【独自】“代引き詐欺”未注文商品 強引送り付け・・・589件被害続出 「謎の企業」直撃(2022年5月30日)

【独自】“代引き詐欺”未注文商品 強引送り付け・・・589件被害続出 「謎の企業」直撃(2022年5月30日)

【独自】“代引き詐欺”未注文商品 強引送り付け・・・589件被害続出 「謎の企業」直撃(2022年5月30日)

 注文していない商品を強引に送り付け、支払いを迫る“代引き詐欺”。今月、大量に商品を送り付けている会社を追跡すると、深刻な被害の実態が見えてきました。

■「支払ってしまった」被害続出

 26日、ツイッターの検索ワードで急浮上した「A社」。そのA社から、身に覚えのない荷物が送り付けられる被害が相次いでいます。

 ツイッターから:「代引き詐欺の荷物が来た。ツイッター見たら、被害者多数!」「1万5000円の代引きの小包がきた。なんだ・・・?怖いぞ・・・」

 10人を超える投稿者を取材すると、実際に送られてきたのは、ワイヤレススピーカーや洋服、ヘアアイロンなど様々です。

 ツイッターから:「お母さん詐欺られた!!!!兄の宛名で届いて、代引きで1万930円払っちゃったんだって!!!!マジで許されない」「送り付け詐欺にあってしまった。私が不在の間に、家族が支払いをして受け取ってしまったの」

■格安商品をエサに?巧妙手口

 さらに、取材した半数以上のケースで、ある共通点が見つかりました。

 あやみさん:「通販サイトで以前から欲しかったBluetoothスピーカーを購入したんですけど。出品者都合でキャンセルされましたというようなメールが何度か届いて。最終的に、商品が代金引き換えで自宅に届きました」

 共通していたのは、被害者がネット通販サイトで、格安商品を購入しようとしていたことです。

 商品を注文したはずが、一方的にキャンセル。すると、この注文先とは全く別のA社から、“代金引換”で荷物が届いたというのです。

 ある女子大生は、黒い財布を1万3000円で購入する手続きをしましたが、なぜかキャンセル状態に・・・。その後、A社から有名ブランド品の偽物とみられるチェック柄の財布が届き、代引きで1万7000円を請求されました。

 この大生が不在の時に、商品が届いたため、家族が1万7000円を支払ってしまったといいます。

 販売サイトのレビュー欄を見てみると、次のような書き込みがありました。

 販売サイトのレビュー欄:「一方的にキャンセルされ、1000円値引きするので、着払いで受け取るようにメールが届いた」「キャンセルされて、代引きで商品が送付されました。詐欺でしょうか」

■“住所”は別会社・・・「謎の企業」追跡

 なぜ、このようなことが起きているのでしょうか?

 商品の送り状に書かれたA社の住所を訪ねてみたところ、そこはA社とは全く異なる運送会社でした。

 A社の住所にある運送会社:「うちはA社ではない。A社に保管できないので、うちで保管して下さいという感じで、返品された商品を保管するために、お願いされている」

 A社の住所には受け取り拒否されて、返品された商品が集まってくる倉庫がありました。

 送り状に書かれたA社の電話番号を追跡すると、A社と同じ電話番号を使っている「謎の企業」が取材に応じました。

 「謎の企業」社長:「(Q.詐欺疑惑が出てて・・・)A社は海外の店舗の名前で、中国」

■「謎の中国企業」対応業者も悲鳴

 A社は株式会社を名乗っていますが、日本で法人登記をしていない中国の企業だと判明。先ほどの謎の企業は翌日、改めて取材に応じました。

 「謎の企業」社長:「日本にまとめて、輸出手配を中国で一括してポンと、日本に送ってくる業者さんと契約してる。弊社で、国内で発生するクレーム対応の電話、メール対応を委託もらって行ってる委託関係です」

 取材に応じたこの会社は、クレーム処理のみを請け負う代理店であると説明します。

 見せてもらったのは、今月返金対応を行ったという、おびただしい量の個人情報リスト。5月だけで589件、約700万円分を返金していました。

 クレーム対応のB社・社長:「お客さんは、代引きでお金を支払ってしまったので。弊社では、できるだけすぐに返金という形で、手配を毎日させてもらってる」

 一日に最大50件を超えるクレームが入り、手が回らない状態だといいます。

 クレーム対応のB社・社長:「本当に申し訳ないなという気持ちでいっぱいで。弊社も対応が遅れてしまったので。お客さんの対応がすぐできなくて、不安を与えたということなので。それで炎上して、詐欺ではないかという話も」

■今月だけで600件・・・強引送り付け

 中国の会社・A社は、今月だけで600個もの商品を代金引換で勝手に送り付けているといいます。

 クレーム対応のB社・社長:「本当に申し訳ないなという気持ちでいっぱいで」

 取材に応じたこの日本企業・B社が、A社のクレーム対応を請け負ったのは、最近のことだといいます。請け負った理由は、新型コロナでした。

 クレーム対応のB社・社長:「今までは信頼できる客しか頂いてなかったが、上海がロックダウンして、他社が(荷物を)出してたところが出すところ無くなって。変な荷物が弊社に流れてきた事実に、申し訳ない」

 上海のロックダウンの影響で、代金引換で荷物を送り付ける業者の上海物流ルートが閉鎖。B社が利用する中国・深センの物流ルートに、悪意のある荷物が流れ込んできたのだといいます。

■国民生活センター「直ちに処分OK」

 現在は、A社と契約を解除したというのですが・・・。

 クレーム対応のB社・社長:「モグラたたきのような感じ。おそらく同業他社に行って、代引きで送られて来るかもしれないですが。それはゼロになるとは、難しいと思う」

 国民生活センターは、一方的に送り付けられた商品の代金は支払い不要で、直ちに処分して構わないと注意喚起を行っています。

(「グッド!モーニング」2022年5月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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