「自己破産なんて他人の話だと・・・」岸田政権の“貯蓄から投資へ”呼びかけの陰で 国の特例貸付が“返済できない”生活困窮者の訴え【報道特集】|TBS NEWS DIG

「自己破産なんて他人の話だと・・・」岸田政権の“貯蓄から投資へ”呼びかけの陰で 国の特例貸付が“返済できない”生活困窮者の訴え【報道特集】|TBS NEWS DIG

「自己破産なんて他人の話だと・・・」岸田政権の“貯蓄から投資へ”呼びかけの陰で 国の特例貸付が“返済できない”生活困窮者の訴え【報道特集】|TBS NEWS DIG

岸田政権が「骨太の方針」で打ち出した「貯蓄から投資への転換」による“資産所得倍増プラン”。投資どころか国からの特例貸付を“返済できない”と訴える生活困窮者が相次いでいます。

■コロナ禍の特例貸付“返済”に追いつめられる人たち

今、全国の社会福祉協議会には、コロナ禍で融資を受けた人が相談に訪れている。

膳場貴子キャスター
「最近も(相談者は)多くいらっしゃいます?」

町田市社会福祉協議会 菱沼雄介さん
「特に多い時期からは数としては少なくなりましたが、やっぱり毎日定期的には相談にいらっしゃる方はいます」

2020年3月に厚労省が始めた特例貸付制度。社会福祉協議会が窓口となっていて、生活困窮者に最大で200万円を無利子で貸し出している。2022年5月末までの間に、全国で320万件ほどの貸付が行われ、その総額は約1兆4千億円に上る。早ければ、2023年1月から返済が始まるが・・・

菱沼さん
「返済しなければいけないけど、“返済が困難”という相談があります」

厚労省は2022年3月、全国の自治体に行ったアンケート結果を公表。調査に応じた自治体の9割以上(536のうち495自治体)が、今後「特例貸付の返済ができない相談者が急増する」と回答したという。

ーー返済できないという連絡が届くこともある?

菱沼さん
「弁護士事務所の方から貸し付けを利用された方が、債務整理(自己破産)に入るという手紙が届く事が増えてきているのは気になるところです。私たちの貸付以外のところでも、利用したものも併せて、いよいよこのタイミングでご自身での再建(返済)が難しいということで、そういった手続きに入る方も増えてきているのかなと感じます」

■「誰でも自己破産になってしまう可能性がある」破産申請した女性の思い

特例貸し付け制度を利用したが、返済の見通しが立たず自己破産を申請をした、30代の女性がいる。

自己破産を申請した女性(30代)
「また値上がりしちゃいましたけど、こういうところにも家計に響いてくるんだなと」

日銀の黒田東彦総裁の発言については・・・

自己破産を申請した女性(30代)
「『値上がりすることを家計は受け入れている』みたいなこと言っていましたけど、受け入れていないですね。安いところでなるべく買うようにしている」

以前は、コールセンターで働いていたが喘息の持病もあって、コロナの感染が拡大し始めた2020年、仕事を大幅に減らされたという。

自己破産を申請した女性(30代)
「コールセンターって人の集まりなんですよ、1か所に。なので、コロナが出てしまうと仕事を止めざるを得ない状況になってしまう。会社側の対策で、シフトを減らされた。いくら喘息とはいえ体調不良扱いだから、お休みしてくださいって。コロナじゃないのに」

生活費を補填するため、クレジットカードなどで借り入れる回数が増えた。徐々に借金が増え、生活に困った女性が頼ったのが『特例貸し付け』制度だった。

自己破産を申請した女性(30代)
「20(万円)ですね。助かりました。ちょうど私も寝込んでいる時期だったので、家賃の支払いに充てたりとか」

しかし、その後コロナにかかり、喘息が悪化。働けない日々が続いた。契約の宅配ドライバーとして働く夫は、妻の看病もあって、厳しいノルマを達成できなくなり、報酬を減らされた。母親への仕送りもしており、ここ2年で、気がつけば借金は500万円に膨れ上がっていたという。そして・・・

自己破産を申請した女性(30代)
「これは自己破産で必要な書類の一式ですね」

返済に行き詰まり、夫婦は自己破産の申請をした。

自己破産を申請した女性(30代)
「借りたけど、結局借金じゃないですか。もうずっとそればっかりしか考えられなくて、仕事が手に付かないぐらい。今月どうやって支払いをしていこうってことしか考えられない」
「いつ、誰でも転げ落ちる、誰でもつまづいて私たちみたいに自己破産になってしまう可能性がある。そうならないために貯蓄をしているのであって。まさかですね・・・自己破産なんて、他人の話だと思っていたので。あっという間でしたね」

■“貯蓄から投資へ”の呼びかけに「投資に回せる金がどこにあるのか」

苦境を抜け出す目処が全く立っていない一人親家庭がある。

シングルマザーの女性
「お金の無い人は、たくさん働きながら苦しい思いをするっていう未来しかないんじゃないか」

こう話すのは2022年春、小学校に入学した息子を育てる都内に住むシングルマザーだ。

シングルマザーの女性
「『来週ハーモニカ代のお金を持ってきてください』と言われると、どうやって6000円(ハーモニカ代など)を捻出するのかと不思議なくらい」

この女性は、2020年12月、コロナ禍で生活が立ち行かなくなり、支援団体の食料配布を受けた。2021年も状況は良くならず、NPOから自宅に送られる食料に支えられ、何とかコロナ禍を乗り切ってきた。そして、特例貸付制度を利用して180万円を借り入れたというが・・・

シングルマザーの女性
「そのお金を貯めたり残…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220611-6022928)

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