北朝鮮で初女性外相・崔善姫氏とは? “ナゾの実力派通訳”当時から話題に(2022年6月11日)

北朝鮮で初女性外相・崔善姫氏とは? “ナゾの実力派通訳”当時から話題に(2022年6月11日)

北朝鮮で初女性外相・崔善姫氏とは? “ナゾの実力派通訳”当時から話題に(2022年6月11日)

 朝鮮労働党の機関紙は、崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官が北朝鮮で女性として初の外相に就任すると報じました。あの歴史的な首脳会談の場にも姿があった崔善姫氏とは一体、どんな人物なのでしょうか。

 北朝鮮の新しい外相に史上初めて女性が起用されることが決まりました。

 崔善姫第1外務次官です。韓国統一省によると、現在57歳。金正恩総書記に近くアメリカとの交渉に通じた人物です。

 北朝鮮外務省・崔善姫北米局長(当時):「アメリカが北朝鮮を核保有国と認めなければ北朝鮮の核問題については交渉の余地はありません」

 11日付の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、朝鮮労働党中央委員会の拡大総会で崔善姫氏が外相に就任することが決まったと報じました。

 15年前、当時の金桂冠(キム・ゲガン)外務次官の隣であくびをする崔善姫氏。当時行われていた6カ国協議での崔善姫氏の肩書は通訳でしたが、この態度・・・。慶應義塾大学の礒崎教授は当時の様子をこう話します。

 北朝鮮政治に詳しい慶應義塾大学・礒崎敦仁教授:「北朝鮮側の英語通訳として同行してきたはずなんですが、北朝鮮側の団長よりも英語通訳・崔善姫さんの方が偉そうにしていると、権力者のご令嬢ではないかと当時、話題になりました」

 当時、「謎の実力派通訳」「上司より偉い通訳」とも呼ばれた崔善姫氏。金正恩政権では重責を担う北米局長や外務次官を歴任。

 手腕を発揮したのが史上初めて行われた米朝首脳会談でした。この会談で実務面で中心的な役割を担った崔善姫氏ですが、結局、2回行われたトップ会談は物別れに終わりました。

 北朝鮮外務省・崔善姫外務次官(当時):「金正恩委員長(当時)は交渉意欲を失った印象を受けました」

 近日中にも7回目の核実験を実施するのではないかというこのタイミングで外相に就任する崔善姫氏。

 金正恩総書記の狙いはどこにあるのでしょうか。

 北朝鮮政治に詳しい慶應義塾大学・礒崎敦仁教授:「今年に入りましてからミサイル発射実験を加速化させて国防力、軍事力の強化を前倒ししているわけですよね。それは国防力、軍事力をテコに“今後もアメリカとの外交を模索する”というメッセージとして彼女を外相にしたと考えられます」

 アメリカとの対話再開を視野入れた布石なのか。

 また、礒崎教授は今回の外相就任が朝鮮労働党の総会で決まったことに着目。朝鮮労働党と国家の一体化が進んでいると指摘しています。
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