「すべてが足りない」ウクライナ激戦地のマリウポリ 市内中心部の取材映像を独自入手|TBS NEWS DIG

「すべてが足りない」ウクライナ激戦地のマリウポリ 市内中心部の取材映像を独自入手|TBS NEWS DIG

「すべてが足りない」ウクライナ激戦地のマリウポリ 市内中心部の取材映像を独自入手|TBS NEWS DIG

ウクライナ最大の激戦地として、いまもロシア軍の攻撃が続く要衝マリウポリ。ウクライナ側が拠点とする製鉄所にも近い市内中心部の映像をJNNが独自に入手しました。

黒煙が立ち上るアゾフスタリ製鉄所。10日、わずか2キロほどの距離から撮られた映像です。撮影の最中にも激しい攻撃が続きます。

ロシア側はマリウポリの「完全制圧」を目指し、製鉄所への突入作戦を行っているといいます。

マリウポリ市民
「最近、また攻撃が激しくなりました」

こちらは、ロシア軍が爆撃し、避難していた市民らおよそ300人が死亡したとされる劇場です。

国連によるとウクライナ全土での死者は3496人。

しかし、ロシア側による実効支配が進むマリウポリでは被害の全容が明らかになっておらず、ウクライナ側はマリウポリだけで2万人以上が犠牲になった可能性があると指摘しています。

市の中心部に長い行列ができていました。ロシア側による月に1度の配給だといいます。

配給担当者
「缶詰や穀物、砂糖、小麦粉、石鹸などです。300~400人が並びます」

中には積まれたパンが。ただ、物資が予定通り届かないこともあるうえ、店がほとんど営業しておらず、略奪も多いといいます。

マリウポリ市民
「(配給だけでは)家族には足りません。お金がない人は、どうやって生きていけるのでしょうか。平和、電気、水、ガス、すべてが足りていません」

「Z」のマークがついた給水車にも人だかりができていました。

市内は断水が続き、市民は井戸の水も使ってしのいでいるといいます。

マリウポリに50年以上住むパンダジさん(80)。

パンダジさん
「(壊された)屋根を直すことができません。私はもう若くないので」

妻と暮らす家を案内してくれました。手作りのかまどに薪をくべて火を焚き、調理や暖を取るのに使っています。

妻・イヴァンカさん
「給水の水は苦くて、飲食には適しません。身体を洗うために使っています」

パンダジさんの隣人は、砲弾の直撃を受けたといいます。

パンダジさん
「平和を望んでいます。平和な時代まで生きていたいです」

9日のロシアの「戦勝記念日」に合わせ、マリウポリでも集会が開かれました。

親ロシア派「ドネツク人民共和国」のトップ、プシーリン氏と並ぶのは、一方的に「新市長」を名乗るイワシュシェンコ氏です。

取りざたされているロシア編入を問う住民投票について聞くと、親ロシア派の立場を主張しました。

マリウポリ「新市長」 イワシュシェンコ氏
「いつになるのかは、はっきり言えないが、共和国の住民の大多数がロシア編入を夢見ているのは確かだ」

ただ、市内に残るのは、市民のおよそ40%だといいます。

住民からはこんな声が。

マリウポリ市民
「こんなに大変なことになるとは思わなかったです。私のアパートもすべて壊されました。再建は難しいと思います。先が見えません」

こちらの男性は複雑な胸の内を明かします。

マリウポリ市民
「ここを出たいとは思いますが、50歳にもなり、ここにすべてを残し、何も持たずに出ていくことはできません」

マリウポリでの戦闘は、いまも続いています。

▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/nQotcEr

▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1

▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/CNbcEDg

▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/4FnDm7P

TBS NEWSカテゴリの最新記事