”史上最悪の日韓関係”北朝鮮や中国との関係は…新たに就任した韓国・尹大統領の前途に立ちはだかる課題【風をよむ】|TBS NEWS DIG

”史上最悪の日韓関係”北朝鮮や中国との関係は…新たに就任した韓国・尹大統領の前途に立ちはだかる課題【風をよむ】|TBS NEWS DIG

”史上最悪の日韓関係”北朝鮮や中国との関係は…新たに就任した韓国・尹大統領の前途に立ちはだかる課題【風をよむ】|TBS NEWS DIG

様々な課題を抱えて船出した韓国の新大統領。「史上最悪」と言われるほど悪化した日本との関係修復など、課題は山積です。

■尹錫悦新大統領就任

10日、4万人の人々が会場で見守る中、韓国新大統領に尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が就任しました。
演説前には、文在寅前大統領に挨拶。また会場には、かつて弾劾された朴槿恵元大統領の姿も…。そして日本からは、林芳正外務大臣が出席しました。

ユン新大統領
「大統領の責務を全うすることを国民の前で誓います」

ユン大統領は、文在寅政権のもと、2019年に検事総長に就任。その手腕が国民に評価され、議員としての政治経験がない中、今回、大統領にまで上り詰めました。

■青瓦台からの移転

そして就任当日、早速行ったのが…

記者
「青瓦台が国民に開放され、今は建物の前にも多くの人が詰めかけている状況です」

韓国の大統領府といえば「青瓦台(せいがだい)」。しかしユン氏はそれが「帝王的権力の象徴」だと批判し、執務室をおよそ6キロ離れた旧国防省庁舎に移転。青瓦台を一般市民に開放したのです。

韓国市民・男性
「胸が熱くなる。初めて大統領府に入るというのはとても良いこと」

■ユン氏に立ちはだかる困難

しかし、ユン氏の前途には困難が予想されます。就任直後、韓国ギャラップが行った世論調査で支持率は52%と文在寅氏就任直後の84%よりも低くとどまります。さらに国会では革新系の野党「共に民主党」が過半数を握っており、保守系のユン氏にとって今後、政権運営が難航することは必至です。

■北朝鮮とどう向き合うか

こうした中、新政権の動向で注目されるのは、北朝鮮や中国といった周辺各国との関係です。ユン氏は就任演説で、北朝鮮について…

ユン新大統領
「北朝鮮の非核化は朝鮮半島に持続可能な平和をもたらすだけでなく、アジアと全世界の平和と繁栄にも大きく貢献するだろう」

文在寅前大統領は、南北首脳会談を実現させるなど、南北融和を図りましたが、ユン氏はこうした融和政策を批判。北朝鮮に対しては日米と連携する姿勢とみられます。そんな新政権を牽制するかのように、北朝鮮は7日、12日と相次いで弾道ミサイルを発射。また20日からのバイデン大統領の韓国訪問前に、核実験を行う可能性も指摘されています。

さらに北朝鮮メディアは10日、ユン氏に対し「ユン・ソンニョルの周辺には骨の髄まで、親米・親日分子、同族対決分子しかいない」と、批判したのです。

■中国との関係はーー

一方、中国との関係も微妙です。中国は、韓国が2017年にアメリカの迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」を配備したことに強く反発。

中国外務省・耿爽報道官(2017年9月)
「直ちに配備を停止し、設備を撤去するよう促す。中国はすでに韓国側に厳正な申し入れを行った」

しかし、ユン氏はその「THAAD」の追加配備や、中国を念頭にした日本、アメリカ、オーストラリア、インドの枠組み「クアッド」への参加も視野に入れているといいます。

今回の就任式に、中国からは習近平国家主席に近い王岐山副主席が出席。これまでにない高いレベルの要人で、韓国メディアからは、アメリカに近づく新政権を牽制する狙いがあるのではとの見方も出ています。

■懸案の日韓関係

そして何よりも注目されているのが、文在寅前政権下で急速に悪化し、戦後最悪ともいわれる日韓関係です。

文在寅前大統領(5月9日)
「日本の不当な輸出規制による危機を全国民の団結した力で克服したのも決して忘れない‥」

韓国でユン新大統領就任式の前日、文在寅前大統領が退任演説を行いました。そこで、3年前に日本が韓国に対し半導体素材の輸出管理を強化したことを引き合いに日本に厳しい姿勢を見せたのです。

一方、ユン氏は、大統領選で勝利した翌日の3月11日に、岸田総理と電話会談。

岸田首相(3月11日)
「日韓関係改善のために共に協力をしていきたい、こうしたことを申し上げました」

その中で、ユン氏は「お互いに、できるだけ早く対面でもお会いしたい」と話すなど、徴用工や慰安婦の問題できしむ日韓関係の
改善を望む姿勢を見せたのです。こうした状況に韓国の市民からも…

韓国市民・男性
「日本文化に親しんできた世代なので、日韓関係は良くなってほしい」

今月20日から24日には、アメリカのバイデン大統領が韓国と日本を訪問する予定となっており、対北朝鮮、対中国を巡り、日米韓の連携がどこまで進むか注目されます。

今後の東アジア情勢の鍵を握る韓国新政権の動向。日本はどのような姿勢で、新政権に臨むのでしょうかーー。

(サンデーモーニング2022年5月15日放送より)

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