沈没事故から14日・・・依然12人不明 国後島周辺まで捜索範囲を拡大(2022年5月6日)

沈没事故から14日・・・依然12人不明 国後島周辺まで捜索範囲を拡大(2022年5月6日)

沈没事故から14日・・・依然12人不明 国後島周辺まで捜索範囲を拡大(2022年5月6日)

 北海道の知床沖で観光船が沈没した事故で、北方領土の国後島周辺でも捜索が始まりました。一方、運航会社が保管していた無線記録には空欄が複数あり、事故以前から適切な無線連絡が行われていなかった疑いがあることが分かりました。

 水中カメラなどを使った捜索が連日行われていますが、不明者の新たな手掛かり探しは困難な状況です。

 観光船「KAZU1」が沈む場所から見て知床半島の反対にあたる羅臼町側の海域で海上保安庁の巡視船が5日から夜通しで作業。北方領土「国後島」周辺にも捜索範囲を拡大し、今後は船を増やすことも検討されているそうです。

 そうしたなか、ROVと呼ばれる無人潜水探査機を搭載し、日本屈指の海洋作業技術を有する調査船「新日丸」が知床沖を目指して6日午後、小樽付近を通過しました。

 東京久栄エンジニアリング部・清水良和さん:「ダイバーの方も潜水時間が長くなると減圧する時間も長くなりますので、そういう意味ではROV(無人潜水機)は時間関係ありませんから」

 水深120メートルでの作業負担を考慮すると、性能が高いカメラの投入はダイバーにも大きな助けになるといいます。

 同じような機材を使って水中作業する企業に実際の動きなどを見せてもらいました。

 ジュンテクノサービス・引野潤社長:「弊社で扱っているものは基本的に小型のものを中心にしてますので、水深100メートルから350メートルまで潜れる機体を中心に扱ってます」

 水の中で自由自在、立体的に動くことができます。

 ジュンテクノサービス・引野潤社長:「ダムだと流木なんかがあるとアームで除去してあげたりとかも行う。短時間で目的地に行けるということもありますし、まずは人の安全に関わるところですので、人が行くよりロボットがまず見てから、ロボットでできない所を人がやるというのがROVの一番いいところかなと思います」

 一方、業務上過失致死の疑いで海上保安庁から捜査を受けている桂田精一社長。

 関係先から資料などが押収されるなか、事務所に保管されていた去年10月の無線記録には運航基準に定められた通過時刻や天候の状況など書き込みがなされず、空欄が目立っていました。

 事故が起きるかなり以前から安全管理への対応が不適切だったとの指摘もあります。

 知床ネイチャークルーズ・長谷川正人さん:「俺たちも『これから羅臼、うち帰るぞ、港帰るぞ』とか、『あと5分で入港するよ』とか事務所にいる運航管理者にしたら『あと30分で入港するぞ』と言って、入ってなかったらおかしな話でしょ。そうしたら運航管理者は、また船に連絡を電話なら電話して『おい、遅いけどどうなっている?』と確認するのが運航管理なんですよ」

 事故当日、社長は病院に行くため事務所を離れたうえ、無線の不具合などもあって船と交信していませんでした。

 さらに、法律上の要件を満たさないまま運航を統括する運航管理者を務めていた可能性が浮上。

 海上運送法では船長として3年以上、甲板員として5年以上、運航管理3年以上の経験など複数の要件のうち、いずれかに該当しなければなりません。

 しかし、会社の元従業員などは桂田社長が運航業務にほとんど携わった経験がないと証言しています。

 「知床遊覧船」の元従業員:「(Q.社長は海に詳しい?)ど素人ですね。何も分からないと思います。多少の悪天候でも(船を)出してほしいと要請を掛けたり」

 12人の行方が依然として分からないなか、社長は事故の補償について家族に説明をする方針だということです。

※「KAZU1(ワン)」は正しくはローマ数字
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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