“ビックリ箱戦車”も原因か 東部でロシア軍が苦戦(2022年4月30日)

“ビックリ箱戦車”も原因か 東部でロシア軍が苦戦(2022年4月30日)

“ビックリ箱戦車”も原因か 東部でロシア軍が苦戦(2022年4月30日)

 アメリカの国防総省はロシアがウクライナ東部で想定した戦果を上げられていないとの分析を明らかにしました。その原因として、「ビックリ箱」と揶揄(やゆ)されるロシア軍の戦車が抱える欠陥も指摘されています。

 ロシアにとって対ドイツ戦勝記念日にあたる5月9日。盛大に軍事パレードを行って「勝利宣言」をする可能性がこれまで報じられてきましたが、今月30日午後にロシア国防省は去年よりも小規模なパレードになると発表しました。

 軍用車は191台から129台に、行進する兵士らは1万2000人から1万人に減少し、外国の首脳も参加はないとしています。理由は明らかにしていません。

 一方、アメリカ国防総省はウクライナ東部のドンバス地方でのロシア軍の作戦が計画より遅れていると指摘しました。ロシア軍が戦力を集中しているとみられる東部で今、何が起きているのでしょうか。

 ウクライナ軍によって破壊されたロシア軍の戦車T72。爆発と同時に戦車の上部にある砲塔部分が吹き飛ばされています。

 CNNによりますと、こうしたロシア軍の戦車には「設計上の欠陥」があり、軍事侵攻が計画通りに進んでいないことを示しているといいます。

 これまで破壊されたロシア軍の戦車の残骸を見てみても、その多くは砲塔部分が吹き飛ばされていました。

 海軍分析センター、サム・ベンデット氏(CNNから):「とにかく弾が当たりさえすれば、たちまち搭載した弾薬に引火し、大爆発を起こす。砲塔は文字通り吹き飛ぶ」

 ロシア軍の戦車の問題点は弾薬の搭載方法にあるといいます。

 回転式砲塔の内部に多数の弾薬を搭載。被弾した場合は直撃でなくても連鎖反応によって搭載するすべての砲弾が爆発する危険があるといいます。

 さらに砲塔には2人、運転席に1人の兵士が乗り込んでいて設計上、被弾した場合は1秒以内に脱出しなければ全員、爆発の犠牲になってしまうのです。

 そのため軍事の専門家らは、ロシア軍の戦車を「ビックリ箱」だと呼んでいるといいます。

 イギリスのウォレス国防相はロシア軍は侵攻開始以降、少なくとも530台の戦車を含む2000台以上の武装車両が破壊されていて、目的のほぼすべてにおいて失敗してきたとしています。

 ウクライナ軍が日本時間の30日午後2時に公開した、激しい戦闘が続く東部のイジューム方面の映像。ウクライナ軍はロシア軍の拠点を発見したため、攻撃を加え壊滅させたといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事