知床観光船の社長 土下座3回・・・謝罪「私の至らなさ」「事故原因もわからない」(2022年4月28日)
知床の観光船事故から5日目となって、初めて運航会社の社長が会見を開きました。土下座をして謝罪し、悪天候となる可能性を認識しながら、出航を条件付きで認めたと明らかにしました。
■観光船社長・・・土下座3回
知床遊覧船・桂田精一社長:「この度は、大変申し訳ございませんでした。この度はお騒がせして、大変申し訳ございませんでした」
「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)は会見冒頭、2度にわたって、土下座で謝罪しました。
桂田精一社長:「最終的に(出航の)判断は、すべて私でございます」
これまで確認されている死者は11人。27日も、行方が分からない15人の乗員乗客の捜索が行われましたが、新たな手掛かりは見つかっていません。
■悪天候で“条件付き運航”
事故当時、周辺海域の波の高さは3メートル。強風・波浪注意報が出ていました。それでも、桂田社長は出航を決めたといいます。
桂田精一社長:「(Q.天気図を見誤っていないか?)自然現象なので、天気図が常に正確に当たるわけではない。豊田船長から、午後荒れる可能性があるが、午前10時からのクルーズは、出航可能と報告がありました。この時点でウトロでは、風と波も強くなかったので、海が荒れるようであれば、引き返す“条件付き運航”であると豊田船長と打ち合わせ、当時の出航を決定しました」
■「お客様の要望」社長釈明
海の状況次第では、途中で引き返すこともある“条件付きでの出航”。そう決めた背景には、これまでに乗客から出されていた要望があったためだといいます。
桂田精一社長:「お客様も、このような(知床半島の)先端まで来て、ちょっとでも走ってほしいという要望がすごくあります。体感をして頂き、揺れて『帰ってくれ』という気持ちになって、納得して頂く方法を取っていた」
事故当日、事務所にいた人は、次のように話します。
事故当日に事務所にいた人:「条件付き運航には、なっていなかったと思う。条件付き運航は、事務所で受け付けする時に、お客さんに必ず言う。それも耳にしなかったから」
■安全管理規定“数値なし”
クルーズの安全を担保するうえで欠かせないのが、“安全管理規程”です。その内容について、桂田社長は次のように説明しました。
桂田精一社長:「波が1メートル以上で欠航。風速8メートル以上で欠航。視界が300メートル以上ないと出航できない」
一度は、具体的な数字を出したものの、直後に説明を一転させました。
桂田精一社長:「1メートル、8メートル、300メートルというのは、安全管理規程には書いてありません」「(Q.安全管理規程をもう一度教えて頂けますか?)え?安全管理規程・・・。もうちょっとあいまいな表現になって、数字が出ていないんですね。数値は出てないです。安全管理規程には、数値は出てないです」
■社長謝罪「私の至らなさ」
事故当日、「KAZU 1」からの連絡は、同業他社に入りました。その理由について、自ら驚きの事実を明らかにしました。
桂田精一社長:「午前8時30分。他社の船長から、当社の無線のアンテナが故障、屋根から外れている報告があり」「(Q.数カ月前にアンテナの故障を指摘したという話もあるが?)それは、ございません」
無線が故障し、携帯電話の電波も届きづらい海の上。遭難した時に、連絡手段として頼りになるのが、衛星電話ですが・・・。
桂田精一社長:「私は積んでいた認識しておりましたが、実際は修理に出していると。故障中だということです」「(Q.今回の事故が起きた原因は?)私の至らなさだと感じている。事故の原因も分からない。そういう至らなさです」
(「グッド!モーニング」2022年4月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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