「これは強制収容所」マリウポリ市民“選別施設”の内部映像(2022年5月7日)

「これは強制収容所」マリウポリ市民“選別施設”の内部映像(2022年5月7日)

「これは強制収容所」マリウポリ市民“選別施設”の内部映像(2022年5月7日)

ロシア側の兵士たちが視線を送る中、赤十字のスタッフと共にバスに乗り込んでいくのは、マリウポリの市民たちです。
6日、ロシア軍に包囲されているマリウポリの製鉄所から50人の民間人が避難したと発表されました。
製鉄所内には、まだ、民間人およそ200人が残っているとみられ、避難は難航しています。
一方、6日の避難者の半分が連れて来られたのは、製鉄所からロシア方面に約25km移動した街、ベジメンネ。
ロシア軍が支配する地域で、現在は青いテントが張られています。
そして、このベジメンネは、ロシア側が避難民を身体検査して“反ロシア派”を見つけ出す「選別キャンプ」がある、と指摘されている場所でもあります。

マリウポリの市長顧問は、この場所から約600m離れた学校が「選別キャンプ」になっているとして、内部映像を公開しました。

(撮影者)
『ここがロビーです。トイレよりひどい臭いがします』
『これは洗面所です。350人が使える蛇口は1つしかありません』

衛生状態が悪いことに加え、ロシア側による「選別」をパスしても、施設を出られない人もいると言います。

(撮影者)
『これから体育館をお見せします。きのう結核の男性がここからどこかに移動させられたみたいです』

(撮影者)
『もう8時すぎだ。病院に行かないのか?』
(寝ている男性)
『もう少し寝ます。とてもだるいから』

マリウポリ市長顧問は、ロシア兵がたびたび「拷問」や「死刑」をほのめかして、市民を脅迫しているとも指摘。
食事の写真も公開しました。

(マリウポリ市長顧問のテレグラムから)
『食事は1日1回。これが強制収容所でないなら、なんだというのか』

さらに「選別キャンプ」の朝礼では、市民に対し、「5月9日にマリウポリで行われるパレードで“捕虜”として歩かせる」との発表まであったと言います。
ロシア側が意識したとみられるのは、2014年に行われたパレードです。

『ファシスト!ファシスト!』

罵詈雑言を浴びせられているのは、ウクライナ軍の兵士たちです。
親ロシア派武装勢力の兵士たちが、捕虜にしたウクライナ兵を見世物にするかのような“パレード”でした。

(ウクライナ大統領補佐官のツイッター 6日)
『8年後の5月9日、クレムリンがマリウポリで、民間人にウクライナ軍服を着させて、再び「遊び」を行う予定だそうです』

また、イギリス「BBC」は、このロシアによる「選別キャンプ」について、チェチェン紛争を想起させると紹介。
チェチェン紛争はロシアからの分離独立を目指すチェチェン共和国と、ロシアとの間で、1994年から2度にわたり戦われた民族紛争。
少なくとも20万人のチェチェン人が仮設収容所に連れて来られたとされ、その一部は、残忍な方法で尋問され、3000~5000人の行方不明者が出たとみられています。

(夫を探している人 1996年)
『どこかに夫の名前があるかもしれません。あらゆる壁に名前が書いてありましたが、全部消されています。ロシア軍は痕跡をすべて隠そうとしました』

(収容されていた人 1996年)
『足はこの杭に、手は上の杭に結び付けられていました。中央の杭はちょうど背骨に当たるようになっていました』

一方、現在もマリウポリのアパートで暮らしている夫婦。

(マリウポリで暮らす夫)
『私はウクライナにいる親戚のところに行きたい』

しかし、すでにロシア側から「ロシアのクラスノダールへ追放する」と言われているそうです。

(マリウポリで暮らす妻)
『「“選別”を待て。クラスノダールへ追放する」と言われた。私はどこへ行けば?もうここで私を殺してもいい』
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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