沖縄・道路が川のように “猛烈な雨”1時間110mm・・・「線状降水帯」予測始まる 課題も(2022年6月1日)

沖縄・道路が川のように “猛烈な雨”1時間110mm・・・「線状降水帯」予測始まる 課題も(2022年6月1日)

沖縄・道路が川のように “猛烈な雨”1時間110mm・・・「線状降水帯」予測始まる 課題も(2022年6月1日)

 先月31日、沖縄県では、激しい雨の影響で一時50万人以上に避難指示が出る事態となりました。そんななか、危険な大雨をもたらす「線状降水帯」の予測が1日から始まります。

■沖縄「猛烈な雨」1時間110mm

 川のようになった道路を進む車。対向車を見ると、茶色く濁った水に、タイヤがほとんどつかっています。建物の中も水浸しです。

 先月31日、沖縄本島南部の広い範囲に降り注いだ、記録的な大雨。南城市では、1時間におよそ110ミリの猛烈な雨が降り、記録的短時間大雨情報が発表されました。

 1時間に80ミリを超える猛烈な雨は、「息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じる」とされています。

■50万人超に一時「避難指示」

 沖縄本島では、梅雨前線に温かく湿った空気が流れ込んだ影響で、午前中から各地で大雨となったのです。

 坂道に流れ込んだ雨水は濁流と化し、建物の中にまで。沖縄では一時、7つの市と町で土砂災害警戒情報が出され、50万人以上に避難指示が出されました。

 那覇市では、石垣が崩れ、住宅への被害も出ています。

 那覇市の住宅街のこの辺りは、通学路にもなっていて、土砂崩れが発生した場所では、隣の家にまでがれきが押し寄せています。

■きょうも大雨に警戒が必要

 5月としては、観測史上最多となる3時間で127.5ミリの雨量を記録。これは、平年の5月1カ月に降る雨の半分が、わずか3時間で一気に降り注いだ計算になります。

 梅雨の沖縄とはいえ、これほどの雨はめったにありません。

 豊見城市では、「10年くらい前に一度水没して、それ以来ですね。ここまでなるというのは」といいます。

 活発な雨雲が発生しやすい状況は、今後も続くとみられていて、沖縄・奄美地方では、1日も大雨に警戒が必要です。

■危険な「線状降水帯」予測へ

 沖縄で大雨を降らせた「梅雨前線」。関東の梅雨入りは、平年より遅い今月16日ごろとみられています。

 まもなく訪れる、大雨シーズン。特に警戒したいのが、線状降水帯です。

 激しい雨を降らせる積乱雲が、列を成して次々と発生し、数時間にわたって同じ地域に大量の雨を降らせるため、甚大な水害を発生させる原因となってきました。

 毎年のように起きる豪雨被害。その対策として期待されるのが、気象庁が1日から始める線状降水帯の予測情報です。

 これまでは、線状降水帯が発生した後の発表にとどまっていましたが、1日からは、発生する半日から6時間前に予測情報を発表。予測の範囲は「九州北部地方」や「関東甲信地方」といった地方単位になります。

 気象庁・長谷川直之長官:「この発表がされた場合には、大雨災害に対する危機感を高く持って頂いて。ハザードマップや避難場所、避難経路の確認など、災害に備えて頂きたい」

■地方単位で「的中率」は25%

 しかし、課題もあります。それは、予測の精度です。

 気象庁が過去の事例を元に検証したところ、線状降水帯を予測した場合の「的中率」は、およそ25%。つまり、4回に3回は外れるということになります。

 さらに重要な、線状降水帯の「見逃し率」は、およそ66%。3回に2回は、発生を見逃す計算になります。

 気象庁は、予測精度を高めるため、複数の大学との共同研究も開始しています。

 気象庁総務部・安田珠幾参事官:「過去にあまり例のない大規模な連携によって、オールジャパンで観測・研究を実施し、予測精度向上に向けて、取り組んで参ります」

(「グッド!モーニング」2022年6月1日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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