家主:「(Q.気を付けて上がって下さい)余計な話。ボルダリングと一緒!」

 家主の男性は、階段に置かれたゴミの上をつたい、上り下りしているといいます。

 さらに、男性は毎日のように屋根に上り、趣味の園芸をしているといいます。

 近隣住民によると、男性は、親と生活をしていましたが、数年前に両親が亡くなり、次第に、今のような状態になっていったといいます。

■家主「俺のせいじゃねぇ」

 近隣住民が不安を感じているゴミ屋敷。男性に、片付ける意思はあるのでしょうか?

 家主:「だって、(撤去するのに)5万、10万、金かかるじゃん。俺がやったんじゃねぇぞ。被害者が何で、金出さなきゃいけないんだよ。1万や2万で済むわけないじゃん、こんだけたまっちゃったら」「(Q.ご近所さんも心配してる)それは分かる。分かるけど、タダじゃ済まないじゃん。被害者なのに、何で自腹切んなきゃいけねえんだよ」

 家主の男性は、近隣住民の不安も理解し、片付ける意思はあるものの、不法投棄されたものは、自分には責任がないと訴えます。

 他人が勝手に捨てたゴミの処理は、誰の責任になるのでしょうか?

■片付けは・・・誰の責任?

 ゴミ屋敷の家主は、「夜中に誰かが車で乗り付けて、ゴミを投げていく。俺がやったのではない。被害が何で、金を出さなきゃいけないんだ」と話しています。

 外から投げ込まれたゴミは、誰の責任になるのでしょうか?

 梅澤康二弁護士によりますと、「市の条例では、自分が捨てたゴミでも、他人が捨てたゴミでも、家などの所有者や管理者の責任で片付けなくてはいけない」といいます。

 草加市の条例によりますと、市民の責務として「市民はその居住等する建物等を、不良な状態にしてはならない」とあります。

 この「不良な状態」とは、「害虫やネズミ・悪臭が発生するなど、周辺の生活環境が著しく損なわれている状態」だということです。

 草加市側に話を聞いたところ、個別案件には答えられないが、一般論として「条例では、必要があれば、立ち入り調査や指導、または勧告、命令、行政代執行などの改善措置を講じることができる。個々の案件ごとに見合った、最善の方法を見極めながら、関係機関と協働し、適正かつ慎重に手続きを進めている」と話しています。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年6月13日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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