専門家「新しい考え、進展がなかった」プーチン大統領11分間の演説【Nスタ】|TBS NEWS DIG
5月9日、戦勝記念日のロシアでは、対ドイツ戦勝記念日の式典があり、プーチン大統領が演説を行いました。
約11分間の演説の中で、プーチン大統領は「(ウクライナでの軍事作戦は)唯一の決断だった」と述べるなど、軍事進攻を正当化する発言もありました。しかし専門家は今回の演説について「新しい考え・進展がなかった」と評価、本来エリート集団であるはずの軍事パレードの一部についても「エリートのはずが若手ばかり」と評価しています。
戦勝記念日を迎えてもなお攻撃が続くロシアの今後などについて、専門家にききました。
■「新しい考えや進展がなかった」プーチン大統領の発言の背景
良原安美キャスター:
5月9日、モスクワで行われたロシアの対ドイツ戦勝記念日の式典の中の演説で、プーチン大統領は「“軍事作戦”は唯一の正しい決断だった」と発言しました。改めて、今回の軍事侵攻を正当化した形です。さらに、注目されていた戦争宣言については言及はありませんでした。
また、軍事パレードも行われましたが、お披露目が予定されていた航空機については、天候不良を理由に中止されたということもありました。
この一連の式典の中で、小谷さんが注目されたポイントというのを2つ挙げていただいています。
▼プーチン大統領の演説の内容について、新しい進展がなかったということ
▼軍事パレードで登場した“エリート空挺団”について。エリートのはずが、若手兵士ばかり
ホラン千秋キャスター:
注目ポイントをそれぞれ解説をお願いしてもいいでしょうか?
明海大学 小谷哲男 教授:
まず1つは、演説の中に新たな目標が定められるということがなかった点です。もしあったとすれば、今回行われている軍事作戦を「かつてのナチスとの戦争と同じ目的のために戦っている」と言ったことは新しい点だと思います。しかし、新しく戦争を宣言するわけでもない、動員を宣言するわけでもないということで、やはり戦況がうまくいってないがために新しいことを言えなかったんだろうと思います。
もう1つ、空挺団というのは、どの国の軍にとってもエリート中のエリートですが、今回の軍事作戦の1番最初にキーウを制圧するために投入されて、撃退されました。壊滅に近い状況ではないかと言われていますが、今回出てきたのは、主幹候補生、幹部の見習いが出てきたということです。かなり空挺団はひどい状況にあるんだろうと言えると思います。
■ロシア軍が学校を爆撃 避難民60人死亡か
良原キャスター:
軍事侵攻は、現在も続けられているわけですが、今の状況を見ていきましょう。
ウクライナ東部のルハンシクという場所です。5月7日、ロシア軍が学校を爆撃するということがありました。現在、この学校には約90人が避難していたということですが、60人が亡くなった可能性があると州知事が発表しています。
一方で、アメリカの戦争研究所がこんな分析をしているんです。
アメリカ・戦争研究所(5月7日)
「ウクライナ軍がハルキウ北東部で反転攻勢に出ていて、数日から数週間のうちにロシア国境まで前進する可能性が高い」
つまり、ロシア軍が押し返されている可能性が高いという分析をしているのです。
ハルキウでは、5月9日に行われた軍事パレードに参加したロシア軍の最新式戦車「T-90M」を破壊した、とウクライナ国防省が発表しています。
ホランキャスター:
現在、ウクライナ国内の戦況はどのようになっていると分析されていますか?
小谷教授:
この1か月近くロシアは、ウクライナ東部ドンバスでの攻撃を強化しようとしてきましたけれども、それがなかなかうまくいってないのが実態だと思います。とりわけ、ハルキウから部隊を南下させて、マリウポリを早く制圧し、そこから部隊を上げてドンバスで戦っているウクライナ軍を後方から囲い込もうとしていたと思いますが、それができていない。
むしろ、押し返されていますので、ハルキウから最前線への補給線も危うくなってきているということだと思います。そうなると、ロシア軍は、かなりドンバスでも厳しい状況に追い込まれていると見ていいと思います。
■今後のロシアの目的は? 勝利宣言を出せなかった理由
ホランキャスター:
軍事パレードでは、特に勝利宣言などもなかったということで、今後ロシアとしては、何を目的に、どこまでがゴールだと設定していると思われますか。
小谷教授:
ドンバスについては、これまでよりも勢力を広げなければならないということだと思います。また、南部のヘルソンですね。これはクリミアの水源としても重要ですけれども、今のところ南部では、比較的ロシアが優勢な状況ですから、やはりこの南部ヘルソンとクリミアをしっかりと押さえる。その一方で、ドンバスでの勢力をできるだけ広げるのが当面の課題になるだろうと思います。
井上貴博キャスター:
そうすると、ドンバス地方、ロシア国境沿いを抑えることさえできれば、そこで終止符を打とうとなるのか、ここで終わってくれるのか。どうご覧になっていますか。
小谷教授:
ドンバスをある程度抑えることができれば、…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220509-6017158)
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