「分配」重視はどこへ？投資による「成長」路線の「新しい資本主義」に総理ブレーンは｜TBS NEWS DIG
岸田内閣の看板政策「新しい資本主義」の具体案が、きょう、政府の会議で提示されました。当初「分配」政策の強化を訴えていた岸田総理ですが、「成長戦略」が前面に出た内容です。
さきほど総理官邸で始まった会議。岸田政権の看板政策「新しい資本主義」の具体案と実行計画が提示されました。
岸田総理
「貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める」
具体案では▽人への投資や、スタートアップ企業の育成や▽個人の金融資産を貯蓄から投資にシフトさせる「資産所得倍増プラン」の策定などが盛り込まれます。
投資に重点を置いた「成長戦略」重視のメニューですが･･･
岸田総理
「中間層の拡大に向け分配機能を強化し、所得を引き上げる令和版所得倍増を目指します」
総裁選の時点では、企業に賃上げを促すなど「分配」の強化を訴えていました。ただ、その後「分配」の財源として、株式の売却益などにかかる金融所得課税の見直しを訴えたところ、市場の反発により棚上げに。分配の財源を見失い、成長戦略重視に舵を切ったのです。
きょうの国会でも･･･
岸田総理
「成長の果実というものが経済の循環の中でなければ、人への投資・分配に回すものもない」
総理による投資呼び掛けに街の人は･･･
街の人
「元手がだって、余裕ないのに。（投資は）無理に決まってるじゃないですか。じゃあ補填あるの。ないですよね」
街の人
「収入が上がらないなかで余分なお金を投資できない」
岸田総理の成長重視の姿勢に総理のブレーンの1人とされる元内閣府参与の原氏は･･･
元内閣府参与・アライアンス・フォーラム財団会長 原丈人氏
「岸田総理は変節はしてません。彼は最終的にはそこ（分配）に持ってきたいと思ってます」
原氏は夏の参院選後に、さらに分配の具体策を出していくとの見通しを示しました。ただ、内閣の成長戦略にはこう釘を刺しました。
元内閣府参与・アライアンス・フォーラム財団会長 原丈人氏
「株主利益だけを追求すればいいという、こういう経営のやり方は、成長産業をつくったとしても社員はちっとも豊かにならないです」
この20年、企業は配当などの形で株主への還元を大幅に増やしてきましたが、従業員への還元の割合はほとんど増えていません。原氏は株主偏重を転換し、社員や社会へ利益を還元する「公益資本主義」を実現するよう訴えました。
「成長も分配も」岸田総理は二兎を追うことが出来るのでしょうか。
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