ゼレンスキー氏「そこは地獄」東部でロシア軍後退も砲撃続く 「喉をやられる…息苦しい」いまも約700人が避難するハルキウの地下鉄駅を取材|TBS NEWS DIG
ウクライナ情勢です。東部地方でのロシア軍の攻撃は続いていて、ゼレンスキー大統領は「無差別攻撃だ」と非難しています。一方、北東部ハルキウでは、ロシア軍が後退しているものの取材に入ると、砲撃音は今も頻繁に聞かれます。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ドンバスでは、占領者がさらに圧力をかけようとしている。そこは地獄だ。誇張ではない」
19日、ロシア軍が東部ドンバス地方を集中攻撃していると非難したゼレンスキー大統領。ロシア軍が無差別攻撃を行っているとして、「ジェノサイド=大量虐殺にほかならない」と訴えました。
東部ルハンシク州の知事によりますと、住宅地や役所が砲撃を受け、市民12人が死亡したということです。
一方、ゼレンスキー氏はウクライナ軍が攻勢に転じ、ロシア側を押し返しつつある北東部ハルキウ州について、「解放のため前進し続けている」と強調しています。
これはハルキウ州の州庁舎の映像。3月1日にミサイル攻撃を受けました。侵攻当初、激しい戦闘が繰り広げられたハルキウは今、どうなっているのか。
取材班は今回、攻撃を受けた州庁舎をドローンで撮影しました。今も大きな穴が残っているのがわかります。
記者
「今からちょっと州庁舎の中に入ってみようと思います」
庁舎では現在、解体工事に向けて作業員が片付けなどを行っています。上の階に進んでいくと、床が抜けた状態になっています。
記者
「ミサイルがあの天井を突き破って、6階分突き抜けて下まで行ったんですね。その威力がわかると思います」
すると。
記者
「サイレンが鳴った行こう」
ミサイルの警報でしょうか、遠くからサイレンの音が。
記者
「次に当たった場合、崩れてくる可能性ももちろんあるので、ここは一旦退避ということにします」
取材班は、近くの地下鉄の駅にいったん移動しました。ハルキウの地下鉄の駅は、侵攻開始当初からシェルターになってきました。
ウクライナ軍のハルキウ奪還の動きが進む中で、今は多くの人が家に戻ったり、宿泊施設に移ったりしていますが、現在も地下鉄の各駅には合わせて700人程度が暮らしているといいます。ヤーナさん(38)と娘のミラナちゃん(2)の駅での生活は、もう2か月以上です。
ヤーナさん
「ここでは皆、喉をやられるようになりました。外にいる間はいいんですが、ここに入ると息苦しくなるんです」
2歳のミラナちゃんも「今、何が起きているかわかっていると思う」とヤーナさんは言います。
ヤーナさん
「『ママ、怖がらないで。私が一緒にいるから怖くないよ』なんて言うんです」
ヤーナさん親子が住んでいた市の北東部、サルティフカ地区に行ってみました。かつて多くの子どもたちがいたはずの学校や公園は。
記者
「学校の周りですけれども、こうした砲弾のあとがいっぱい散らばっています。そこそこの重さがあります」
地面には、砲弾でえぐられた痕が残り、校舎の窓ガラスの多くは割れていました。近くには集合住宅がありますが、住民のほとんどは避難しているようです。それでも…
記者
「人がやっぱりいるんだな。住んでいるんだね、まだね」
生活インフラがほぼ絶たれているこの地区の人たちのために、ボランティアが食事を届けに来ていました。食事をもらいにきた女性が別れ際、私たちに言葉をかけてくれました。
記者
「もう行かないといけないね。どうぞご無事で」
住民
「ありがとう。そちらも気をつけてね。あなたたちの国もかつて大変でしたよね。でも、太陽は必ず昇ります。どんなに夜の闇が深くても明けない夜はありませんから。みんなそれを忘れちゃだめです。生きていることに感謝しましょう。お元気で」
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