水深120mで船体発見・・・社長から家族へ“詳細資料”なし 知床観光船未だ12人不明(2022年4月29日)

水深120mで船体発見・・・社長から家族へ“詳細資料”なし 知床観光船未だ12人不明(2022年4月29日)

水深120mで船体発見・・・社長から家族へ“詳細資料”なし 知床観光船未だ12人不明(2022年4月29日)

 第1管区海上保安本部が公表した水中カメラによる観光船「KAZU1」の画像には船首部分とみられる「KAZU」の文字がはっきりと認識できることから、連絡が途絶えた船と特定されました。海上自衛隊の掃海艇「いずしま」が船体を捉えました。

 観光船「KAZU1」が消息を絶ってから7日。

 水中カメラが沈んだ船を見つけたとの情報が29日、昼前に入ってきました。

 斜里町内で行われていた説明会のさなかに発見の一報が・・・。

 国土交通省・中山展宏副大臣:「今、家族の皆さまへの説明と桂田社長との説明をちょうど終えたところでありますが、そのなかで、海上自衛隊の掃海艇のカメラに『KAZU1』の船体らしきものを発見したとの連絡が入りました。まず家族の皆さまに一報をお伝えしたところであります」

 海上保安庁によりますと、ソナーを使った捜索中に船のような反応があり、海底をカメラで確認したところ船名であるKAZU1の文字が読めたそうです。

 場所は連絡が途絶えたカシュニの滝の沖合、水深120メートル辺り。

 24日に乗客10人と3歳女児が発見され、28日は北海道羅臼町側で3人の男性が見つかっています。

 26人のうち、いまだ12人の安否が分からないなか、船体発見にも家族の反応は冷静だったそうです。

 国土交通省・坂巻健太現地対策本部長:「やっぱりそれは一つの大きな進展だということを皆様お思いになられたと思います。それは事実として特に質問はなかったですね。『そうか』というような受け止めをされていたということだと思います」

 沈んでいる船の全貌はまだはっきりしていないとして今後、乗客がいないかなど確認が行われるそうですが、作業の見通しについて海上保安庁の担当者は・・・。

 海上保安庁・奥康彦参事官:「(Q.潜水士が潜ることはきょうあるか?)海上保安庁の通常の装備では潜れない水深になります。ですから、きょう直ちにということはありません」

 第1管区海上保安本部は亡くなった14人のうち、29日に新たに4人の身元を確認したと発表しました。

 兵庫県小野市の男性(66)と女性(62)、岐阜県多治見市の女性(51)、福岡県筑後市の男性(51)です。

 29日の現場周辺は晴れていて、波も穏やかということで捜索の漁船などが次々と港を出て行きました。

 捜索に行く漁師:「(Q.きょうはどの辺りを捜索?)(知床半島の)先の方」「(Q.羅臼(半島の東)側?)たぶんあっちまでは行かないと思う」「(Q.波が高い?)いろいろと作戦があるから」

 知床沖では海上保安庁の高性能探知機を搭載した測量船「天洋」が現場付近に到着。

 残った乗客や乗員の行方を懸命に捜しています。多数の船が連なって捜索活動を行っているのが確認できます。

 第1管区海上保安本部によりますと、28日午後5時半ごろ、ロシアの国境警備局から27日、国後島西側の海域でライフジャケットを着た漂流者を発見したが、悪天候によって見失ったとの連絡があったことが分かりました。

 さらにロシア側は海上でリュックサックを回収し、なかには日本人名義のキャッシュカードが入っていたといいます。

 KAZU1が見つかったとの情報が発表されるなか、29日も斜里町内に設置された献花台を訪れる多くの人が・・・。

 網走市から献花に来た人:「ちょっとニュースで見て、隣町に住んでいたんですけど・・・本当に可哀想だし、早く皆、見つかってほしいので早く見つかるのを祈っています。もうすぐ3歳なので、同い年くらいの子だったので、こうやって海で亡くなるって悲しいことだと思うので、こういうことが起きてほしくないので、そう願っています」

 家族の怒りは日を追うごとに高まっています。29日も行われた説明会に運航会社の桂田精一社長の姿がありました。

 斜里町の町長などによりますと、家族側から求められていた事故の時系列や海の状況などに関する詳しい資料が桂田社長から出されていないとして再三、要求があったということです。

 海上自衛隊の掃海艇「いずしま」が捉えた船体。船首部分とみられ、KAZUの文字がはっきりと認識できることから行方が分からなかった船と特定されました。

 海上保安庁・奥康彦参事官:「(Q.『KAZU1』が見えた?)そうです。船体全体がカメラで見えませんよね。要するに約120メートルの水深ですから、暗い所でカメラの明かりで見てますので」「(Q.中に人が取り残されているかどうかどう確認する?)どういった形で何ができるかということを色々なオプションを検討しているなかで、実際の状況と照らし合わせながら作業をどうして進めていくかということを検討することになる」

 29日の捜索を終えて戻ってきた船長に話を聞くことができました。

 エバーグリーン号・長谷川正人船長:「何か手掛かりがあればと思って各船が無線でも皆で言ってたんだけど、漁船の連中もそうだし、あしたからまた安全運航に努めながら何かまた手掛かりが見つかれば・(船の)場所は特定できたので、後はサルベージ(引き揚げ)できちっと上げれば色々解明できると思う」

※「KAZU1(ワン)」は正しくはローマ数字
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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