「水を差される可能性も」コロナが去っても新たな“逆風”相次ぐ値上げで消費低迷も(2022年5月18日)
東京・伊勢丹新宿本店では、4月の売り上げがコロナ前を上回る水準にまで回復しました。3月下旬にまん延防止等重点措置が全面的に解除され、外出に制限がなくなったことが財布のひもを緩めているとみられます。
買い物客:「今までコロナ禍で出かけなかったが、外出できるようになったので、外に出る時に使うもの、ちょっと良いバッグ、時計とか欲しい」「通販とかでしか買えなかった。だからちょっと見て買いたい。その分、値段が上がっても、良いものがないかなと」
店は、さらなる売り上げの増加に期待を寄せています。
伊勢丹新宿本店 婦人・宝飾時計・雑貨営業部、秋吉朋子販売担当長:「今後状況が良くなり、ますます規制が緩和されれば、お客様の外に向けて行動したいマインドが増加してくる。消費の拡大に期待したいし、十分にお応えできる体制を取りたい」
一方で、18日に内閣府が発表した1~3月のGDP(国内総生産)速報値は、年率換算で1.0%のマイナスとなりました。新型コロナの影響で旅行や外食への支出が低迷したほか、公共事業が落ち込んだことなどが影響しました。
政府は、4月以降の個人消費の回復に期待を寄せているものの・・・。
松野官房長官:「景気は持ち直していくことが期待される。ただし、ウクライナ情勢等による不透明感が見られるなかで、下振れリスクには十分注意する必要がある」
その下振れリスクの一つが、原材料価格の高騰。今、モノづくりの現場を直撃しています。
日進工業、竹元盛也社長:「この前、ある材料が1回で20%値上がりした。空前絶後の値上がりを迎えている。過去経験がない。だから対応が非常に難しい」
自動車や医療機器の部品を製造している日進工業では先日、製品価格の値上げに踏み切りましたが、このままでは、さらに引き上げざるを得ないといいます。
日進工業、竹元盛也社長:「ガソリン代の値上がり、材料の値上がり、人件費だって下げるわけにいかない。最低でも維持しなきゃいかん。(価格が)下がる要因なんか何もない。全部が上がる要因。価格転嫁してお客さんには申し訳ないけど、お願いせざるを得ない」
こうした値上げが様々な場所で積み重なれば、さらなる物価の上昇を引き起こしかねません。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング、小林真一郎主席研究員:「いったんオミクロン株の感染拡大が落ち着いているので、いわゆる対面型サービスを中心に個人消費は順調に伸びると思う。ただ、物価も同時に上がってきている。せっかく個人消費が回復していく勢いが、物価の上昇によって水を差される可能性もある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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