NATO加盟申請の「スウェーデン」バルト海に浮かぶ“不沈空母”の島で緊張高まる 住民らに広がる申請への“戸惑い”|TBS NEWS DIG

NATO加盟申請の「スウェーデン」バルト海に浮かぶ“不沈空母”の島で緊張高まる 住民らに広がる申請への“戸惑い”|TBS NEWS DIG

NATO加盟申請の「スウェーデン」バルト海に浮かぶ“不沈空母”の島で緊張高まる 住民らに広がる申請への“戸惑い”|TBS NEWS DIG

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、NATO=北大西洋条約機構への加盟を申請したスウェーデン。ロシア軍と向き合い「不沈空母」とも呼ばれる最前線の島では、緊張感が高まっています。

バルト海に浮かぶスウェーデンのゴットランド島。北欧有数のリゾート地です。中心都市ビスビーは世界遺産で、映画「魔女の宅急便」のモデルの地とも言われていますが、最近、別の理由で一気に注目が高まっています。

記者
「ここゴットランド島からバルト海を挟んでおよそ300キロ先にあるのが、ロシアの飛び地・カリーニングラードです」

ロシアがバルト艦隊の司令部を置くカリーニングラードと向き合う位置にあるゴットランド島。

ウクライナ侵攻を受けて今月、スウェーデンがフィンランドとともにNATO加盟を申請。ロシアが対抗措置をちらつかせる中、この島の緊張感は高まっています。

住民
「心配です。この島の位置は、むき出しになってるので」

スウェーデン軍は現在、300人規模の部隊をゴットランド島に駐留させています。

ゴットランド連隊 司令官
「ゴットランド島を制する者は、バルト海の制海権・制空権をコントロールすることができます」

冷戦終結後にいったん撤収していましたが、2014年にロシアがクリミアを一方的に併合して以降、再度部隊を配備。ウクライナ侵攻直後には一時、数を2倍にしました。

スウェーデン兵
「ロシア軍が侵攻してきても絶対に撃退する自信があります」

しかし住民の中には、NATO加盟申請に戸惑う人もいます。ゴットランド島に40年以上住んでいるリーナ・ノーダペラさん(70)。

リーナ・ノーダペラさん
「NATO加盟か非加盟か、個人的にはどちらが正しいかわかりません」

リーナさんの迷いには、母親の戦争体験も影響しているようです。

母親のマレットさんは、エストニア生まれ。1944年、ソ連に占領された際に、2万5000人以上のエストニア人とともにスウェーデンに逃れてきました。当時14歳。エストニアでは爆撃で人が死んだり、知り合いがソ連兵にレイプされたりする状況だったといいます。

リーナ・ノーダペラさん
「母はロシアを憎んでいました。周りでレイプが行われるという酷い体験があったからでしょう」

母親は戦争で受けた精神的トラウマに悩まされ続けました。

リーナ・ノーダペラさん
「麻薬以外、ありとあらゆるものに依存していました」

リーナさん自身も周りの人は気にならない生活の音を苦痛に感じる「聴覚過敏」に悩まされていますが、医師らは依存症の母親との暮らしに影響された可能性を指摘します。

リーナ・ノーダペラさん
「戦争が人にどんなトラウマを残し、それが次の世代にどんな影響を与えるか、わかったものじゃありません。これ以上は無理です…」

最前線の島で、戦争の影が近づいてくるのを感じながら、リーナさんの思いは揺れています。

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