緊張感あおるため? 元医師の脱北者が語る“感染実態”とは(2022年5月18日)

緊張感あおるため? 元医師の脱北者が語る“感染実態”とは(2022年5月18日)

緊張感あおるため? 元医師の脱北者が語る“感染実態”とは(2022年5月18日)

 連日、「発熱者」が拡大する北朝鮮。18日、新たに確認された数は約23万人です。元医師の脱北者は私たちの取材に「緊張感をあおるために感染を公表したのではないか」と分析しています。

 幹部たちを前に、熱がこもる金正恩総書記。幹部らの消極的態度と初期対応の未熟さが危機を招いたと、叱責したといいます。

 金正恩総書記:「時間が命の防疫戦争で初期の複雑性と苦しみを増大させた」

 新型コロナウイルスに強い危機感を示す金正恩総書記。とはいえ、自身はマスクをしていません。幹部たちもほとんどが“ノーマスク”です。

 一方で、部屋のドアは開けっ放し。換気には気を使っているようです。

 と、熱く語っていた金正恩総書記が笑顔を見せる場面が・・・。

 会議では政府の対応により、状況は好転しているとの認識も示したといいます。

 北朝鮮メディアによりますと、18日に発表した新たな“発熱者数”は約23万3000人で、直近では徐々に減ってきているようです。

 北朝鮮で医師として感染症対策にも携わり、脱北した崔政訓(チェ・ジョンフン)氏は北朝鮮国内の情報筋から、以前から新型コロナの感染は拡大していたと聞いたといいます。

 北朝鮮で医師をしていた脱北者、チェ・ジョンフン氏:「北朝鮮は2年3カ月の間、感染者ゼロとしてきましたが、その間の北朝鮮の住民たちは新型コロナによって生活難にあえいできました」

 現在、韓国の大学で北朝鮮の感染症や医療システムなどについて研究している崔氏。北朝鮮が感染確認を発表したのは、国内の引き締めと国外に「正常な国」だとアピールする狙いがあると指摘します。

 北朝鮮で医師をしていた脱北者、チェ・ジョンフン氏:「オミクロン株そのものが伝播(でんぱ)力は速いが、致死率が低くインフルエンザ程度です。当局がオミクロン流行の状況をコントロール可能であるという判断のもと、発表したんです。北朝鮮が最も深刻な状況から抜け出したからです。北朝鮮は、このタイミングを利用して緊張感をあおることが必要だったんです」

 そんななか、アメリカ政府の分析として、北朝鮮が数日以内にICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を行う可能性があるとCNNが報じました。

 コリア・リポート、辺真一編集長:「2日後のバイデン大統領の訪韓あたりになるのではないかと言われている。コロナでむしろ北朝鮮の人民が意気消沈している、落胆している。だからこそ、ICBMや核実験が非常に米韓に弱みを見せないという強い意思表示として強行する可能性がある」

 4月末からの北朝鮮の発熱者数は171万5000人を超え、死者は62人に上っています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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